砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
Print ISSN : 0914-2703
ISSN-L : 0914-2703
49 巻, 3 号
MAR.
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 第1報 : 単一ショットによる痕形状
    塩谷 大樹, 平井 信幸, 當舎 勝次
    2005 年 49 巻 3 号 p. 147-151
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    ショットピーニング加工材の機能性に対する加工条件の影響を明らかにするために, 市販の有限要素解析ソフトを使用して単一ショットにより生成される痕形状を解析すると共に, 中炭素鋼 (S45C) 試験片に対してショットピーニングを行い, 実際の場合と比較検討した. 検討した要因は, ショット速度, ショット密度, ショット径の他, ショットと被加工材の降伏点, 接線係数 (加工硬化指数) である. その結果, 次の事項が明らかになった. (1) FEM解析は痕形状, 痕径, 痕深さをほぼ正確に表現でき, 加工面の解析には有効である. (2) 痕径はショット密度の1/5乗, ショット径, ショット速度の1/2乗, 被加工材降伏点の-3/40乗程度に比例する. (3) 痕深さは, ショット降伏点が700MPa前後で大きく変化し, ショットを弾性体とした場合ではショット密度の9/20乗, ショット径, ショット速度の0.8~0.9乗にそれぞれ比例し, ショットを剛体とした場合ではショット密度の1/2乗, ショット径, ショット速度にそれぞれ比例する.
  • 片平 和俊, 前濱 文人, 小茂鳥 潤, 水谷 正義, 大森 整, 西口 晃, 岩木 正哉, 進藤 久宜, 島崎 景正
    2005 年 49 巻 3 号 p. 152-156
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    ELID研削プロセスに基づく表面改質加工技術の応用として, マイクロ成形金型の基材として使用されるステンレス鋼および超硬合金に対し, ナノレベルの形状創製と同時に表面改質効果を発現させ, さらにDLCコーティング層等との密着性を向上させる表面改質加工面の創製を試みた. その結果, ELID研削を施すことにより, 基材の極最表層の硬さの上昇, DLC皮膜の密着性の改善が明らかに認められた. これらの効果は, ELID研削加工プロセス中に砥粒成分元素が基材に浸透拡散するという表面改質メカニズムによってもたらされたと示唆された.
  • 第3報 : マイクロツールの高能率加工について
    石川 惣一, 上原 嘉宏, 渡邉 裕, 片平 和俊, 林 偉民, 大森 整, 三石 憲英, 山本 幸治
    2005 年 49 巻 3 号 p. 157-162
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では今までに, 「マイクロワークショップ」という概念に基づいて考案した小型立形円筒研削加工機 “KAMI-Ca-ZET方式” にELID研削システムを適用して, 微細加工において必要不可欠なマイクロツールの開発を行ってきた. 加工システムに旋回電極式ELIDシステムや, MQL加工法を適用することにより, 先端2 μm角のピラミッド型マイクロツールの製作が可能となった. そこで本研究では, さらにマイクロツール加工の高能率化のために, ELID研削システム適用の卓上型円筒研削加工機 “CYLIN” の開発を行った. 本報では, 小型立形円筒研削加工機 “KAMI-Ca-ZET方式” と卓上型円筒研削加工機 “CYLIN” の加工能率を調べた結果, 加工所要時間を1/30に短縮することができた. 基礎加工実験として, 砥石回転方向による加工面性状に影響があることが検証された. また, 形状精度評価実験で真円度には影響がないことが検証された.
  • 南部 直樹, 陶 永文, 森田 昇, 永井 長三, 森 幹, 野呂 良久, 岸本 幸宏, 吉田 嘉太郎
    2005 年 49 巻 3 号 p. 163-169
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    プレス成型法では, 一般的に切れ味のよい砥石を安価に製作することができる. しかし, カレンダーロール法に比べ曲げ強度や回転破壊強度が小さく, 砥石寿命も短いという問題点があった. この課題を達成するため, 本研究では乳鉢低速撹拌機を用いた砥粒・充填剤・結合剤の均一撹拌方法の確立, 砥石性能に及ぼす充填剤と結合剤の添加率の影響及びその適正条件について検討を行い, 切れ味と強度を兼ね備えた安価な切断砥石を開発した. 切断加工には一般に加工油剤が用いられているが, 近年, 環境負荷の観点からその使用を減少させる傾向にある. そこで, 粉末寒天を配合した切断砥石にポリエチレングリコールを含浸させることで, 砥石自身に潤滑機能と冷却機能を持たせた環境に優しい乾式切断砥石を提案し, プレス成型法で開発することに成功した.
feedback
Top