砥粒加工学会誌
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57 巻, 5 号
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  • 加藤 明, 田中 久隆, 佐藤 昌彦, 荒木 聡
    2013 年57 巻5 号 p. 303-308
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    ボールエンドミルの再研削は,加工コストの低減と省資源の観点から生産現場での要求が高い.本研究では再研削ボールエンドミルの実用性について検討した.まず,ステッピングモータを用いた廉価なボールエンドミル再研削盤を開発し,工具再研削の経済性について検討するとともに,CAD/CAMシステムにより作成した再研削データを用いて,ボールエンドミル逃げ面の再研削を行った.次に,再研削工具と新品工具を用いて金型鋼の傾斜面切削実験を行い,工具寿命,切削力および加工面粗さを比較することで,両工具の切削性能を調べた.その結果,再研削工具と新品工具の切削性能の差は小さく,とくに,逃げ面摩耗100μmまでの切削性能は同等であることが明らかになり,試作した再研削盤による再研削ボールエンドミルの実用性,経済性が高いことが示された.
  • 第2報:鏡面研削における工作物の表面品位の向上
    山口 桂司, 山﨑 遼, 久保 公秀, 太田 稔, 江頭 快, 秋田 恭伯, 鈴木 祥司
    2013 年57 巻5 号 p. 309-313
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    ラピッドローテーション研削とトランケートツルーイング・マイクロドレッシングを融合したラピッドローテーション鏡面研削は,高能率な鏡面研削が実現できるだけでなく,砥石と工作物をともに高速化させるため各砥粒と工作物との接触時間が極めて微小になる.そのため,熱影響層が小さく抑えられ,高品位な鏡面研削が可能になる.本研究では,砥石周速度200 m/sの超高速研削において,工作物周速度も従来の10倍まで高速化させたラピッドローテーション鏡面研削による焼入れ鋼の研削加工を行った.ここでは,研削能率を従来の研削条件と等しくさせた場合のラピッドローテーション鏡面研削による加工変質層や金属組織,残留応力などについて述べる.実験の結果,ラピッドローテーション鏡面研削領域の超高速研削においても0.10 μmRa以下の鏡面が得られること,極表層は金属組織が微細化され,工作物表層に圧縮残留応力を付与できることを明らかにし,従来の研削に対するRRMG法の有意性を確認した.
  • 柘植 英明, 竹腰 久仁雄, 山神 成正, 加賀 忠士, 坂東 直行, 小川 大介, 渡辺 義見
    2013 年57 巻5 号 p. 314-319
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の穴あけ加工において, 2軸回転砥石による新規穴あけ加工法(以降,ジャイロ式砥石穴あけ加工法)を提案しており,本報ではSiC砥石の耐久性について検討した.その結果,砥石の耐久性は,砥石の粒度,加工条件および砥石形状によって変わるが,平型形状の砥石においては,砥粒が大きくかつ周速が高いほど加工できる穴数が増加することがわかった.また,加工穴数の増加に伴って砥石の目づまりも増加するが,加工が困難となる直前の穴あけ加工においても,ケバや剥離がほとんど生じない良好な加工ができることを確認した.
  • 鋳鉄ボンド砥石への適用
    高橋 岐明, 伊藤 伸英, 井手上 敬, 長谷川 勇治, 加藤 照子, 大森 整
    2013 年57 巻5 号 p. 320-321
    発行日: 2013/05/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    ELID研削技術は,工業製品の高品質・低コスト化を実現する加工技術として活発に利用されている.また,加工の分野において加工パフォーマンスと共に,環境への配慮が求められている.このような社会的要求に応えることを目的として,電解還元水を研削液に用いるELID研削の実用化を進めている.本実験では,鋳鉄ボンド砥石を用いたELID研削への適用を試みた.実験の結果,電解還元水のpHと電流密度を調整することで鋳鉄ボンド砥石に不導体被膜が形成することがわかった.さらに,加工実験から,電解還元水を用いてもELIDの効果が期待できることを確認した.
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