ショットピーニング加工材の機能性に対する加工条件の影響を明らかにするために, 市販の有限要素解析ソフトを使用して単一ショットにより生成される痕形状を解析すると共に, 中炭素鋼 (S45C) 試験片に対してショットピーニングを行い, 実際の場合と比較検討した. 検討した要因は, ショット速度, ショット密度, ショット径の他, ショットと被加工材の降伏点, 接線係数 (加工硬化指数) である. その結果, 次の事項が明らかになった. (1) FEM解析は痕形状, 痕径, 痕深さをほぼ正確に表現でき, 加工面の解析には有効である. (2) 痕径はショット密度の1/5乗, ショット径, ショット速度の1/2乗, 被加工材降伏点の-3/40乗程度に比例する. (3) 痕深さは, ショット降伏点が700MPa前後で大きく変化し, ショットを弾性体とした場合ではショット密度の9/20乗, ショット径, ショット速度の0.8~0.9乗にそれぞれ比例し, ショットを剛体とした場合ではショット密度の1/2乗, ショット径, ショット速度にそれぞれ比例する.
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