砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
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63 巻, 3 号
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  • —飛翔体圧縮強度の影響—
    福井 拓哉, 由井 明紀, 北嶋 孝之
    2019 年63 巻3 号 p. 128-133
    発行日: 2019/03/01
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー
    研削加工では高速回転中の砥石が破損すると砥石片が高速で飛散する.そのため砥石片から作業者や工作機械を保護するための砥石カバーの安全性を考慮する必要がある.しかし,砥石のような脆性材料を飛翔体とした衝突安全性に関する研究はほとんど行われていない.また,先行研究では衝突エネルギーとカバー材板厚の関係に着目して砥石カバーの衝突安全性を評価したが,飛翔体の強度が砥石カバーの衝突安全性に及ぼす影響は明らかにされていない.本研究では,圧縮強度の異なる3種類の一般砥石製飛翔体を用いて,一般構造用圧延鋼板(SS400)および冷間圧延鋼板(SPCC)製カバー材に対する衝突実験を行い,飛翔体の圧縮強度が貫通現象に及ぼす影響を検討した.実験の結果,カバー材に亀裂が入る場合の飛翔体衝突エネルギー(貫通境界エネルギー)は飛翔体圧縮強度によらず板厚の2乗に比例するが,その値は衝突後の飛翔体損傷量が大きい場合高くなることを明らかにした.また,砥石片が飛散する速度域において飛翔体の衝突エネルギーを高くしてもカバー材に亀裂が発生しなくなる破断限界に関して,飛翔体とカバー材の強度に基づく予測式を導出した.
  • 小川 圭二, 岩元 志湧, 廣垣 俊樹, 青山 栄一
    2019 年63 巻3 号 p. 134-140
    発行日: 2019/03/01
    公開日: 2019/09/01
    ジャーナル フリー
    炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は,工業製品に使用される範囲が広まってきた.製品の小型化や微細化に伴い,φ1 mm以下のマイクロドリル加工が必要になってきたが,その加工現象および適正な加工条件設定法については未だ明らかにされていない.そこで本研究では,FRP材のマイクロドリル加工条件因子として重要な切削速度と送り量が,加工特性に及ぼす影響について検討した.その結果,高切削速度かつ高送りな加工条件設定は,加工能率だけでなく工具摩耗の観点からも望ましいことがわかった.また,小径穴の加工ほど,すなわち小径ドリルほど,高送りの効果が大きいことが示された.
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