工業製品の高品位化への適用増大で, 高能率による高品位仕上面生成への要望に対応する研削加工技術の確立が望まれている. その中で, 高能率化・高品位化を求める場合に, 工作物の形状における研削長さの違いが,研削性能に及ぼす影響をとらえることも重要な因子と考えられる. さらに, 研削性能に及ぼす供給油剤の作用効果が重要な要素となると考えられる. そこで, 本研究では, 工業材料の中で, 冷間金型材料として用いられている工具鋼(SKD11)を加工材として, 粒度#170のレジンボンドcBN砥石によるプランジ研削加工を行い, 削除量の違いが研削性能に及ぼす影響を検討した. 研削油剤には, エマルジョン形油剤および極圧エマルジョン形油剤の2種類を供給し, 1ストロークあたりの削除量の違いが研削性能に及ぼす研削油剤の効果を検討した. その結果, 極圧形研削油剤を供給することで, 1ストロークあたりの削除量が異なった場合でも砥石作業面の形態変化を抑制することが可能となり, 研削性能の低下を防ぐことができることが明らかになった.
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