砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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56 巻, 4 号
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  • 新井 亮一, 森田 昇, 西 貴仁, 小口 京吾, 武井 持, 成田 周介
    2012 年56 巻4 号 p. 238-243
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
     微小径ドリル加工での切削抵抗(スラストおよびトルク)の計測は,加工状態を把握する上で非常に重要であるが,トルクの計測は難しく,技術的な課題が多い.そこで,微小径ドリル加工で発生する切削抵抗の同時計測が可能な力センサ内蔵型スピンドルと,それを搭載した微細穴加工機を開発した.スピンドルは,微小な信号を検出するため空気静圧軸受構造とし,スラスト検出には半導体ひずみゲージ,トルク検出には光センサを用いた.その結果,スラストは0.1N以下,トルクは0.05N・mm以下の検出分解能を持ち,良好な直線性を得ることができた.また,切削抵抗を監視し,切削抵抗の負荷領域設定による折損予防制御を備えることで,直径0.1mm以下の安定した微小径ドリル加工が実現できた.
  • 船曳 泰司, 児玉 紘幸, 青山 栄一, 廣垣 俊樹, 小川 圭二
    2012 年56 巻4 号 p. 244-249
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,次世代高放熱積層板として開発された高硬度であるが高熱伝導なフィラを充填したアルミナフィラ含有プリント基板を対象に,マイクロドリル加工現象を考察するためにドリル摩耗特性を調べ,実用加工条件式を導出した.さらに,高熱伝導フィラ含有プリント基板における熱伝導特性の変化が加工時の基板温度へ及ぼす影響を調べた.その結果,次のことが明らかとなった.基板温度は基板のフィラ量増加に伴う放熱作用及び工具摩耗による発熱作用の複合現象が起きており,ある切削速度で基板温度の極大値が発生することがわかった.また,導出したドリル摩耗の実用加工条件式はサンドエロージョン効果を考慮するとテーラーの工具寿命方程式と似た形となった.そして,ケーススタディの結果,導出した実用加工条件式の有用性を示した.
  • 羽田 篤史, 森田 昇, 山田 茂, 高野 登
    2012 年56 巻4 号 p. 250-255
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,ガラス割断用のスクライビングホイールの3種類の刃先形状と2種類のホイール固定用ピンを組み合わせた場合の,ガラス割断時のころがり摩擦挙動の把握および有限要素解析(FEM)による割断現象の解明を目的としている.まず,ころがり摩擦実験装置を作製し,スクライビングホイールとガラスとのころがり摩擦係数の測定,ガラス割断面へのくい込み深さおよびき裂進展深さの測定を行った.次に,FEMシミュレーションにより,スクライビングホイールとガラスとの2次元ころがり接触における応力分布を推定し,実験結果の妥当性を示した.
  • 林 偉民, 大村 元志, 藤本 正和, 呉 勇波, 山形 豊
    2012 年56 巻4 号 p. 256-261
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
     遊離砥粒研磨において,非球面金型等の加工のため安定的な研磨除去量と仕上げ面粗さ向上の確保が必要とされている.本研究では,パイプ状研磨ツールを用いて,ツールの端面を加工面に接触させ,ツールの軸線を加工面法線と一定の角度に保ち,ツールが軸線周りに回転する自転運動と加工面の中心に通る法線の周りに回転する公転運動を同時に実現させる新しい自転/公転型研磨法を提案した.この手法は,研磨中にツールの形状が安定的に維持でき,研磨エリア内の速度分布により研磨面粗さも一様にできる.本報では,まず自転/公転型研磨法の原理を紹介し,数値計算によりツール形状の検討を行った.また,簡易的な実験方法による自転/公転型研磨法の研磨特性の検証を行い,自転/公転型研磨ユニットの試作を行った.最終的に試作した自転/公転ユニットによる研磨実験を行い,基礎的な研磨特性を確認した.
  • 深川 仁, 廣垣 俊樹, 加藤 隆雄
    2012 年56 巻4 号 p. 262-267
    発行日: 2012/04/01
    公開日: 2012/09/19
    ジャーナル フリー
    CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)に対する小径の穴あけ技術として,ドリル・レーザ・ウォータージェット加工などを比較検討したが,それぞれ加工コスト・加工時間・穴品質などの点で課題があり,効率的な加工技術が確立されていないのが実情である.本研究ではCFRPに対して,微細砥粒を用いて直噴式ブラスト加工による穴あけ実験を試み,比較的良好な加工ができることがわかったので,ブラストの各種条件を変え,穴精度や品質への影響を調べて,加工技術を開発した.また,CFRP材料の除去加工メカニズムについて実験結果から考察した.
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