砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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49 巻, 2 号
FEB.
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論文
  • 山本 親慶, 中田 勲, 久保井 恒之
    2005 年49 巻2 号 p. 81-85
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究は, 希土類永久磁石を装着した研磨工具に, 交流磁場を与えて工具先端部に微小振動を発生させることで超硬合金工作物の角穴側面の内面研磨を行った. 研磨工具は, 低温で溶融する市販のプラスチック樹脂を工作物の形状に転写させて成型し, 研磨材はダイヤモンド砥粒とシリコーンオイルを混合したものを用いた. また, 上下方向に超硬合金工作物を揺動運動することで, 研磨工具との相対運動を増加させて研磨能力の向上を図った. 工具の先端部の微小振動幅が9μm, 工作物の上下振動を振幅4mm, 周波数40Hzとすることで, 工作物の角穴側面の表面粗さ0.09μmRa (研磨前0.4μmRa) が得られた.
  • 亀山 雄高, 小茂鳥 潤, 山田 健人
    2005 年49 巻2 号 p. 86-89
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 微粒子ピーニング処理を用いて生体に対して優れた親和性を有する表面の創製を試みた. 作成した表面の耐食性は, 粗面化に伴って低下したが, 生体材料として実用するには十分問題ないレベルと判断された. また, 本研究の範囲では, 表面に存在する凹凸の形状特徴は耐食性にほとんど影響を及ぼさなかった. 微粒子ピーニング処理を施した表面上で培養した細胞の死亡率は, 鏡面仕上げの表面上での結果と比較して低かった. これは, 表面の凹凸が細胞の付着を促進したことと, 投射材から表面へ拡散した元素が毒性イオンの溶出を妨げたことに起因するものと考えられる. したがって, 適切な投射材を用いてFPB処理を施すことにより, 生体適合性の改善を図ることが可能と考えられる.
  • 神 雅彦, 金井 秀生, 村川 正夫
    2005 年49 巻2 号 p. 90-94
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    本研究では, 微細精密金型加工において小径細長エンドミル加工時の加工精度を向上させる方法として, 工具軸方向に超音波振動を付与しながら高速ミリング加工する方法を検討した. すなわち, 小径細長エンドミル加工に対し超音波振動切削の切削原理を適用することにより, 切削抵抗を低減させる等の効果が得られ, 切削時の工具のたわみを防止でき, 良好な切削状態が実現されると考えた. 実験において, 各種の金型加工を想定した切削加工実験を実施した結果, 検討した超音波ミリング法により, 金型の平面加工, 側面加工あるいは曲面加工等において良好な切削特性および加工精度を得ることができ, 金型加工への有効性を明らかにすることができた.
  • 第1報 : 超硬合金の鏡面仕上げにおける加工効率と表面品位の向上
    郭 泰洙, 李 龍哲, 安斎 正博, 大森 整
    2005 年49 巻2 号 p. 95-98
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    ELID (電解インプロセスドレッシング) 研削法は硬質材料に対してナノレベルの鏡面加工が実現できることから, 近年, 超硬合金などが用いられるガラスレンズ金型の鏡面加工への適用が期待されている. 一方, 磁気研磨法は, 切削/研削加工後の加工痕の除去や微細なバリ取り作業などに優れた効果を有しており, 金型の最終鏡面仕上げ工程への広範な適用が期待されている. 本研究では, ELID研削法と磁気研磨法の組み合わせにより, 効率的なナノレベル鏡面加工の実現性について検討した. 本報では, ガラス成形金型などに用いられる超硬合金に対して, まずELID研削法を適用した後, 微細研削痕の除去に磁気研磨法を応用して, その効果および加工特性を調べた. その結果, 本法によって加工面の高品位化とともに, 仕上げ加工効率を著しく改善することができた.
  • 田代 徹也, 藤原 順介, 花〓 伸作, 藤原 進一
    2005 年49 巻2 号 p. 99-104
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/08/11
    ジャーナル フリー
    CFRPの研削表面に特徴的な仕上げ面状態が生じる原因を追求するために, 研削条件を一定として実験を行い, 切りくずや研削表面を詳しく観察し, 研削温度の測定を行った. 研削断面も観察し, 研削機構の考察を行った. 単粒切削実験も行い, 砥粒単体での切削状態についても詳しく観察した. 得られた主な結果は次の通りである. 1) 一方向CFRPの研削加工では, 繊維角度が90°の場合, 表面粗さは最も小さく, 次いで0°, 45°の順で, 135°の場合, 最も大きくなった. 2) 炭素繊維は細かく削られるが, 繊維角度が0°の場合, 長い切りくずとなることが多い. 3) 研削表面は, 繊維端面上に樹脂が広がって, 繊維端面が観察しにくい状態となっている. これは, 研削熱による影響ではなく, 砥粒によって樹脂が撫で付けられることにより, 繊維端面を覆うためである.
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