砥粒加工学会誌
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49 巻, 11 号
NOV.
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論文
  • ―極圧添加剤の効果―
    小田喜 敏美, 安井 平司, 冨田 進, 坂本 重彦
    2005 年 49 巻 11 号 p. 620-625
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    高品位アルミニウム製品の需要増加に伴い, アルミニウム合金の高平滑加工はますます重要になっている. 現在, アルミニウム合金の高平滑加工は, ダイヤモンドバイトを用いた切削加工によって行われている. しかし, ダイヤモンドバイトは高価であり, また, 再研磨が難しいため, アルミニウム合金の高平滑研削加工技術の確立が強く望まれている. この観点から, 本研究では, アルミニウム合金のトラバース研削加工における仕上面に及ぼす研削条件の影響を検討した. とくに, アルミニウム合金の研削加工には, 目づまりが大きな問題になることから, 研削液の影響も調べ, 検討した. その結果を要約すると, (1) 目づまり防止効果により, 通常のエマルジョン形油剤より極圧添加剤含有形エマルジョン形油剤の方が, 良好な仕上面になる. (2) 研削方向直角間欠送り量を臨界値まで小さくすると, 仕上面は良くなる. (3) 研削方向平行送り速度を臨界値以下にすると, 仕上面は悪くなる. (4) 粒度#170の粗粒ダイヤモンド砥石でも, 適切な研削条件の選定により, 仕上面粗さ1μm(Rz) 以下の仕上面形成が可能である.
  • 佐藤 誠, 亀山 哲也, 野浪 亨
    2005 年 49 巻 11 号 p. 626-631
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    アルミハードディスク基板は, 磁気ヘッドと磁気ディスク基板上の磁性体を円周方向に揃えるために, ほぼ同心円状の微小な傷を入れる加工であるテクスチャリング加工が施される. 本研究ではテープを用いたテクスチャリング加工であるテープテクスチャリング加工において加工能率の向上と表面性状の向上を目指して, テープテクスチャリング加工液の界面活性剤の種類の選定, 砥粒濃度の最適化, キレート剤の添加, 砥粒の改質を行い, 加工能率と表面粗さの向上を達成した.
  • 宇根 篤暢, 吉冨 健一郎, 餅田 正秋
    2005 年 49 巻 11 号 p. 632-637
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    65~45nmノードデバイスをCMP加工するために低圧・高速の小形工具を用いる枚様式研磨装置が開発されている. この装置は裏面基準を採用し, 平面矯正のために2重シール型真空ピンチャックを搭載しているが, 周辺の矯正不足や平坦度劣化の問題を抱えている. このため本研究では, 新しいポーラスピンチャックの開発を進めている. 本論文では, ポーラス上へのピン形成時の要求条件について明確にするとともに, ポーラス材粒度の選定方法や, ピン形成時に生じるポーラス材特有の加工特性について, その加工機構を含めて明らかにした. 加工残りの少ない加工は, ポーラス材粒子に近いサイズの砥粒で加工することによって実現でき, #220のアルミナセラミック製ポーラス材に対し, 砥粒GC#320, エア圧0.25MPa, ノズル送り速度50mm/min, 走査回数1回の条件でほぼ所要の加工を達成できることを示した.
  • 谷 泰弘, 奥山 哲雄, 村井 史郎, 上村 康幸
    2005 年 49 巻 11 号 p. 638-642
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    デバイスウェーハの裏面研削後に同一研削盤上で鏡面加工を行うことのできる砥石の開発が望まれている. シリカを砥粒に用いた砥石はその可能性を有しているが, 乾式加工では除去能率は高いものの形状精度に問題があり, 実用に至っていない. そこで, 本研究では湿式で加工は行うものの, 加工域では乾式加工となるような砥石の開発を行った. すなわち, PVA砥石の吸水性に注目し, 砥石の外周で内部に水が浸透することを妨げるような構造を考えた. その結果, フェノール砥石では鏡面加工ができなかった湿式研削の条件で, 2分程度で鏡面加工が実現するような砥石および加工条件を見出した. 砥石は吸水性や砥石硬度が重要な因子となり, 砥粒には凝集シリカを用いるより燃焼合成シリカを用いたほうが広い砥粒率の範囲で鏡面加工が可能になることが判明した. また, 砥石周速や工作物回転数は遅いほうが望ましいとの結果を得た.
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