砥粒加工学会誌
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66 巻, 10 号
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  • パルス電圧を利用した場合の加工特性の検討
    邢 百軍, 鄒 艶華
    2022 年 66 巻 10 号 p. 572-578
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー

    従来の平面磁気研磨法による金属平板における表面加工の加工時間を短縮するため,高能率・高精度の表面仕上げを実現することを目的にして,電解を複合した平面磁気研磨法を提案している1)2).具体的には,電解作用を利用して工作物表面に酸化皮膜を形成させ,さらに磁気ブラシによる機械的研磨作用で酸化皮膜を除去する新しい加工方法である.本研究は,A5052アルミ合金板に対して,表面均一性と仕上げ効率を向上するために,パルス電圧を利用して,加工特性に及ぼす影響について検討した.まず,パルス電圧と直流電圧を利用する場合の加工特性を比較検討した. 次に,パルス電圧を利用する場合の周波数が加工特性に及ぼす影響を検討した.最後にURMS 4 V,デュ-ティ比25%の矩形波パルス電圧を利用した電解複合加工実験とDC 4 V電解複合加工実験を行った.その結果,1 Hz,デュ-ティ比25%のパルス電圧が最適な加工条件であり,表面粗さを16 nm Raまでに仕上げられることが確認できた.

  • 上之原 康弘, 向井 良平, 松村 隆
    2022 年 66 巻 10 号 p. 579-584
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー

    シングルスクリュ-圧縮機構においてスクリュ-ロ-タの加工精度は性能に大きく影響を与える部分であり,専用工作機械を使用して加工してきた.しかし近年の高効率化や耐久性向上の要求により,加工精度向上や材料の変更が求められており,5軸マシニングセンタを使用した加工が必要となっている.スクリュ-ロ-タの形状は2枚のブレ-ドを結ぶ直線上で溝が深くなる形状であるため工具干渉を考慮したプログラムが必要となり,汎用のCAMではスクリュ-ロ-タ特有の形状に対して工具運動のベクトルが連続的に変化しないことがあった.また,ボ-ルエンドミルを使用した加工では時間短縮が課題であった.本研究ではスクリュ-ロ-タの側面加工に対してエンドミル切削を適応した.加工面が曲面であることから加工誤差解析を提案し,所定の形状との誤差が最小となるような補正方法を開発した.これにより対象とする加工法では加工精度を維持し,スクリュ-ロ-タの大型機種ではポイントミ-リングに対して加工時間を1/10に短縮できることを示した.

  • 石井 裕基, 野瀬 卓, 萩原 弦一郎, 高橋 裕樹
    2022 年 66 巻 10 号 p. 585-587
    発行日: 2022/10/01
    公開日: 2023/04/01
    ジャーナル フリー

    ガラス製の球面レンズの研磨加工においては,研磨面の相対速度分布および接触圧分布が時々刻々変化するため,摩耗量予測が難しいという問題がある.そこで,著者らは有限要素法で計算した研磨面の相対速度と接触圧を基に,プレストン式によって摩耗量予測が可能かどうかを検証した.実験計画法を用いて,実験で得られた砥石曲率とシミュレ-ションで得られた砥石曲率を比較した結果,実験結果とシミュレ-ション結果には高い相関が得られた.また,荷重の大きさに比例して,加工後の砥石曲率が大きくなることを実験とシミュレ-ションで明らかにした.

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