気象集誌. 第2輯
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51 巻, 5 号
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  • 児島 紘, 関川 俊男
    1973 年51 巻5 号 p. 287-293
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    比較的測定が困難とされている半径5×10-7~5×10-6cmの大気中のエアロゾル粒子のサイズ分布測定について一つの試みがなされた.
    イオンアナライザーによりPo210(約100μCi)で照射されたイオン平衡になった空気のイオン易動度分布が測定された.荷電率(ある半径の粒子総数と電荷を持つ粒子数の比)をイオンデニューダーとイオンアナライダーを直列につなげて使用する事により実験的に求めた.その結果はBricard(1949)やFuchs(1963)の理論値に近かった.実験的に求めた荷電率をもとにイオン易動度分布から粒子のサイズ分布に外挿した.
  • 森田 恭弘, 石川 晴治, 長坂 二郎, 金田 昌広
    1973 年51 巻5 号 p. 294-306
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    1968年から1971年にかけて東支那海および太平洋上の大気中の電気伝導度,小イオン密度および凝結核数の測定を船上で行なった.これらの結果を陸上から海上にかけての大気の電気特性の変動と微粒子汚染の張りだしについて論じた.電気伝導度,小イオン密度および凝結核数の変化を陸地からの最短距離との依存性について調べたところの2,3の例を除いては複雑な場合が多かった.更に流線および流跡線について考察を行なったところ次のことが明らかになった.(1)陸上起源の汚染大気の張りだしにともなう電気伝導度,小イオン密度,凝結核数の変化やこれらの値に影響をおよぼす主な要素はその大気の陸地を離れてからの時間である.(2)凝結核数は陸上附近では不規則に分布し複雑な変動を示すが,それらは大気の広がりの時間と共に平均化される傾向にあった.また陸地を離れてから約60時間以上経過した気団の中では電気伝導度,凝結核数とも従来の研究で示されているバックグラウンドの値にちかく,陸上起源の汚染大気の影響は小さかった.(3)凝結核の拡散係数の測定から求めた等価半径の変化は時間と共に増加,減少,変化がみとめられないの3通りの場合があった.
  • 山下 晃
    1973 年51 巻5 号 p. 307-317
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    ドライアイス等低温の物体を用いる種まきと同様に,断熱冷却を利用する種まきでも,正三角形の(0001)面をもつ氷晶が得られる.これを三角氷晶と呼ぶ.断熱冷却法で生じた氷晶を濃い過冷却雲中を自由落下中に約200秒間成長させる場合,三角氷晶の生成率は温度によって著しく異なる.それは-7°Cでは約20%にも達する.三角氷晶の他,不等辺六角氷晶が数多く得られるが,それらは三角氷晶から成長したものであると推定される.この他,菱形氷晶,不等辺五角氷晶,三角樹枝状氷晶がわずかだが得られる.
    ここで得られた結果から,(0001)面内では,<1120>が最も氷晶が成長し易い方向で,<1010>は第二の氷晶が成長し易い方向であると考えられる.従って種まきに関連する何らかの原因で<1010>方向の成長が始まる場合にのみ,自由落下中に三角氷晶等が成長する可能性があるものと思われる.
  • A.G. Crowther, C.P.R. Saunders
    1973 年51 巻5 号 p. 318-324
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    大気中と同程度の大きさの電場が氷晶の成長にどのような影響をおよぼすかを知るために,電場のなかで氷晶を成長させる実験を行なった.針状結晶の成長速度は,4.6×104Vm-1以上の電場のなかで,30倍以上となったが,小さい六角板状結晶の成長には電場の影響はなかった.観察された電場の影響は,氷晶の尖った部分で電場が大きくなることと関連させて理解できた.
  • 石坂 隆
    1973 年51 巻5 号 p. 325-336
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    1970年2月と3月に北陸沿岸で雪と雨水を採集し,それらの中にある固体粒子中の鉱物をX線回折法によって,定量的に分析した.固体粒子の発源地を鉱物の組成と空気の流跡線解析から推定した.その結果,第1部より正確に固体粒子の発源地を調べることができた.得られた結果は次のように要約し得る.(1)雪の中の固体粒子の大部分は黄河上流域から舞い上がった土壌粒子(黄砂)であることが見出された.(2)みぞれの中の固体粒子の発源地は雪の中の固体粒子のものとほとんど類似していた.(3)雨水の中の鉱物粒子の多くは揚子江上流域の土壌粒子に起源を持つものと考えられる.
  • 菊地 勝弘
    1973 年51 巻5 号 p. 337-345
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    1968年2月から1969年1月までの1年間,南極昭和基地での越冬観測期間中々に種の雲物理,大気電気に関する観測を行なったが,特に降水粒子の電荷発生機構の観点から雪結晶の電荷と結晶形の関係をみるために多くの降雪の電荷の測定と同時に顕微鏡,レプリカによる結晶形の観測が行なわれた.その結果,樹枝状六花,角板は負の電荷を有するものが多く,角柱,砲弾集合,側面結晶は正の電荷を有するものが多かった.これらの結果は観測場所が清浄な南極であること,大きな雪片がほとんど降らないこと,天然の降雪でしかも各降雪毎の測定個数が非常に多いこと,大気電場の変動にいわゆる wave patternがなかったことなどから信頼のおけるものである.更に各結晶形の成長する温度範囲,すなわち樹枝状六花,角枝は-10°C~-20°C,角柱,砲弾集合,側面結晶は-20°C~-35°C,を考慮することによって雷雪等の正極性の電荷分布を定性的に説明することができ,これからの電荷発生,分離を論ずる際には結晶形も考慮する必要があると考えられる.
  • 原田 朗
    1973 年51 巻5 号 p. 346-352
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    核実験によって大気に放出された余剰炭素14の濃度の変動を,第2回目の核実験停止期間について解析した.
    時系列資料から,高度•緯度別に回帰曲線を求めた.年変動の鉛直伝播速度を,位相の高度差から推定した.北緯72°の60,000~40,000フィート(18.3~12.2km)の高度で,1.1km/月の下方への伝播速度が求まった.北緯33°では,100,000~90,000フィート(30.5~27.4km)の高度で2.4km/月の上方への伝播があった.炭素14の濃度と気温の時系列資料の解析から,1.5~2ヵ月の周期をもった炭素14の濃度の変動が,鉛直運動によってもたらされていることが推測された.
    炭素14の濃度の変動をオゾン濃度と関係づけた議論がなされている.
  • 廣田 勇, 五月女 敬太郎, 鈴木 剛彦, 池田 誠也
    1973 年51 巻5 号 p. 353-363
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    気象ロケットおよび気象衛星観測資料を用いて1971/72年冬期成層圏におけるアリューシャン高気圧の垂直構造とその変動を解析した.岩手県綾里(39.0°N,141.8°E)での気象ロケット観測から中部および上部成層圏で最大値50m/secを越える東風と西風とが約1カ月の周期で交互に出現するのが見られる.30mbから1mbまでの北半球成層圏総観解析により,この強い東風は日本の北側に中心を持つアリューシャン高気圧に伴うものであることがわかる.45°Nに沿う等圧面高度と気温の東西時間断面図を作ってみると,綾里東西風の準周期的変動はアリューシャン高気圧の中心が同じ周期で東西方向に移動する結果であることが知られる.この解析で示されたアリューシャン高気圧の構造と変動の特性は,プラネタリー•ロスビー波の垂直伝播理論の見地から良く説明出来る.
    この大規模波動擾乱に伴う高温域はシベリア上空の中間圏高度まで達しており,そのために上部成層圏•下部中間圏における帯状平均気温の値は,従来北半球の西側半分のみでの観測値より統計的に求められた平均気温の値に比して,高緯度で20~30度も高いことがわかった.
  • 高橋 劭, T. Takahashi
    1973 年51 巻5 号 p. 364-366
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
  • 水間 満郎
    1973 年51 巻5 号 p. 367-371
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
  • K.R. Saha, S.S. Singh
    1973 年51 巻5 号 p. 372-375
    発行日: 1973年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1973 年51 巻5 号 p. 375
    発行日: 1973年
    公開日: 2009/01/23
    ジャーナル フリー
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