砥粒加工学会誌
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50 巻, 1 号
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論文
  • 水谷 秀行, 山本 庄一, 家城 昌泰
    2006 年 50 巻 1 号 p. 25-29
    発行日: 2006/01/01
    公開日: 2007/01/25
    ジャーナル フリー
    ホーニングでは砥石と工作物とが連続的に接触しながら加工が進行するため,微小,低速切削であるにもかかわらず,砥石摩耗および作用面の変化が比較的速い.本研究では,セラミックスの定切込みホーニングにおける砥石ならびに加工条件選定の基礎的資料を得ることを目的として,メタルボンドダイヤモンド砥石の摩耗過程に及ぼす被削材料,砥石仕様,切込み量などの影響について検討し,以下のような結果を得た.砥石摩耗は窒化けい素のホーニングが最も大きく,硬さの値が高い炭化けい素は比較的砥石摩耗が少なかった.一方,砥石砥粒径および集中度の増大はホーニング比の向上に効果があり,また,切込みを大きく設定して短時間で加工を終了することにより砥石摩耗を低減することができた.
  • 長谷川 勇治, 大部 省吾, 伊藤 伸英, 伊藤 吾朗, 大森 整, 加藤 照子, 溝口 浩志
    2006 年 50 巻 1 号 p. 30-33
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/25
    ジャーナル フリー
    ELID研削による効率的な高品位加工面創成の実現を目的として,ゴムをベースとした導電性ラバーボンド砥石の開発を行なった.本報告では開発した砥石の基礎的な特性を把握することを目的として電解ドレッシング特性,摩擦摩耗特性,加工特性について調査を行なった.砥石の基礎特性を調査した結果,電解ドレッシングにより砥石面に不導体被膜が生成すること,生成された不導体被膜は母材に比べ摩擦係数・比摩耗量が大きくなることがわかった.また, #120導電性ラバーボンドアルミナ砥石を用いて単結晶シリコンの加工実験を行なった結果,ELIDを付加することにより目づまりのない安定した加工が実現し,加工面粗さ15.8nmRaの良好な結果を得ることができた.反面,砥石の摩耗が大きくなることがわかった.
  • 軸付き砥石へのレーザ加工の適用
    古本 達明, 上田 隆司, 尾倉 秀一
    2006 年 50 巻 1 号 p. 34-38
    発行日: 2006/01/01
    公開日: 2007/01/25
    ジャーナル フリー
    超砥粒軸付き砥石の製造における軸取り付け用の穴加工は,硬度の影響から焼成後に行うことが困難であるため,焼成前の生原石に下穴加工を行い,焼成後に仕上げ加工するのが一般的である.しかしながら,この加工法では下穴が焼成収縮の影響を受けるため,粒度や気孔率,結合材等の品質ごとに調整が必要となるなど課題が多い.そこで,本研究では超砥粒軸付き砥石の生産性向上のため,レーザによる超砥粒砥石への穴加工を提案し,ドリル加工との比較を行いながらその有効性について調べた.その結果,レーザによる加工穴は真円度,加工穴断面形状共に,焼成前にドリル加工を行う従来手法より精度が良いことがわかった.また,レーザ切断面表層の熱変質層が軸の取り付け強度に与える影響はなく,軸取り付け時の砥石内部への接着剤の浸透を抑える働きがあることがわかった.さらに,従来手法と比較して加工工程が削減できることから,代替加工法としてレーザによる穴開け加工が十分適用可能であることを示した.
  • 第一報:ガラスレンズ加工への試み
    大森 整, 尹 韶輝, 林 偉民, 上原 嘉宏
    2006 年 50 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 2006/01/01
    公開日: 2007/01/25
    ジャーナル フリー
    超精密,超微細かつ高品位な新加工技術の実用化には,複数の加工プロセスの連携・相乗化がプロセス全体の経済性や効率化の観点から重要と考えられる.本研究では,ELID研削法と磁性流体研磨(MRF)法を相乗した超精密仕上げ加工プロセスを提案する.両者の特性と効果・特徴を明確にした上で,前加工にELID研削を,最終仕上げにMRFを使用した光学材料・部品の仕上げ加工技術の構築を目指し実験を行った.その結果,前加工であるELID研削面の影響を確認する基礎実験を経て,ELID研削法と MRF法とを相乗することで,球面ガラスレンズに対して形状精度と表面品位を両立できることを確認した.
  • 山口 智実, 和仁 圭介, 樋口 誠宏, 島田 尚一, 金枝 敏明, 横溝 精一
    2006 年 50 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2006/01/01
    公開日: 2007/01/25
    ジャーナル フリー
    加速管ディスクは電子・陽電子線形衝突型加速器を構成する部品である.これを拡散接合して加速管を作り,それを直列に結合して加速器を作る.加速器は10-5~10-7Paの高真空中で運転されるため,接合面における真空漏洩は禁物である.さらに,加速器の全長は約30kmにもなるので,加速管の真直性も重要である.したがって,加速管ディスクの接合面のトポグラフィは,真空漏洩と接合による変形の少ないことが要求される.本研究では,100万枚という大量の加速管ディスクの製作に当たって,求められる機能を満たす接合面を,能率よく生成する超精密切削加工条件について検討した.解法には,この課題を真空漏洩,接触変形,加工時間の最小化という多目的最適化問題の一つと考え,情報積算法を適用した.
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