砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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52 巻, 9 号
SEP.
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  • 槇山 正, 關谷 克彦, 山田 啓司, 山根 八洲男
    2008 年 52 巻 9 号 p. 525-530
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
    MQL加工は,従来の湿式切削を代替する効率的かつクリーンな切削加工技術として近年注目されている.MQLドリル加工ではオイルミストの供給量が工具寿命や加工精度にあたえる影響が大きいことが報告されているが,刃先においてオイルミストの噴出量や噴出状態を把握する適当な手段がなく,開発が求められていた.本研究ではドリル先端部での目視と噴出量の自動測定を目的としたミストセンサを開発し,切削油剤の供給パターンをさまざまに変化させて実験を行った.その結果,同センサによるオイルミストの目視と計測が可能な範囲を示すとともに,主軸の回転によりミストの噴出状態が安定することを明らかにした.またミストの噴出パターンによるドリル摩耗への影響を明らかにするために噴出パターンをさまざまに変化させて鋼の連続ドリル加工を行ったところ,ポンプの吐出量が4.2mm3/stroke,動作周波数が1Hzの場合にマージン摩耗が最も少なくなる結果を得た.
  • 夏目 勝之, 進村 武男
    2008 年 52 巻 9 号 p. 531-536
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
    平面磁気研磨加工における磁性粒子ブラシの磁極への吸引力の方向と加工面への押し付け力の方向は一致しないことから,磁場条件が同一であっても,加工時の相対速度が押し付け力を変化させ,研磨結果に影響を及ぼすことが指摘されている.本報では,磁性粒子ブラシによる垂直方向押し付け力の相対運動反転時の応答,ならびに振動を主体とした磁気研磨加工での速度変化と研磨量,研磨面粗さの関係を調べた.その結果,反転動作時に押し付け力が急増することを確認した.さらに,ある磁場条件のもとで速度を増加させたとき,研磨量が減少し,かつ面粗さが小さくなる範囲を明らかにした.
  • 佐野 定男, ハン イリ, 岩井 学, 二ノ宮 進一, 植松 哲太郎, 鈴木 清
    2008 年 52 巻 9 号 p. 537-542
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,砥石摩耗が問題となる超硬質材料への微細なV溝成形加工において,砥石摩耗を最小にして能率良く加工するための方策として,放電加工と研削加工の両方を,同一機械上で同一PCD工具を用いて逐次的に行う放電・研削逐次加工法を提案した.この加工法では,回転するV形のPCD工具を電極として放電溝入れを行った後,そのPCD工具の表面凹凸を利用して,放電加工されたV溝の仕上げ研削を行うことを特徴とする.本実験では,放電・研削逐次加工法を超硬合金のV溝成形に適用したときの放電溝入れ能率,放電仕上げ面性状,および研削仕上げ能率,研削仕上げ面性状を調べた.実験の結果,電極および砥石として用いたPCD工具の摩耗を最小にしながら,研削仕上げされたV溝の表面粗さ(最大高さ)をRz=0.2μmにすることができた.さらに,除去加工能率の向上を期待し,微粒子超硬合金に対して放電電流を大きくした放電溝入れを行った結果,PCD電極は消耗せず,放電・研削逐次加工の加工能率を大幅に向上させ得ることを示した.
  • 林 偉民, 大森 整, 山元 康立, 島野 正興, 丸山 次郎
    2008 年 52 巻 9 号 p. 543-546
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2009/10/31
    ジャーナル フリー
    本報では,ELID研削原理を適用し,「ELIDホーニング工法」開発を行い,自動車エンジンブロックの量産工程に適用した結果を報告する.ELIDホーニングを適用した結果,シリンダ内径仕上げ工程において1気筒当たりの実加工時間を大幅に短縮すると同時に,シリンダ内面の精度向上と安定化を実現した.また,砥石寿命の向上や加工負荷の低減効果が確認された.小規模な生産ラインの改造でELIDかが可能であり,製品コストの低減および加工環境負荷の軽減につながった.
  • 川下 智幸
    2008 年 52 巻 9 号 p. 547-548
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2012/04/11
    ジャーナル フリー
    研削砥石作業面の砥粒切れ刃の形状や分布は,工作物仕上げ面粗さ,研削抵抗や研削温度などの研削特性に大きな影響を及ぼす.したがって,NC工作機に砥石作業面の切れ刃の状態を計測できる機能を搭載できれば,さらに精密な研削加工が実現できることになる.このようなことから,本研究では,普及しているNC工作機と同じ制御方式であるプロトタイプの3次元砥粒切れ刃計測システムを開発した.
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