砥粒加工学会誌
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56 巻, 9 号
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  • 田代 徹也, 藤原 順介, 稲田 景子
    2012 年56 巻9 号 p. 606-611
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    CFRP/Ti6Al4Vスタック材の穴加工実験をTiN/AlNコーテッド超硬ドリルとTiAlCr/TiSi コーテッド超硬ドリルを用いて行った.その結果,本実験条件においては,TiN/AlNコーテッド超硬ドリルを使用し送り速度を小さくすると工具寿命が長くなり,工具の比較においては,TiAlCr/TiSi コーテッド超硬ドリルの方が工具寿命は長くなった.また,TiAlCr/TiSi コーテッド超硬ドリルを用いて乾式と水ミスト冷却との比較も行った.水ミスト冷却では,スラスト力が小さくなり,加工後の穴径の拡大代は減少した.また,穴個数が100個以下の少ない場合は水ミスト冷却の効果により工具摩耗を抑えることができたが,穴個数がそれ以上に増えると急激に工具摩耗が増加した.これは,切削温度が低下する影響で切りくずがドリル溝に沿って排出されにくくなり,切りくずの凝着が起こったことが原因だと考えられる.
  • 柘植 英明, 竹腰 久仁雄, 山神 成正, 加賀 忠士, 坂東 直行, 鎌倉 光利, 渡辺 義見
    2012 年56 巻9 号 p. 612-617
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の穴あけ加工において,2軸回転砥石による新規穴あけ加工法(以降,ジャイロ式砥石穴あけ加工法)を提案し,その加工原理について説明する.また,その基礎的な加工特性を把握するために実験装置を製作し,CFRPの穴あけ加工実験を行った.その結果,ジャイロ式砥石穴あけ加工法におけるCFRPの穴あけ加工では,ケバや剥離がほとんどない良好の加工が行えることを確認した.また,加工条件については,穴あけ加工ができなくなる砥石周速の下限があるが,この下限値以上の砥石周速では砥石回転とジャイロ回転の比率や砥石周速の違いによる大きな影響は見られず,良好な穴あけ加工が可能であることを確認した.
  • 餅田 恭志, 久保 明彦, 田牧 純一, 原野 佳津子, 角谷 均, シャリフ ウラ
    2012 年56 巻9 号 p. 618-625
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    従来の単刃ダイヤモンドドレッサの概念と異なる一定のすくい角を有する切削バイト型ドレッサを試作し,小径内面研削用砥石のドレッシングに適用した場合の性能を実験的に検討した.その結果,ドレッサの上すくい角を大きな負の値にすることによってドレッシングは延性モードから脆性モードに移行することがわかった.また,切削バイト型ドレッサ(横すくい角-15°,上すくい角-15°)のドレッシング抵抗と研削性能を従来のダイヤモンドドレッサと比較した結果,(1)切削バイト型ドレッサのドレッシング抵抗が最も小さく,先端の鋭利な単石ダイヤモンドドレッサのほぼ半分であること,(2)切削バイト型ドレッサは従来のドレッサと同様にドレッサ切込み量およびドレッサ送り速度を小さくすることによって高い法線研削抵抗と小さな研削面粗さを提供すること,(3)ドレッシング条件の選択範囲が同一の場合,切削バイト型ドレッサが提供する研削面粗さの変動幅は従来のドレッサが提供する変動幅よりも小さく,ドレッシング条件の変化に対してロバスト性を有する研削面粗さを提供すること,が明らかとなった.
  • 大橋 一仁, 曽我部 英介, 魯 楠, 藤原 政宏, 大西 孝, 塚本 真也
    2012 年56 巻9 号 p. 626-631
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    ブラスト加工は,ガラスやシリコン等の硬脆材料への微細な穴加工や溝加工法の一つとして,医療分野や半導体分野の部品加工に適用され始めている.ブラスト加工の適用例は,そのほとんどが平面への加工であり,いくつかの研究報告もなされているが,3次元形状を有する表面の加工に適用すれば,ブラスト加工のアプリケーションがさらに拡がるものと期待される.そこで本研究では,円筒形の工作物表面にブラスト加工する場合の基礎的知見を明らかにするため,円筒ブラスト加工による加工深さ,表面粗さおよび加工面性状からその加工特性を実験的に検討した.その結果,C3604のブラスト加工ではWA砥粒よりも,GC砥粒を用いることで加工面性状が良好になること,ブラストノズル位置を工作物軸に対してオフセットすることで加工能率が向上することなどが明らかになった.
  • 古野 真弘, 北嶋 弘一, 佃 陽介, 赤松 猛史
    2012 年56 巻9 号 p. 632-637
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2013/04/08
    ジャーナル フリー
    本報では,すくい面の表面粗さを変化させたボールエンドミルを用い,その表面粗さが切削特性に対してどのような影響を及ぼすかについて検討した.砥粒粒度♯325~♯1000の研削砥石を用いてボール刃の逃げ面およびすくい面の研削加工を行った後,それぞれにTiAlN皮膜,CrSiN皮膜およびTiSiN皮膜を皮覆し,切削による連続加工においてすくい面の凝着状態と加工面の表面粗さおよび切削抵抗の測定を行って切削特性を検討した.その結果,切りくず生成において刃先稜線近傍部および刃先稜線から離れた部位のすくい面における最適な研削面粗さは異なることが明白になった.このことは,切削時における被削材への食付き性とすくい面上を流出する切りくずとの接触面積がそれぞれ影響を及ぼしていることがわかった.
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