遊離砥粒を用いた超音波加工においては, さまざまな加工条件の変動が加工精度, 加工効率などに影響を与える. 本研究では, 工具材として焼結ダイヤモンド (PCD) , S45C, SUS304を用い, 超音波振動により発生するキャビテーション気泡群が, 工具先端面, 加工穴底面の面粗さ, スラリーの挙動にどのような影響を与えるか調べた. その結果 (1) 工具直径5.0mm, 3.0mmでは, 工具外周部から0.5mm程度の幅のリング状にR凸断面形状に盛り上がった状態となった工具摩耗がみられる (2) 工具直径3.0mm以上と1.5mm以下の間で, 工具先端面でのキャビテーション気泡群の発生状態, およびその影響によるスラリーの工具直下への流入状態が異なる (3) 工具直径1.5mmのときに最も加工穴底面の面粗さが大きくなる. それよりも工具直径が小さくなるにつれて, 加工穴底面の面粗さは小さくなっていくことがわかった.
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