日本応用動物昆虫学会誌
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24 巻, 2 号
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  • イチジクならびにキクを加害するフシダニ2種
    根本 久, 小林 正彦, 大沢 高志, 山下 修一, 土居 養二
    1980 年 24 巻 2 号 p. 49-53
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Two eriophyid mites, Eriophyes ficus COTTE and Paraphytoptus sp., were found on fig, Ficus carica L., and chrysanthemum, Chrysanthemum morifolium RAMAT., respectively, which showed symptoms of mottling of leaves, in Honshu, Japan. The two mites had not been previously recorded in Japan. Moreover, this is the first report of the genus Paraphytoptus NALEPA from this country. The morphological features of the females of these species were described on the basis of the examination by scanning electron microscopy. The ridges of the female genital coverflap of E. ficus numbered 8 to 10. E. ficus was found to inhabit the hairs on the undersurface of the fig leaves, and to induce mottling of the leaves. The females of Paraphytoptus sp. were recognized by the following characters: Featherclaws 6-rayed. Shield with median line complete, ending at its rear margin; admedian lines complete, gradually diverging; the first submedian line running backwards, bifurcate anterior to dorsal tubercles. Genital coverflap with 16-19 longitudinal ribs. The females of this species closely resemble those of Eriophyes langei KEIFER, but the former seems to differ from the latter in the structures of the genital coverflap and featherclaws. Paraphytoptus sp. was found to inhabit the calyces and the hairs on the undersurface of the chrysanthemum leaves and stems. This mite induced mottling or chlorotic ringspot of the leaves.
  • 田村 弘忠, 遠田 暢男
    1980 年 24 巻 2 号 p. 54-61
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    マツノザイセンチュウの感染によって枯死したマツの樹体内に形成されたマツノマダラカミキリの蛹室内に3種の中気門類ダニ,Dendrolaelaps fukikoae, D. unispinatusおよびProctolaelaps hystrixが共存し,D. fukikoaeの検出頻度が最も高く,個体数も最も多かった。これら3種の第2若虫は羽化脱出するカミキリによって,マツノザイセンチュウとともに運びだされた。若虫はカミキリの雌雄を選択しないが,付着部位を選択した。前2者は線虫捕食性であるが,カミキリ体内のマツノザイセンチュウ数とダニの数の間に高い相関が認められなかった。大多数の若虫はカミキリの後食開始から2週間後までにカミキリ体表から離脱した。これら3種のダニはこれまでマツノザイセンチュウによるマツ枯損が発生したほぼ全域にわたって分布した。
  • I. 形態および生活型にみられる変異の実態
    斎藤 裕, 高橋 健一
    1980 年 24 巻 2 号 p. 62-70
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ササ・タケ類に寄生するハダニの1種,タケスゴモリハダニSchizotetranychus celarius (BANKS)に見い出された形態,および造巣性に関する変異を,主に8地点から採集した9個体群について検討した。
    個体群間に見られた形態上の変異は,前胴体背毛P2と背中後体毛D2に顕著にみられ,それは野生,および飼育個体群の標本の相互比較から,地域ごとに遺伝的に固定したものと判断された。
    前胴体背毛P2と背中後体毛D2の長さの比較によって,9つの個体群は短毛形,中毛形,および長毛形の少なくとも3つの不連続なグループに分けられると判断された。
    クマイザサSasa senanensis FRANCH. et SAV.を寄主として,実験的にそれぞれの個体群の成虫雌が48時間に作る巣網の面積を測定した。巣網の大きさは,P2とD2の長さの変異にほぼ並行した変異を示すことが明らかとなった。
    巣網の大きさと,体の各部分の測定値とを重回帰分析を用いて検討したところ,巣網の大きさは,背毛P2(D2も同様)の長さによって最も良く説明された。
    巣網の下で生活している雌成虫の行動を実体顕微鏡下で観察した結果,胴部の背毛P2,おびD2が,巣網の存在を認知する上で重要な毛であると判断された。このことから,巣網の大きさが,胴体部の背毛P2,およびD2と最も関連が高いという統計的結論を機能的な面で説明することができた。
  • 菅 朋子
    1980 年 24 巻 2 号 p. 71-80
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    北海道産2種のヤチネズミ属(エゾヤチネズミとミカドネズミ)において,糞分析の有効性の確認と,餌動物,植物の同定が試みられ,さらに両種の食物選択について論じられた。
    1) 餌植物の中ではイネ科およびカヤツリグサ科植物が,表皮細胞と気孔の型と配列の特徴から,その他の植物質と区別された。餌動物の詳細な同定はできなかった。
    2) 糞分析と胃内容分析を比較すると,糞ではイネ科およびカヤツリグサ科植物が出現しやすい傾向があり,動物質は季節によりバラツキが大きかった。しかし,食物選択性という観点からみると,糞分析は各ネズミ種の食性の特徴を良く表わしていた。
    3) エゾヤチネズミの食性変動のパターンは食物供給量のそれと一致し,つねに,各季節で最も豊富に存在するものを利用する傾向がみられた。これに対し,ミカドネズミの場合には食物供給とは無関係に,年間を通してあまり変動が無く,比較的少ない種類の食物を選択的に利用する傾向がみられた。
    4) 両種の食性を比較すると,ミカドネズミはエゾヤチネズミよりも多様な餌植物に対する適応力が小さく,食性の幅が狭いのではないかと考えられた。
  • 嶋田 一明
    1980 年 24 巻 2 号 p. 81-85
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    1. 7.5aの茶園をマス・トラップ区として35個のトラップを配置し,10aの慣行防除茶園を対照区として2個のトラップを配置した。トラップはゾエコン社製のPherocon ICを使用し,これに大塚製薬の性フェロモン剤P-7516を取りつけた。
    2. マス・トラップ区のトラップ当り誘殺数は対照区のそれと比べると,第1回成虫期には20%と低かったが,最後の第5回成虫期には60%に上昇した。
    3. マス・トラップ区のトラップの位置と誘殺との関係は,おおむね外周部のそれが最多の傾向を示した。
    4. マス・トラップ区における第1回∼第3回成虫期トラップの誘殺数と第1世代∼第3世代幼虫によるトラップ周辺の被害量との間には,それぞれ相関係数が,0.814, 0.803,および0.845で,正の相関がみられた。
    5. 第1世代幼虫および第2世代幼虫によるマス・トラップ区の被害量(巻葉数)は対照区の,それぞれ50%および60%であったが,第3世代幼虫による被害量は両区ほぼ等しくなり,最後の第4世代幼虫期のマス・トラップ区の被害量は対照区の1.5倍と逆転した。
  • 岡田 有示, 中筋 房夫
    1980 年 24 巻 2 号 p. 86-92
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ダイズ株上でジャガイモヒゲナガアブラムシ個体群の増殖と移動を観察した。
    個体飼育で得られた有翅,無翅胎生雌成虫の間には産仔数や生存率に大きな差はみられなかった。無翅型アブラムシの飼育で得られた生存曲線と産卵曲線から推定した内的自然増殖率は0.21であった。無翅型4齢幼虫を葉位をちがえて接種しその後の増殖と移動分散を調べた実験では,このアブラムシはいずれの葉位に接種しても,先ずその葉で増殖を始め,次にその上位葉に移動する。移動は,葉が加害によって黄化する直前に起こり,全発育ステージで一斉に起こる。移動が起こるまでの増殖は指数的で,瞬間増加率は,個体飼育で得た内的自然増加率の値とほぼ等しい。このことから,こみ合いの効果は受けていないと思われた。葉位による増殖の適,不適はみられなかった。
  • 土山 彬
    1980 年 24 巻 2 号 p. 93-97
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    アカイエカ幼虫飼育中に病虫が発生したので,死虫および飼育水から病原細菌の検索を行ない,B. sphaericus SC1713株を分離した。本菌の病原性について検討し,次の結果を得た。
    1. SC1713株の栄養型菌体または芽胞浮遊液のいずれにアカイエカ幼虫を放飼しても幼虫は病死した。1令および2∼3令幼虫は栄養型菌体より芽胞に対して,また4令幼虫は芽胞より栄養型菌に対して感受性が高くなる傾向がみられた。
    2. 菌数1.2×107個/mlおよび1.2×106個/mlのSC1713株栄養型菌体浮遊液に放飼したアカイエカ幼虫の経時死亡率は,飼料の有無で差がみられなかった。
    3. SC1713株芽胞を非給餌条件下においてアカイエカ幼虫に摂食させた場合,1.8×103個/mlの濃度でも約90%の殺虫率を示した。
    4. SC1713株芽胞はエビオス水溶液中で発芽・増殖し,芽胞を形成した。
  • 河野 義明
    1980 年 24 巻 2 号 p. 98-104
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ニジュウヤホシテントウムシ成虫を短日条件(10L・14D, 25°C)で生葉を与えて飼育すると,体重が羽化3日後には羽化時の1.4倍になり,6日後には1.5倍を越す。脂肪体は6日頃より発達を始め,9日頃から顕著になり,摂食をやめて休眠にはいる16日頃には腹腔に充満する。成虫の乾燥重,脂肪含量は3日から6日にかけて急激に増加し,その後も徐々に増す。生葉飼育成虫を羽化後5日以内に短日から長日に移せば長日に反応し卵巣が発達して産卵に到るが,それ以後の長日への変更は無効で成虫は休眠にはいる。ジャガイモ輪切り飼育成虫では日長の変更に対する反応性を長期間保持するので,これを使って体重増加および脂肪体の発達と日長感受性との関連を解析し,脂肪体の発達によって日長感受性が消失することを明らかにした。
  • 浅山 哲, 大石 一史
    1980 年 24 巻 2 号 p. 105-107
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 植松 清次, 小野木 静夫
    1980 年 24 巻 2 号 p. 108-110
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    It was found that the soil layer in which a large number of Platypleura kaempferi nymphs were observed was located at 10-30cm from the soil surface. About 70% of the nymphs were also found under the ground at a distance of 60-140cm from the trunk of the host tree. The mean density of nymphs per 1m2 of ground surface under a loquat fruit tree crown was calculated to be 32.2, although marked variations were noted.
  • 佐藤 テイ
    1980 年 24 巻 2 号 p. 110-111
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 後閑 暢夫
    1980 年 24 巻 2 号 p. 112-114
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 瀬戸口 脩, 田中 章
    1980 年 24 巻 2 号 p. 114-117
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 小山 健二, 三橋 淳
    1980 年 24 巻 2 号 p. 117-119
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 阿久津 喜作, 本多 健一郎, 新井 茂
    1980 年 24 巻 2 号 p. 119-121
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 平尾 重太郎, 伊藤 清光
    1980 年 24 巻 2 号 p. 121-124
    発行日: 1980/05/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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