砥粒加工学会誌
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57 巻, 1 号
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  • ドリル摩耗と加工時の温度特性の考察
    船曳 泰司, 児玉 紘幸, 青山 栄一, 廣垣 俊樹, 小川 圭二
    2013 年 57 巻 1 号 p. 27-32
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,次世代高放熱積層板として開発された高硬度であるが高熱伝導なフィラを充填したアルミナフィラ充填プリント基板を対象に,マイクロドリル加工現象を考察するためにドリル摩耗特性,切削抵抗および加工穴周辺の温度を調べ考察した.さらに,ダイヤモンドコーティングドリルの実用性についても検討した.その結果,フィラ充填量が多い場合にダイヤモンドコーティングドリルが有効であることがわかった.また,マクロな視点からは基板材の物性よりドリルの摩耗量が切削抵抗に与える影響が大きいことがわかった.一方,ミクロな視点からは加工時の穴周辺温度は基板材の物性の影響が大きいことがわかった.
  • —層角度制御による耐欠損効果の検討—
    岡田 将人, 浅川 直紀, 大久保 貴史
    2013 年 57 巻 1 号 p. 33-38
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル フリー
    材料の組成を連続的に変化させることにより,材料単体の表裏に異なる機械的,熱的特性を付与する技術として傾斜機能材料があり,これまでにさまざまな分野において適用されてきた.本研究では,この傾斜機能材料を用いた切削工具において,切削抵抗が作用する方向に対して垂直となる方向に層間界面を有する傾斜機能工具を作製し,層角度を制御することによる耐欠損性への効果を検討した.また,材料組成による機械的特性を実験的に測定して,傾斜機能工具として適した傾斜層を提案し,実切削により測定した切削抵抗の作用方向に対し,垂直な界面を有する傾斜機能工具の有限要素法モデルを作成した.有限要素法解析の結果,層角度を制御することで,制御しない場合より刃先の一部に作用する応力が緩和されることを確認した.加えて,連続切削,断続切削の実切削においても,層角度を制御することで耐欠損性が向上し,耐久性の向上が実現できた.
  • 田中 一平, 高橋 芳弘, 坂本 幸弘
    2013 年 57 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル フリー
    マイクロ波プラズマCVDにより合成した窒化炭素のトライボロジー特性に及ぼす合成時のCH4流量の影響ついて検討した.AESによる表面元素分析により生成物の窒素含有率がCH4流量を変化させることにより増加した.トライボロジー特性評価を行った結果,窒素含有率の高い生成物は相手材にSUJ2を用いた場合に高い耐摩耗性を有し,相手材攻撃性が低下することが明らかとなった.
  • -水素プラズマエッチングの影響-
    杉浦 祈, 坂本 幸弘, 太田 恵三
    2013 年 57 巻 1 号 p. 43-46
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル フリー
    鋳鉄のラジカル窒化における水素プラズマエッチングの影響について検討した.鋳鉄表面に存在する遊離炭素が窒化反応を阻害すると考えられることから,ラジカル窒化を鋳鉄基板に施す際に,ラジカル窒化前に水素プラズマエッチングを施した.その結果,印加電圧;-600Vで水素プラズマエッチングを施した試料は,印加電圧;-380Vで処理を施した試料よりもビッカース硬さが向上した.また,摩擦特性を評価した結果,条件の違いによらず未処理とほぼ同等の摩擦係数の維持が可能であった.
  • 林 諒, 森田  昇, 山田 茂, 高野  登
    2013 年 57 巻 1 号 p. 47-52
    発行日: 2013/01/01
    公開日: 2013/06/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,卓上精密旋盤を用いて形状精度の高い微細電極を作製する手法について検討した.旋削加工を行う際に生じる切削力のうち,背分力は電極の寸法や形状精度に影響を及ぼす.旋削条件のうち,工具のノーズ半径,アプローチ角および切込み量を適切に設定することで背分力を抑制する加工条件について検討した.その結果,背分力をゼロに抑制することが可能であることを示し,電極径50μm,長さ1mmの微細電極を旋削加工により作製することが可能であることを示した.また,作製した微細電極を用いて放電加工を行い,微細孔を形成した.
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