砥粒加工学会誌
Online ISSN : 1880-7534
Print ISSN : 0914-2703
ISSN-L : 0914-2703
58 巻, 6 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • ビトリファイドボンド砥石による高能率加工の実現
    古本 達明, 鷲塚 大祐, 細川 晃, 上田 隆司
    2014 年58 巻6 号 p. 380-385
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2014/12/23
    ジャーナル フリー
    航空機用ガスタービンエンジンに用いられているニッケル基超合金は,高性能化の追究により既に耐熱限界に近い温度域で使用されており,更なる高性能化のためニッケル基超合金に代わる新しい構造部材の開発が所望されている.本研究では,高温構造部材として注目されている炭化ケイ素繊維を炭化ケイ素マトリクスで含浸したセラミックス基複合材料(SiC-CMCs)について,ビトリファイドボンドを結合材とした軸付砥石で研削加工を行った結果が報告されている.研削抵抗や研削面の表面粗さなどを評価するとともに,常温焼結した炭化ケイ素の研削加工結果と比較しながらSiC-CMCsの被研削性を調べている.その結果,SiC-CMCsに対してビトリファイドボンド砥石を適用することで,切込み量が900 μmまでの範囲で優れた被研削性を示した.また,同一条件下の比研削エネルギが,常圧焼結した炭化ケイ素セラミックスと同等かそれ以下であったため,SiC-CMCsは炭化ケイ素セラミックスと比較して被研削性に優れていることが明らかとなった.加えて,研削面の表面粗さは 炭化ケイ素繊維の配向方向に影響を受けることがわかった.
  • 第2報:研磨メディアの運動エネルギと投射角が加工面性状に及ぼす影響
    高井 一輝, Mohd NIZAR, 上村 正雄, 福本 昌宏
    2014 年58 巻6 号 p. 386-391
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2014/12/23
    ジャーナル フリー
    研磨メディアの運動エネルギと投射角が加工面の表面粗さと形状変化に及ぼす影響を調べた.その結果, いずれの運動エネルギにおいても研磨開始から30秒間の研磨速度が最大であった.その間,表面の凸部のみならず,凹部も平坦部の約75%の速度で研磨されることが明らかとなった.研磨メディアの投射角を変えた実験では,衝撃力の垂直分力である砥粒の食込み力と水平分力である加工表面の除去力が等しくなる投射角45°の条件にて表面粗さの低下速度と研磨速度が最も高くなった.また,投射角90°の結果より,表面の平滑化には衝撃力の水平成分が不可欠であることが明らかになった.研磨メディアの含水率を変えて運動エネルギを変化させた実験では,最も運動エネルギの低い含水率10%にて研磨開始から150秒間は表面粗さの低下速度が最も低くなったが,表面粗さの収束値は最も高い値を示した.
  • 白 華, 戴 円, 笹岡 秀紀, 西村 一仁, 江 南
    2014 年58 巻6 号 p. 392-395
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2014/12/23
    ジャーナル フリー
    ダイヤモンド粒子の高機能化を目的として,表面にナノ構造を効率的に形成する方法についての研究を行った.ダイヤモンドとホウ素の混合物に銅を添加することで,単純な加熱処理によってダイヤモンド粒子表面の全面にわたって硼素ナノ構造を形成することが可能となった.硼素ナノ構造は,その加熱温度によって異なる形状を示し,1060℃の加熱では,硼素ワイヤ状構造(BNW:Boron nanowire)が,また1120℃では柱状構造がダイヤモンド粒子表面を完全に被覆するように形成された.硼素ナノ構造に対して電子顕微鏡観察,元素分析を行った結果,それは結晶性材料であり,六方晶の構造を持つことが確認された.
  • 大坂 剛士, 高木 純一郎
    2014 年58 巻6 号 p. 396-401
    発行日: 2014/06/01
    公開日: 2014/12/23
    ジャーナル フリー
    高回転精度・極微小切込機構を持つ超精密円筒研削盤の開発を行い,トラバースドレスのドレッシング切込量と研削面の表面品位の関係を調べた.極微小切込ドレッシングを行った粗粒ビトリファイドボンドcBNホイールでSUJ2の円筒プランジ研削を行い,極微粒ビトリファイドボンドcBNホイールの研削面と同程度の鏡面が得られた.粗粒ビトリファイドボンドcBNホイールでドレッシング切込量を小さくすると加工誘起マルテンサイト変態が進行するため研削面は圧縮残留応力が増加し,極微粒ビトリファイドボンドcBNホイールの研削面は砥粒1粒あたりの研削抵抗が小さいので,残留応力がほとんど生じなかった.
feedback
Top