気象集誌. 第2輯
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51 巻, 3 号
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  • 榊原 均, 武田 喬男
    1973 年 51 巻 3 号 p. 155-167
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    1970年7月5日台風7002号により近幾地方にもたらされた降雨のcase studyを行った.解析に際しては,各地 (x,y)の実際の雨量R(x,y,t)は,もしも地形の影響が全くなかったなら降ったであろう雨量f(x,y,t)が各地特有の増巾係数k(x,y)による変形を受けて降ったものと仮定した;R(x,y,t)=k(x,y)×f(x,y,t).k(x,y)の値は地形及び一般風の風向•風速によると考えられる.R(x,y,t)の分布は近畿地方の地形にかなり依存した分布を示し,レーダーエコーの移動と良い対応を示さなかったのに対し,f(x,y,t)に近似的に比例すると考えられるh(x,y,t)の分布はレーダーエコーの移動と極めて良い対応をもって時間と共に移動することが分った.この解析により各地特有の降雨増巾係数k(x,y)の存在が確められたと云える.近畿地方のk(x,y)及びf(x,y,t)の分布の具体例を示す.
  • 田沢 誠一, 孫野 長治
    1973 年 51 巻 3 号 p. 168-175
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    雪結晶ゾンデによる雪の結晶の捕捉率は実験的に36%と決定された.この値は,雪結晶ゾンデの形をリボン形としてLangmuir & Blodgettの図形から計算したものよりも小さいが,この方がより実際的と考えられるので,以後の雲中の雪の結晶の測定には36%を使用した.
    時には雪雲のなかで雪結晶ゾンデが雲粒を採取することもあつた.この場合,捕捉率が極端に悪いと考えられるので数に関する議論はできないが,直径20μ以上については妥当な粒径分布が得られた.
  • 孫野 長治, 李 柾雨
    1973 年 51 巻 3 号 p. 176-190
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    雪結晶ゾンデをつかつて,1970年の冬に小樽•石狩間の海上の雪雲の垂直構造を観測し,次の結果をえた.
    1.雪の結晶形の垂直分布は,中谷ダイヤグラムから予想されるものとよく一致した.このことは雪の結晶は落下中に気温以外の影響をうけることなく,そのまま落下したことを示す.
    2.雪雲の氷晶化に関する種々の過程,すなわち雪結晶を少数しか含まない初期状態,氷相と液相が同程度に含まれる成熟状態および雲粒が含まれていない末期状態の3過程が観測された.
    3.雪の結晶の成長速度を,各高度における最大直径から求めた.その結果,雲頂付近の前期状態では結晶の成長速度は実験的または理論的に求めた値と大体一致したが,雲の中•下層における後期状態では遙かに小さかった.この理由は雲の中•下層で雲粒が欠乏していたためと考えられる.
    4.雪の結晶の数濃度は,雲頂の気温で比較しても氷晶核数よりも2~3桁多かった.これに関し,凍着雲粒以外に何か雲粒の急激な凍結現象が関係しているものと思われる.
  • 高橋 劭, Timothy Craig
    1973 年 51 巻 3 号 p. 191-196
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    温かい雲の雲内で霧雨の電荷と粒径の同時測定を行なつた.霧雨の電荷はInduction ring法で,粒径は光学的に求められた.Photocellでもとめられる粒径の範囲は120μから700μで電荷は1×10-5 esuまで測定された.観測はハワイ島,1600m地点で行ない,霧雨の11%は10-5 esu以上に帯電しており,帯電霧雨の90%は負に帯電していた.霧雨の負電荷帯電機構としてはGunn(1954)の拡散の効果の他に水の表面電位の効果とVaporPressureの効果(Takahashi 1972)とが考えられる.
  • 石川 信敬, 石田 完
    1973 年 51 巻 3 号 p. 197-204
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    971年の冬期と融雪期に,北海道北部及び中央部のいずれも高度差250mの盆地状地形の山頂と麓において気象観測を行ない,いかなる条件のもとで盆地冷却が生じるかを調べた。気温逆転の大きさは,冬期の方が融雪期に比べて大であった。
    1972年の冬期には,熱収支の計算のために,さらに詳しい観測を行なった.夜間の積雪表面からの熱損夫は長波長放射によるものだけであった.一方積雪表面に供給される熱の中で重要なものは顕熱であり,逆転が生じている時,麓と山頂で大きな差がみられた.
  • 秋山 孝子
    1973 年 51 巻 3 号 p. 205-208
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
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