砥粒加工学会誌
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54 巻, 5 号
MAY.
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  • 松浦 寛, 國枝 康博, 吉原 信人, 田辺 実, 閻 紀旺, 厨川 常元
    2010 年 54 巻 5 号 p. 282-287
    発行日: 2010/05/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    ドレッシング直後の砥石表面は,適度な砥粒突き出し量のものから,ボンド剤が削られすぎて保持力が落ちたものまで様々な状態になっている.この保持力の低下した砥粒が,研削開始直後から脱粒して,仕上げ面粗さを悪くすることがある.そのため,ダミー材を削り,これを強制的に排除する“捨て研削”と呼ばれる工程を入れる場合があるが,この工程で砥石形状が変わることがあり,好ましくない.そこで,新しく開発した熱可塑性レジンボンド砥石の表面に,レーザを照射してボンド剤を再び溶かして,砥粒保持力を補修することを考えた.研削実験をおこなったところ,表面粗さが21.1 %以上改善でき,補修効果が確認された
  • 磯部 浩已, 原 圭祐, 岳 義弘
    2010 年 54 巻 5 号 p. 288-292
    発行日: 2010/05/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    超音波援用加工技術は,各種難削硬脆材の精密加工や金型の深彫りや微細加工に広く利用されている.本論文では,小径のダイヤモンド電着軸付き砥石を,軸まわりの回転運動と同時に,軸方向に超音波振動させることで,携帯電話のキーシートを模した射出成型用金型の鏡面仕上げ加工を行った.トランケーションを施した先端平型の砥石を用いて平面上型を加工した結果,表面粗さ0.13μmRzの鏡面に仕上げることができた.さらに,加工パラメータとして,工具回転速度,送り速度,砥粒位置,超音波周波数や振幅が,被加工面の表面粗さに与える影響を定量的に検討した.さらに先端を球状にトランケーションした工具を用いて,傾斜平面および自由曲面を有するキャビ型の加工を行った.
  • 荒川 太朗, 比田井 洋史, 戸倉 和
    2010 年 54 巻 5 号 p. 293-297
    発行日: 2010/05/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    ブラスト加工中に見られる発光現象に着目し,発光の加工状況のモニタリングへの適用の可能性を検討した.発光スペクトルの計測によると,発光は砥粒の破砕に由来するものと工作物の破壊に由来するものに分類できる.前者に関して,砥粒の破砕性との関係を検証し,砥粒破砕をモニタリングできる可能性があるとわかった.また後者の場合,その発光強度が工作物除去速度に比例することから,ブラスト加工中の発光は工作物除去速度のモニタリングに利用できることがわかった.
  • 諏訪部 仁, 大口 敦史, 中村 義弘, 石川 憲一
    2010 年 54 巻 5 号 p. 298-303
    発行日: 2010/05/01
    公開日: 2011/01/12
    ジャーナル フリー
    太陽電池やLEDなどの基盤に使用されるシリコンやサファイヤのような硬脆材料を切断するツールの一つにダイヤモンドワイヤ工具がある.ダイヤモンドワイヤ工具とは,芯線表面に微細なダイヤモンド砥粒を電着メッキや樹脂コーティングによって固着させた工具である.本研究では,電着メッキによるダイヤモンドワイヤ工具の生産性の向上を目的とし,ダイヤモンド砥粒とメッキ液を攪拌した懸濁液を流動させながら,砥粒の電着を行う液流式電着メッキ法を考案した.本報告では,液流式電着メッキ法によるダイヤモンドワイヤ工具の高速作製法およびその加工特性の検討を行った.具体的には,液流式電着メッキ法による砥粒の高速電着メカニズムや,本方式によるダイヤモンドワイヤ工具の作製条件が加工特性に及ぼす影響について実験的に検討し,明らかとなった結果について述べる.
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