砥粒加工学会誌
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57 巻, 8 号
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  • 坂口 彰浩, 川下 智幸, 松尾 修二, 園田 宏貴, 峠 直樹, 樋代 康広
    2013 年57 巻8 号 p. 518-523
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    砥粒加工に用いられるダイヤモンド砥粒は,その大きさや破砕強度により分類されている.近年,注目されている単層のダイヤモンド電着砥石や均一間隔でダイヤモンド砥粒を固着された砥石においては,個々の砥粒が加工へ関与する割合が大きいことから,その形状や分布によって加工性能が左右されることになり,用いるダイヤモンド砥粒形状を正確に把握することが重要になる.しかし,ダイヤモンド砥粒の形状(砥粒面)を計測し評価する技術は確立されていない.このようなことから,ダイヤモンド砥粒を形成する砥粒面をデジタル画像として取得し画像処理を行うことで定量的に評価する計測システムを開発したので報告する.
  • 坂本 武司, 久保田 章亀, 峠 睦
    2013 年57 巻8 号 p. 524-529
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    シリコンカーバイド(SiC)基板は,その優れた特性から次世代パワーデバイス半導体への応用が期待されている.しかし,SiCは,ダイヤモンド,cBNに次ぐ硬度を有し,熱的,化学的に安定であるため,加工がきわめて困難な材料である.筆者らは,単結晶SiC基板や単結晶ダイヤモンド基板などの高硬度材料に対する鏡面加工技術として,紫外光照射を援用した超精密研磨技術を開発した.本報では,2インチサイズのSiC基板に対してAs-slice面に前加工を施し,その後紫外光支援研磨により最終仕上げを行う一連のプロセスを報告する.2段階のダイヤモンドラッピングによる前加工を行い,As-slice面から1hr以内で1μm程度の平坦性と,Ra:0.5nmの平滑性を持つ面に仕上げた.次に,紫外光支援研磨により,基板全体をRa:0.19nm~0.28nm,Rz:2.12nm~3.00nmのサブナノメートルオーダの超平滑な面に,削除率256nm/hrで仕上げることができた.
  • 菊池 将一, 水谷 正義, 亀山 雄高, 小茂鳥 潤
    2013 年57 巻8 号 p. 530-535
    発行日: 2013/08/01
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    本研究では,SKH59製の微粒子を用いてピーニングを施したNi-Ti形状記憶合金のNiイオン溶出挙動について検討を加えた.その結果,微粒子ピーニング(FPP)を施したNi-Ti形状記憶合金の場合,表面から溶出するNiイオン量は,未処理材や従来のショットピーニングを施した試験片と比較して低い値を示した.これは,FPPによって合金表面に非晶質組織が形成されたためである.また,FPPによるNiイオン溶出抑制効果は,Niフリー層を形成できる大気酸化処理と同等のレベルにあることが明らかとなった.さらに,FPPを施したNi-Ti形状記憶合金の生体内使用の可能性について検討を加えるため,動電位分極試験および細胞培養試験を行った.その結果,FPPを施すことによって不動態域におけるNi-Ti形状記憶合金の電気化学特性は改善されたものの,耐孔食性や細胞適合性の改善は認められなかった.
  • -TiAlN/AlCrNコーティングエンドミルによるSUS304の乾式切削-
    嶋村 公二, 細川 晃, 伊部 浩輔, 上田 隆司, 政 誠一
    2013 年57 巻8 号 p. 536-541
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/04/22
    ジャーナル フリー
    アークイオンプレーティング法(AIP法)によるTiAlN/AlCrNコーティングエンドミルを作製し,膜の機械的性質および構造を明らかにするとともに,難削材の一つであるオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304)の切削に適用した.作製した2層構造TiAlN/AlCrNコーティングエンドミルは,単層構造のAlCrNに比べて母材との高い密着性を有しながら,AlCrN本来の高い耐熱性を維持している.TiAlN/AlCrNコーティングエンドミルによる側面加工において,TiAlNより逃げ面摩耗の進行やコーティング膜の剥離が抑制されることが明らかになった.工具寿命を比較すると,TiAlNに対しておよそ1.8倍,AlCrNに対して1.5倍を示し,難削材切削における耐久性の向上が実現できた.
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