砥粒加工学会誌
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51 巻, 1 号
JAN.
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  • 風間 賢一, 安岡 快, 山田 弘文, 杉田 忠彰
    2007 年51 巻1 号 p. 35-40
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2009/05/18
    ジャーナル フリー
    ラッピング加工は,仕上げ面の精度や品質が極めて高く,精密加工の最終仕上げ法として多用されている.しかし,研削に比べ単位時間あたりの加工量が小さいため,電子部品用基板や高精度機械部品の量産分野では,ラッピングの加工量向上に関する要望が強い.本研究では,模擬ラッピング装置を使用し,ラッピング加工中の遊離砥粒の挙動を可視化し,加工にあずかる砥粒量を増加させる方法を見出している.定盤上の砥粒保持用小穴(ピット)の上端部のバリを除去することによって,加工に関与する砥粒量を増やすことができると予測し,これを検証している.得られた結果を実用に供するため,細粒の砥粒と軟質の結合材を用いたラップ定盤能力向上用修正砥石(Conditioner)を開発している.当該砥石を用いて修正した定盤を使用し研磨加工試験を実施した結果,ラップ定盤上のピットのバリが除去されるとともに,加工物には必要な表面粗さや歩留まりを維持したまま,4割程度の定盤寿命の増加を実現している.Conditionerは従来のラッピング工程中においても簡単に使用できるため,ラッピング加工の生産性向上に寄与できる.
  • 外川 一仁, 櫻井 貴文, 山田 隆一, 柳 和久
    2007 年51 巻1 号 p. 41-45
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2009/05/18
    ジャーナル フリー
     近年,回転する砥粒工具を1往復させるだけで研削加工を完了するワンパス式内径加工機が実用化されている.この加工において高精度加工を実現するためには,使用される砥粒工具の直径を適切に管理することが必要不可欠である.しかしながら,この工具は電着された砥粒の形状や付着姿勢が均一ではないため,同一工具であっても測定箇所により直径寸法が異なり,それが一因となって同じ呼び径であっても実際の加工径に差異が生じている.そこで,透過光方式の非接触式寸法測定器を用いて,刃部全体の直径を考慮した工具外径寸法の表示方法を提案し,その方法が妥当であることを確認した.
  • 杉本 真樹, 社河内 敏彦, 伊澤 守康
    2007 年51 巻1 号 p. 46-51
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2009/05/18
    ジャーナル フリー
    マイクロブラスト加工の加工条件の最適化を目的に,固気二相噴流の粒子速度,噴流幅など噴流の流動特性および加工特性を詳細に検討してそれらの関係について考察した.その結果,1) 粒子噴流幅は質量混合比が大きいほど,噴射圧力が小さいほど大きくなる,2) 粒子速度は質量混合比が小さいほど,噴射圧力が大きいほど大きくなる,3) 加工量は衝突距離 x/d=8 で最大値を示し,噴射圧力の増加に伴い増加する,4) 加工量と粒子速度の関係はSheldonの加工理論モデルと一致する,5) 最大加工量を得るときの噴射圧力は質量混合比の指数関数で表わされる,などが明らかになった.
  • -第3報:工具母材とコーティング薄膜が工具たわみ量に与える影響-
    赤松 猛史, 北嶋 弘一, 松本 有司
    2007 年51 巻1 号 p. 52-57
    発行日: 2007/01/01
    公開日: 2009/05/18
    ジャーナル フリー
    金型は,旋削加工,穴あけ加工,フライス加工などの切削加工の他に研削加工,研磨加工,放電加工などを加えた加工技術の集約によって加工されている.これまで,複雑な精密金型の加工,とくに金型の深彫り加工に対しては,エンドミルによる切削加工では必然的に発生する工具のたおれや切削時のびびり振動により加工が困難なために放電加工に頼るところが大きかった.しかし,放電加工は,加工能率の低さや加工変質層の生成などの問題点が指摘されており,近年ではエンドミルによる切削加工が一般化されてきている.本研究では,小径ボールエンドミルの金型の深彫り加工への適用における切削加工特性,すなわち小径ボールエンドミルの回転挙動,切削抵抗,実質切込み率および加工精度について体系的に追求,検討し,深彫り加工用小径ボールエンドミルの最適設計に対する指針を得ることを目的としている.本報では,工具寿命に及ぼす工具摩耗の影響を検討するとともに,工具母材の材質,およびコーティング薄膜の材質が工具たわみ量に及ぼす影響を実験的に検討し,工具設計の最適化への指針を得た.
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