〔目的〕
M.avium,
M.intracetlulare複合感染の確認のため,VNTR法を実施し,電気泳動パターンの解析を行った。〔対象および方法〕症例:57歳女性,
M.avium長期排菌者の2004年分離菌と2006年喀痰沈渣および分離菌から孤立コロニーを作製し,それぞれのコロニーを16SrRNA法にて菌種同定後,VNTR法を実施した。〔結果〕(1)2004年分離菌は単独の
M.aviumであった。(2)2006年喀痰沈渣と分離菌はVNTR法により複数の抗酸菌の存在が示唆された。(3)2006年喀痰沈渣と分離菌は16SrRNA遺伝子解析により
M.aviumと
M.intracellulareに同定した。(4)2004年と2006年の
M.aviumは同一の電気泳動パターンを示した。(5) 患者宅の風呂場からは,
M.aviumは検出されず,感染源は特定できなかった。〔考察〕VNTR法の解析により,本症例は治療中に
M.aviumと
M.intraceltutareの複合感染に推移したと考えられ,本症例のような複合感染の場合は,特にVNTR法の解析が有用と思われた。
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