高品位アルミニウム製品の需要増加に伴い, アルミニウム合金の高平滑加工はますます重要になっている. 現在, アルミニウム合金の高平滑加工は, ダイヤモンドバイトを用いた切削加工によって行われている. しかし, ダイヤモンドバイトは高価であり, また, 再研磨が難しいため, アルミニウム合金の高平滑研削加工技術の確立が強く望まれている. この観点から, 本研究では, アルミニウム合金のトラバース研削加工における仕上面に及ぼす研削条件の影響を検討した. とくに, アルミニウム合金の研削加工には, 目づまりが大きな問題になることから, 研削液の影響も調べ, 検討した. その結果を要約すると, (1) 目づまり防止効果により, 通常のエマルジョン形油剤より極圧添加剤含有形エマルジョン形油剤の方が, 良好な仕上面になる. (2) 研削方向直角間欠送り量を臨界値まで小さくすると, 仕上面は良くなる. (3) 研削方向平行送り速度を臨界値以下にすると, 仕上面は悪くなる. (4) 粒度#170の粗粒ダイヤモンド砥石でも, 適切な研削条件の選定により, 仕上面粗さ1μm(
Rz) 以下の仕上面形成が可能である.
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