SiCの高能率レ-ザスライシング加工を達成するために,パルス幅が内部改質とへき開伸展に及ぼす影響を調査した.超短パルスレ-ザによる内部改質では,高パルスエネルギ化により,改質範囲拡大にともなうへき開伸展領域の拡大で高能率化が可能である.しかし,超短パルス特有の光軸方向に沿った多段的な改質現象が発生し,カ-フロスが悪化する可能性が示唆された.そこで,熱影響によるへき開伸展領域の拡大と,多段的改質現象の抑制を目的として短パルスレ-ザによる加工を試みた.その結果,熱影響によって広いレ-ザ照射間隔でへき開が伸展するとともに,多段的改質現象が発生しないことを明らかにした.さらに,照射間隔を制御することにより,従来の10倍の加工速度を達成し,高能率スライシング加工の可能性を得た.