弱酸型のイオン基を有する高分子ゲル内のpH変化を電解 (電極) 反応によって生成するプロトン量を制御することによって誘起し, ゲルを収縮一放水させた.ゲルの放水速度と印加電圧, 外部環境 (水溶液の種類 (NaCl, Na
2SO
4, NaOH), 濃度, pH) との関連性について実験的に検討した.
ゲルの放水速度
vtは供給するプロトン量により制御可能であり, 本法の電気化学的手法においては電圧ならびに電解質の添加によって供給プロトン量を制御している.印加電圧が高いほど供給プロトン量は多くなり放水速度
vtは速くなる.電解質については, 溶液の導電率に起因し, 添加する電解質の濃度が高いほど放水速度
vtは速くなる.しかし, ゲルにアルカリを添加した場合はpHが高いほど放水速度
vtは遅くなる.
プロトンの供給量は通電量と対応しているため, 通電量を基準にしても放水量を制御することが可能である.通電量基準の放水速度
vqはゲルの放水における電流効率 (プロトン消費効率) と等価である.ゲルの電気化学的放水における電流効率は電解質濃度の低い領域で高く, 高濃度領域では低くなる.放水速度
vqはゲル内の対イオン濃度に依存している.
抄録全体を表示