結核
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78 巻, 7 号
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  • 横山 俊伸, 力丸 徹, 合原 るみ, 末安 禎子, 相澤 久道
    2003 年 78 巻 7 号 p. 479-482
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    高齢者における結核についての検討を行った。当院における活動性結核症例について65歳以上を高齢者とし, 65歳未満との免疫学的また臨床的検討を行った。ツベルクリン反応は65歳未満では陰性率7%に対し, 65歳以上では同14%であった。末梢血リンパ球数でも高齢者は若年者より低値であった。臨床的には高齢者に合併症が多くみられたが, 排菌停止までの期間については両群問で差が認められなかった。適切な化学療法と抗結核薬への薬剤耐性がもっとも重要であると考えられた。高齢者結核における最大の問題点は合併症の多さや寝たきり, 看護に多くの人手を要すること, performances tatus不良であることであった。
  • 透析患者における結核治療
    横山 俊伸, 力丸 徹合, 合原 るみ, 渡邊 尚, 相澤 久道
    2003 年 78 巻 7 号 p. 483-486
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    当院における活動性結核を合併した透析患者について免疫学的また臨床的検討を行った。透析患者においては末梢血リンパ球数の減少やツベルクリン反応のanergyなど細胞性免疫の低下が認められた。さらに少数例ではあるが血中のIFN-γが透析によって除去されることが示された。透析患者は透析によって結核免疫に最も重要なサイトカインであるIFN-γが除去せしめられた, 結核にとって非常に不利な免疫状態にあり, 結核発症率が高い一因であることが示唆された。透析患者における抗結核薬の投与法については様々な検討や報告がみられる。過去には透析患者においては結核の死亡率が一般より高いとする報告がある一方で, 今回の検討では必ずしも予後は不良ではなかった。透析患者における結核治療の注意点としては末梢神経障害とピリドキシンの適切な投与量の認識が必要である。
  • 小橋 吉博, 宮下 修行, 二木 芳人, 松島 敏春
    2003 年 78 巻 7 号 p. 487-490
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は45歳, 女性。強皮症および慢性関節リウマチの診断のもと, 外来にて経過観察されていた。しかし, 2年前に間質性肺炎を併発したため, その時点から副腎皮質ステロイドが投与されていた。2002年1月ごろから喀痰が出現し, 咳嗽も増強, 4月には発熱がみられるようになったため, 胸部x線写真を撮ったところ, 右下肺野に空洞を伴う浸潤影を認めた。肺結核を疑い, 喀痰抗酸菌検査を行った結果, 塗抹検査でガフキー10号と高度排菌が認められた。最終的には, PCR検査でMycobacterium aviumが陽性であったことから, 肺非結核性抗酸菌症と診断した。M.avium症が非好発部位にみられたが, その要因として膠原病肺による局所防御機能低下などが誘因となったと考えられた。
  • 小野田 哲也, 村上 一生, 江田 良輔, 平木 章夫, 巻幡 清, 高尾 和志, 青江 啓介, 前田 忠士, 竹山 博泰
    2003 年 78 巻 7 号 p. 491-496
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は74歳, 女性。発熱を主訴に1月21日近医受診した。胸部単純X線検査, 胸部CTではランダムに分布する微細粒状影が全肺野に分布しており, 粟粒結核の疑いにて当院紹介入院となった。入院時喀疾抗酸菌塗抹, 培養, PCRは陰性であったが骨髄吸引細胞診にて類肉芽腫を認めたため粟粒結核と診断し, 抗結核剤INH, RFP, SMの投与を開始した。投与開始5日目に血小板数が11.6×104/μlから0.3×104/μlに低下したため全抗結核剤を中止し, 濃厚血小板輸血に引き続き免疫グロブリン製剤の投与を行ったところ, 抗結核剤投与中止後11日目に血小板数は10.2×104/μlに回復した。血小板表面凝集IgG (PA-IgG) は上昇しており, 血小板減少後に再施行した骨髄吸引細胞診では比較的低形成な骨髄を背景に巨核球の増加が認められた。RFPによるチャレンジテストは施行しなかったが, INH, SMの再投与時には症状は再現されなかったためRFPによる免疫学的機序による血小板減少と診断した。RFP前投与歴のない場合にも稀に投与開始1週間以内に重篤な血小板減少を呈することがあり注意が必要である。
  • 第2報
    日本結核病学会治療委員会
    2003 年 78 巻 7 号 p. 497-499
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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