化学工学論文集
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21 巻, 2 号
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  • 小島 紀徳, 木村 匡, 栗本 昌幸, 中川 和哉, 西岡 仁, 上宮 成之, 角 博明
    1995 年 21 巻 2 号 p. 241-247
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気流層およびアルミナ粒子を媒体とする粉粒流動層を用いてケイソウ土の焼成を行いプロセスの可能性を探求した.焼成には空気を用いた.窒素気流中でケイソウ土を焼成すると黒く変色したことから焼成には酸素が必要であることが確認された.強熱減量 (L.O.I.) に対する焼成温度および滞留時間の影響を流動層を用いて検討したところ, 1173K40分で十分焼成されることがわかった.気流層を用いてL.O.I.に対する操作条件の影響を検討したところ, 層温度および滞留時間の影響が最も顕著にみられた.1473Kの高温ではケイソウ土の焼成にはほとんど数秒で十分なことがわかった.気流層焼成品は, 焼成工程においては造粒は生じておらず, またろ過試験の結果より, 本焼成プロセスでは焼成後の粉砕工程が不要なためケイソウ土のシェルが破壊されていないことが示唆された.このことからさらに低品位な原料の使用が可能と思われる.
  • 薄井 洋基, 佐伯 隆, 高木 恒雄, 徳原 慶二
    1995 年 21 巻 2 号 p. 248-256
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    蓄熱冷暖房システムにおける熱媒の輸送において, 陽イオン界面活性剤を添加することにより, 顕著な抗力減少効果が得られることが知られている.本研究では従来その効果が確認されている抗力減少用添加剤を用いた場合のスケールアップデータを得, また配管系における熱媒輸送時の所用動力の簡易推算法を検討した.これらの実験結果より陽イオン界面活性剤を実システムに添加した場合の管路系の設計が可能となった.また, 本研究ではビル空調システムの熱媒輸送系へ界面活性剤を添加する場合に想定される種々の実用上の問題点を解決するための実験的検討を行い, 界面活性剤を実システムに添加しても大丈夫であることを確認した.
  • 加々良 耕二, 家田 成, 安田 広宣, 生島 宗治, 五島 俊介
    1995 年 21 巻 2 号 p. 257-264
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    トリアルキルウレアには安定形のA形晶, 準安定形のB形晶と不安定形のC形晶が存在する.準安定形のB形晶を製造するために, 本化合物のトルエン中での晶析挙動をIRを用いて調べた.晶析温度が318,333Kの場合, 過飽和度SBに対応してB形晶, (A+B) 形晶及びA形晶が析出したが, 時間経過に伴ってB形晶はA形晶に転移した.298KではSBには無関係にC形晶が析出し, A形晶に転移した.
    B形晶からA形晶への転移速度定数κ, 転移が始まるまでの待ち時間θAに対する晶析条件の影響を500mlの晶析槽で調べ, さらに, 2l及び200l晶析槽を用いてスケールアップの検討を行った.
    以上の実験結果に基づき, 200lスケールで晶析実験を行った結果, A形晶を全く含まないB形晶を製造することができた.
  • 伊藤 茂男, 河村 敏, 小村 重徳
    1995 年 21 巻 2 号 p. 265-271
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    石炭ガスの高温集塵にセラミックフィルタは有望な方法であるが, 払い落とし直後のベースライン圧力損失が安定する必要がある.石炭ガス中のチャー粒子によってフィルタの目詰まりが進むと, ベースライン圧力損失が徐々に上昇してゆく.このフィルタの通気性能を回復させるため, 目詰まりの原因となるチャーの除去について実験的検討を加え, フィルタの繰り返し再生を試みた.
    いくつかの石炭チャーの着火温度を調べたところ, チャーは773K以下で燃焼が始まり, その量が少なければ燃焼中の温度上昇も抑制できた.集塵に使用したフィルタの燃焼再生を行ったところ, 圧力損失は十分回復し, フィルタ表面に灰分が残留したが, 再び集塵に使用するのに悪影響はなかった.また集塵, 再生を繰り返しても, 圧力損失の回復は可能であり, 燃焼再生がフィルタの耐久性向上に有効な手法であることが判明した.
  • 岡安 祥夫, 倉谷 隆博, 今井 弘
    1995 年 21 巻 2 号 p. 272-278
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    工場の環境保全対応の基盤である廃棄物用焼却炉の運転安定化, 自動化が望まれていた.今回流動層型焼却炉の流動層温度制御にファジイ制御方式がはじめて導入された.この炉は廃棄物などプロセスの変動要因が多く, また流動砂の熱容量が極めて大きいため, 温度変化の検出遅れが生じ, 炉の運転にPID制御が適用できず, 運転員による手動運転を余儀なくされていた.プロセス動特性の定量的解析及び運転員や運転記録の定性的解析をもとに, 入出力変数が絞り込まれ, メンバーシップ関数とファジイ制御規則が設定された.炉の定常運転時において, 流動層温度のオンライン自動制御が導入されたことにより, 手動運転とほぼ同等の運転性能が実現され, 運転員が1時間程度なら安心して計器室から離れられる「1hr無人化」が達成された.
  • 坂東 芳行, 西村 誠, 早川 洋, 川瀬 信行, 井戸田 篤
    1995 年 21 巻 2 号 p. 279-285
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ドラフトチューブに固定化担体の役割を与えることを目的として, 径の異なる多孔円筒から成る二重管の間隙に粒子を充填した充填二重多孔ドラフトチューブを考案し, これを備えた気泡塔の液混合および気液物質移動について検討した.充填二重多孔ドラフトチューブの内径, 外径, 粒子径を種々に組合せて, 流動状態を観察し, 液混合時間, ガスホールドアップ, 物質移動容量係数を測定した.
    充填二重多孔ドラフトチューブを用いた場合, 粒子層を通る半径方向の気液流れが生じ, このとき粒子層によって気泡が微細化されることが観察された.液混合時間, ガスホールドアップ, 容量係数に対して各部寸法の最適値が存在した.また, 標準気泡塔, エアリフト気泡塔との比較から, 充填二重多孔ドラフトチューブを用いることにより液混合および気液物質移動が改善され, とくに大気泡が形成されやすい液に対して有効であることが認められた.
  • 黒川 秀昭, 澤 俊雄
    1995 年 21 巻 2 号 p. 286-293
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    膜蒸留法における投入エネルギー低減を目的とし, 湿度差を駆動力とした物質移動速度とエンタルピー差を駆動力としたエンタルピー (熱) 移動速度を用いた膜内の熱・物質収支式によるシミュレーションプログラムを作成した.さらに, このプログラムを用いて, 熱回収器を有する膜蒸留システムの投入エネルギー最小となる操作条件の最適化を図り, 実験によって計算結果の妥当性を評価した.
    計算結果より, 原水入口温度, 冷却水入口温度が高いほど, また循環流量と膜面積が小さいほど単位生成水量当たりの投入エネルギーが小さくなることがわかった.また, システムの最適化により, 膜面積0.216m2, 熱交換面積0.216m2のセル条件において, 原水入口温度90℃, 冷却水入口温度50℃, 循環流量18.5kg/hの操作条件を得た.さらに, 実際に膜蒸留実験を行ない, 入熱量0.21kW・hで透過水量1kg/hを得, 潜熱回収率66%を確認するとともに, 計算結果の妥当性を検証した.
  • 欅田 榮一, 井上 義朗, 金 鍾和, 坪井 泉
    1995 年 21 巻 2 号 p. 294-299
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    沈澱の生成・溶解についての情報は文章で記述されていることが多い.そこで, これらの情報をリレーショナルデータベースの形 (キー : イオンの種類及び沈澱の成分, 属性 : 添加する試薬の種類, レコード : 試薬の添加によって生成する化学種) に整理し, これを用いて沈澱法分離プロセスを合成する計算機援用合成法を確立した.この方法によって都市ゴミ焼却炉の焼却飛灰の浸出液からカドミウム, 銅, マンガン, 鉛及び亜鉛をそれぞれ単離するための沈澱法分離プロセスを合成した.さらに, このようにして合成されたプロセスの中で操作回数の最も少ないものについて実験を行った.その結果, この候補プロセスでは, 5種類の金属がそれぞれ単離出来ることは明かになったが, 実用化のためには各操作の最適条件についてさらに詳細な検討が必要である.
  • 福井 啓介, 勝屋 訓
    1995 年 21 巻 2 号 p. 300-305
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    平行平板間における不安定および共存密度成層乱流場の発達過程に関して, 温度変動による条件付きサンプリング法により, 組織的乱流構造の形成過程を調べた.不安定成層乱流場では, 加熱された下面近傍で発生した小さな組織渦が下流に行くにつれて上壁面にまで達する大規模乱流縦渦に発達することがわかった.共存密度成層乱流場では, 密度成層の発達に伴い, 不安定成層内部で生じた上昇流が安定成層内部にまで到達し乱流縦渦を形成するが, 上部の安定成層の影響で横方向に流れを生じ, 形の歪んだ乱流縦渦が形成されることが明らかになった.また, 共存密度成層乱流場では, 乱流縦渦の成長に伴って上層部と下層部に, それぞれ薄い層の組織的構造が発達することを明らかにした.
  • 権藤 晋一郎, 神谷 英和, 川上 満泰
    1995 年 21 巻 2 号 p. 306-311
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    白金電極をアミノシラン化処理してアミノ基を導入し, このアミノ基を介してグルコアミラーゼ (GA) とグルコースオキシダーゼ (GOD) の2酵素を, 固定化用担体を用いることなく, 同時に白金電極に固定化して2酵素固定化白金電極 (GA-GOD-Pt) を作製した.得られたGA-GOD-Ptと対極としてAg/AgClを組み合わせてマルトースセンサを構成し, その特性を検討した.マルトース濃度検量線はpHが5.5から7.5の範囲においてより高いpHでよりよい直線性を示した.この傾向を理論的考察を援用して説明し, 直線的な検量線を得るためにはGA活性を抑制して使用すべきであることを示した.ステップ応答法による動的特性の測定からGA-GOD-Ptはむだ時間おくれのない一次おくれ系とみなせることを示した.
  • 三宅 淳巳, 内田 剛史, 小川 輝繁, 小野 有三
    1995 年 21 巻 2 号 p. 312-318
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    液体有機過酸化物の一種であるクメンヒドロペルオキシド (CHP) の熱分解特性に関する検討を行うため, 熱分析, 断熱貯蔵試験及び等温貯蔵試験を行ない, 分解反応時の熱的挙動について実験的に検討した.また反応試料の分析により, 分解機構の考察を行った.
    これらの結果から, CHPの分解は濃度により反応機構が異なり, 濃度の高いものはCHPの熱分解反応だけでなく, これによって生ずる酸の影響により酸分解反応も並行して生じることが明らかとなった.
    また密閉型容器を用いた等温貯蔵試験により分解ガスの発生圧力を測定したところ, 温度上昇が見られない領域においても圧力増加がみられ, 分解反応が進行していることが認められた.これよりCHPの熱分解に関しては, 試料温度だけでなく発生圧力も考慮した危険性評価が必要であることが明らかとなった.
  • 中野 義夫, 清田 佳美
    1995 年 21 巻 2 号 p. 319-326
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    弱酸型のイオン基を有する高分子ゲル内のpH変化を電解 (電極) 反応によって生成するプロトン量を制御することによって誘起し, ゲルを収縮一放水させた.ゲルの放水速度と印加電圧, 外部環境 (水溶液の種類 (NaCl, Na2SO4, NaOH), 濃度, pH) との関連性について実験的に検討した.
    ゲルの放水速度vtは供給するプロトン量により制御可能であり, 本法の電気化学的手法においては電圧ならびに電解質の添加によって供給プロトン量を制御している.印加電圧が高いほど供給プロトン量は多くなり放水速度vtは速くなる.電解質については, 溶液の導電率に起因し, 添加する電解質の濃度が高いほど放水速度vtは速くなる.しかし, ゲルにアルカリを添加した場合はpHが高いほど放水速度vtは遅くなる.
    プロトンの供給量は通電量と対応しているため, 通電量を基準にしても放水量を制御することが可能である.通電量基準の放水速度vqはゲルの放水における電流効率 (プロトン消費効率) と等価である.ゲルの電気化学的放水における電流効率は電解質濃度の低い領域で高く, 高濃度領域では低くなる.放水速度vqはゲル内の対イオン濃度に依存している.
  • 芝田 隼次, 徳永 宏
    1995 年 21 巻 2 号 p. 327-333
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    溶媒浮選法により水溶液中のモノクロロベンゼン, トリクロロベンゼンおよびナフタリンの除去を行うとともに, 除去機構のモデル化を行い, 解析より得られた除去率の計算値と実験値を比較検討した.どの有機物も蒸気圧が低く, 疎水性なので, 高い除去率で水相から除去できた.有機物による除去率の相違は, 界面活性の違い, あるいは気液界面での吸着量の違いに起因していることが明らかになった.除去機構のモデルでは, 水相中の有機物は気泡およびカラム上層の有機溶媒への移動により除去されると仮定し, 3種の有機物の除去率を計算して実験値と比較検討した.さらに, 解析から気泡および有機溶媒への移動によって除去される有機物の量の割合をそれぞれ計算した.
    水相に塩類を添加すると, 塩析効果が生じて気液界面でのモノクロロベンゼン濃度が高くなり, そのためにモノクロロベンゼンの除去率が増加する.水相へのエタノール添加は水相の表面張力の低下による気泡径の減少を引き起こし, その結果気泡の単位体積当たりの表面積を増加させる.したがって, 水相への塩類および少量のエタノール添加はモノクロロベンゼンの除去率を増加させる効果がある.
  • 浜田 憲二, 仙名 保
    1995 年 21 巻 2 号 p. 334-340
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    新しく開発したマルチリング媒体型超微粉砕装置を用い重質炭酸カルシウムの粉砕において所定のメジアン粒径を得るための回転速度と粉砕時間の関係を表す経験式が得られた.さらに, 砕成物の化学的性質の変化を調べるため, 粉砕直後のスラリーのpH値を測定し, その水素イオン濃度から, 見掛けの溶解度の変化速度kを求めた.同時に砕成物をX線回折ピークの積分幅より格子不整の程度を見積もった.その結果, 回転速度の違いによるk値の差異は砕成物の結晶構造の乱れの度合いに関係し, メカノケミカル効果が要因の一つであることがわかった.また, 粉砕による比表面積の増大とメカノケミカル効果の増大の速度は必ずしも同様の変化を示すとは限らないことも明らかとなった.
  • 青木 秀之, 佐藤 洋史, 三浦 隆利
    1995 年 21 巻 2 号 p. 341-348
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    コークス乾留時において炉内伝熱・物質移動に重要な影響を及ぼすと考えられる主亀裂生成・進展機構の解明を目的として, コークス塊内熱応力解析を行った.本モデルでは, 軟化溶融層の膨張, 熱・機械的物性値の昇温速度依存性, 軟化溶融層およびセミコークス層のクリープ特性, 主亀裂進展および主亀裂内輻射伝熱を考慮した.推算される主亀裂先端での応力拡大係数とコークスの破壊靱性値の比較により主亀裂進展条件を決定した.小型乾留炉における主亀裂進展および変形挙動を解析結果と比較した結果, 両者は良好な一致を示した.また塊内に生じる加熱面に垂直な微小亀裂および加熱面表面の微小亀裂生成を予測することができた.
  • 江頭 竜一, 杉本 高弘, 川崎 順二郎
    1995 年 21 巻 2 号 p. 349-356
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    O/Wエマルションに対する表面の濡れ特性が異なる2種類の充填物を用いて芳香族-非芳香族2成分混合物の透過実験を行った.外部油相の液膜相への機械的取り込みは検出されず, (O/W) /O型から (O/W) 型への転相 (操作不能) に至る可能性は極めて低かった.一般の液液接触探作とは異なり, 本分離法においては破壊を抑制し分離の選択度を向上させるために分散相であるエマルションに濡れやすい表面の充填物を用いることが好ましいことを見出した.ついでエマルションに濡れやすい充填物を用いてさらに透過実験を行い, 物質移動係数の相関を試みた.乳化液膜透過においてエマルション内の物質移動抵抗が支配的であった.原料の物質系および組成によらず無次元化したエマルション側物質移動係数を2つの無次元数を含む1つの簡単な無次元式で相関できた.またこの式により透過が逆方向 (外部油相から内部油相) の場合の物質移動係数も概略表すことができた.
  • 山口 学, 松井 章, 村上 英樹, 片山 俊
    1995 年 21 巻 2 号 p. 357-364
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    気相電場中におけるニュートン液体の均一微粒滴生成について実験的に研究を行った.電場は正極の直流電圧を印加した金属ノズルと接地銅板電極で構成される不平等電場である.実験は分散相流量が液柱を形成しない範囲で行われ, ノズルから生成される微粒液滴径は印加電圧と液の電気緩和時間に著しく依存することがわかった.また, 液滴生成および比電荷の機構についても考察した.
    生成液滴径に関する実験相関式を提出し, 相関式は広い液物性の溶液に有効なものである.また, 微粒滴生成が開始する臨界電圧に関する相関式も提出した.
  • 加藤 禎人, 平岡 節郎, 多田 豊, 白井 誠二, 植 孝文, 高 承台, 山口 隆生
    1995 年 21 巻 2 号 p. 365-371
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    緩やかな水平円運動を伴う揺動攪拌槽の設計基準の指針となる, 所要動力と槽壁部液面上昇高さについて検討した.揺動攪拌で混合操作に適した操作範囲は, 次に示す領域に限られることが解った.
    0.135Re-0.176<Fr<0.135Re0.166 (Re>1)
    ここで, Fr数およびRe数は, N2D/gおよびNd2で定義される.揺動攪拌所要動力数Np (=P/ρN3D5) および槽壁部液面上昇高さhは上式の操作範囲で, それぞれ次式で相関できた.
    Np=934Fr3/2Re-1/4 (d/D) 3/2
    h/D=14Fr1.25 (d/D) 0.37
    単位容積あたりの所要動力を等しくおいたとき, 揺動攪拌の混合時間は翼攪拌よりわずかに長かった.
  • 向阪 保雄, 遠藤 禎行, 堀内 貴洋, 佐々木 義之
    1995 年 21 巻 2 号 p. 372-377
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    粒子の表面電位ψと電気二重層厚み1/κによって決まる静電反発力が液相中で凝集している粒子の分散にどのように影響するのかについて検討した.
    溶液のpHと電解質濃度Ceを変えることによってそれぞれψと1/κを制御したPSL (ポリスチレンラテックス) 凝集粒子の懸濁液を調製し, これを先細ノズル内の液流の加速によって分散させた、このようにして分散されたPSL粒子の分散状態を光学顕微鏡によって観察した結果, 粒子に働く外力が一定の条件下ではψおよびCeが高くなると凝集粒子は分散しやすくなることがわかった.表面電位ψに関するこの結果は当然としても, 電解質濃度Ceが高くなるほど分散されやすいという結果は, Ceが高くなると一般に凝集しやすくなるということを考えると直感的には反対の現象のようにみえる.このような実験結果は, 液相中で凝集している粒子の分散の制御に利用できるものと考えられる.
  • 深井 潤, 折田 久幸, 兪 筱珊, 五十川 功, 宮武 修
    1995 年 21 巻 2 号 p. 378-384
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    熱分解を伴う円柱多孔質材料内における伝熱およびガス流れに関する基礎方程式を簡略化し, 対流伝熱の寄与および内部ガス圧力がそれぞれ推算できる近似モデルを導出した.さらに, これらのモデルと既存の応力モデルを組み合わせて, 熱応力とともに内部ガス圧力に起因する応力が推算できるモデルを導出した.
    これらのモデルを炭素材料成形体の焼成工程に適用した結果, 以下のことが予測された.1) 内部ガス圧力およびそれに起因する応力は, 昇温速度の平方根および試料径に比例して増加する.2) ガス状タールおよびH2の発生が気相の物性値を急激に変化させるとともに, ガス流速を増加させることによって, 対流伝熱量が増大する.3) H2の発生は内部ガス圧力およびそれに起因する応力を増大させ, 約1000Kにおける応力ピークに大きく影響する.
  • 鄭 相鐵, 今石 宣之, 朴 興〓
    1995 年 21 巻 2 号 p. 385-392
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    水平管型ホットウォールCVD反応器を用い, 種々の操作圧力下で, 酢酸亜鉛を原料としたZnO薄膜を合成し, 膜性状に及ぼす操作変数の影響を検討した.ミクロトレンチ上の成膜形状と管軸方向の成膜速度分布を, ミクロおよびマクロな数値シミュレーションにもとづいて検討した.実験結果からCVD機構が圧力によって変化することが示唆された.実験結果を説明するためのモデルが提案された.モデルから, 高圧力下では, APCVDに関する前報で示したと同様に, 酢酸亜鉛から直接表面反応を経てZnO膜が形成されることが示された.低圧下では気相反応で活性種が生成され, それが管壁へ拡散し, 速い表面反応を経て成膜される.中間圧では, 気相中の活性種が窒素などによって失活されるとモデル化できることを示した.10~300Torrの中間圧力域では, これら2つの反応経路が共存するが, 活性な中間体は窒素分子との衝突で失活される.活性中間体から原料に戻る逆気相反応速度が窒素濃度の3乗に比例すると仮定することで, 実験結果を, 完全ではないが, ほぼ説明できた.
  • 三島 健司, 永安 繁幸, 十時 理納, 内山 尚治, 内山 弘規, 長谷 昌紀
    1995 年 21 巻 2 号 p. 393-396
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    ポリエチレングリコール (Mw=7,500) と硫酸アンモニウムを含む水性二相分配系においてカテコールおよび3種類のカテコールアミンの分配係数を25℃において測定した.その結果, カテコールおよびカテコールアミンの分配係数はタイラインの長さが増すほど増加し, タイライン長さとln K4 (K4=m4TOP/m4BOT) の間には, ほぼ直線的関係が得られた.カテコールアミンの分配係数はカテコールより低い値を示した.
    さらに, 自由エネルギーのビリアル展開式を用いて, 水性二相分配系に対するカテコールとカテコールアミンの分配係数の相関を試みた.
  • 三島 健司, 三宅 章弘, 松山 清, 杉野 純治, 長谷 昌紀
    1995 年 21 巻 2 号 p. 397-401
    発行日: 1995/03/15
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    オスマー型気液平衡装置を用いて, 微量のカプロン酸エチル, 酢酸イソアミルおよび1-プロパノールを含むエタノール-水系の定圧気液平衡を66.7kPaにて測定した.本実験結果より, 多量成分であるエタノール-水系の気液平衡関係に及ぼす微量成分の影響はほぼ無視できることがわかった.また, 測定データにおいて微量成分の平衡比K3とエタノール濃度との関係を調べた.その結果, エタノールの濃度が小さくなるほど平衡比は大きくなることが分かった.さらに, NRTLモデルを用いて本実験結果に対する相関を試みた.
  • 1995 年 21 巻 2 号 p. e1
    発行日: 1995年
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 21 巻 2 号 p. e1a
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 21 巻 2 号 p. e1b
    発行日: 1995年
    公開日: 2010/11/22
    ジャーナル フリー
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