砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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52 巻, 5 号
MAY.
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  • 稲田 明弘, 大森 整
    2008 年 52 巻 5 号 p. 272-277
    発行日: 2008/05/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
     光学素子用や先端医療分野での各種試験基板用金型に対応するための精密微細加工の研究開発が盛んであるが,ダイヤモンド切削工具は金型鋼材との親和性の理由により一般的には採用されない.本研究では鉄系被削材に対するダイヤモンド切削工具の適応の可能性を探究するため,ナノカーボン粒子を含有させた水溶性クーラントに電解作用を付与できるイオンショットクーラントシステムを考案し,その切削現象における効果の調査を行った.その結果,ナノカーボン粒子の含有効果として単結晶ダイヤモンドバイトと鉄系被削材との凝着抑制作用が,電解付与効果としては被削材の表面改質による切削性の向上効果と電気化学付着作用による微細切りくずの排出効果が確認できた.
  • -定圧研削と定切込み研削の目立て間寿命の関係-
    澤 武一, 長渡 康幸, 幾瀬 康史, 海野 邦昭
    2008 年 52 巻 5 号 p. 278-282
    発行日: 2008/05/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究は,ファインセラミックスの被研削性を簡便に評価する方法として,定圧研削時の除去速度を用いることを提案する.研削の進行に伴う除去速度の変化に基づきファインセラミックスの目立て間寿命に関する被研削性を評価するとともに,定圧研削と定切込み研削の目立て間寿命の関係を実験的に検討した.その結果,定圧研削の除去速度率の変化を比較することにより,ファインセラミックスの目立て間寿命に関して被研削性を定量的に評価できる指針を確認した.そして,定圧研削と定切込み研削の目立て間寿命には相関関係があることを示し,定圧研削の除去速度率から定切込み研削の目立て間寿命を定性的に評価できることを見出した.
  • 佐野 定男, 岩井 学, 植松 哲太郎, 鈴木 清
    2008 年 52 巻 5 号 p. 283-288
    発行日: 2008/05/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
    硬質金属や超硬合金の放電加工において問題となっている仕上げ領域における放電加工用電極の消耗の問題を解決する手段として,多結晶ダイヤモンド焼結体(PCD)を電極として適用した.本報告では,原料粒径の2μm~30μmのダイヤモンド粒子から製造された各種PCD素材(コバルト含有量=7.9~15.2vol%)の電極材料としての適性をSKD11材および超硬合金に対して,PCD素材のコバルト含有率や熱伝導性との関係で調べた.その結果,被加工物がSKD11の場合,放電持続時間teが1μs~30μsの仕上げ放電加工領域においても,各種PCD電極は極低消耗であった.また被加工物が超硬合金の場合でも,放電持続時間teが5μs以上では極低消耗を示すとともに,1μsのように短い放電持続時間のときでも3%以内の消耗に抑制できた.超硬合金の極短放電持続時間に生じた電極消耗は,ダイヤモンド粒径が大きいほど小さく,コバルト含有量が多いほど増大した.物性値との関連では,熱伝導率が高いPCD素材ほど電極消耗は減少した.続いて,5μs以上の放電持続時間において極低消耗加工が実現できた原因を調べた結果,電極表面にグラフィティックカーボン層が付着していることを見いだした.
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