結核
Online ISSN : 1884-2410
Print ISSN : 0022-9776
ISSN-L : 0022-9776
82 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 矢野 修一, 小林 賀奈子, 池田 敏和, 徳田 佳之, 唐下 泰一, 石川 成範, 竹山 博泰
    2007 年82 巻7 号 p. 557-561
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕結核ハイリスク群と考えられる当院職員に対しQuantiFERONO®TB-2G(以下QFT)を施行し,その結果から当院の結核感染対策を評価した。〔方法〕結核ハイリスク群と考えられる当院職員40名に対しQFTを施行した。結核病棟勤務の医師(以下D群),結核病棟勤務看護師(以下N群),およびその他のハイリスク群(以下O群)の3群に分類し,各群におけるQFTからみた結核感染率や二段階ツベルクリン反応等との関連について検討した。〔結果〕対象職員におけるQFT陽性率は4/40(10.0%)で,判定保留を含む感染率は6/40(15.0%)と高率であった。N群での感染率は0%であったが,D群および0群では感染率がそれぞれ27.3%,20.0%と高率であった。しかし当院の感染防止マニュアル施行後に採用されたすべての対象職員においてQFTは陰性であった。〔考案〕当院の結核ハイリスク群におけるQFTから求めた結核感染率は高率であったが,感染防止マニュアルを施行後に採用されたハイリスク群では全員QFT陰性であり感染防止マニュアルが有用であった。〔結論〕感染防止マニュアル施行後に採用されたハイリスク群にはQFTから判定した感染はなかったと考えられる。
  • 松井 芳憲, 赤川 志のぶ, 川島 正裕, 鈴木 純子, 益田 公彦, 田村 厚久, 永井 英明, 長山 直弘, 川辺 芳子, 町田 和子, ...
    2007 年82 巻7 号 p. 563-567
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕すでにプレドニゾロン(PSL)やシクロスポリン(CyA)が投与されている結核患者にRFPを投与する場合,これら先行薬剤の増量を要する。PSLは2倍量程度が推奨されているが,CyAについては未だ定説がない。そこでRFP投与時のCyAの必要投与量を知るために,CyAがすでに投与されていた結核患者における投与量について検討した。〔方法と結果〕2001年から2003年の問に当院でRFPを含む肺結核の化学療法を行った患者のうち,治療前からCyAを使用していた4例の患者において結核治療前と同等のトラフ値が得られたCyAの投与量を検討した。全例PSLが投与されており,最初から2倍に増量されていた。CyAはトラフ値を測定して投与量を調節されており,2.5~3.5(平均3)倍量で結核治療開始前のトラフ値に到達し,臨床所見も安定した。CyA投与量の決定までに,トラフ値は5~12(平均8.3)回測定され,6~27(平均12)週を要していた。〔結論〕CyAの投与量決定には長期間,頻回のトラフ値測定を要したが,3倍量前後で目標値に達していた。したがって結核治療の最初からCyAは3倍に増量すると効率がよいと思われた。
  • 近藤 信哉, 宮川 知士, 伊藤 真樹
    2007 年82 巻7 号 p. 569-575
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕胸部CT,気管支ファイバ一スコピーなどの現在の診断技術を用いて,エピツベルクロ一シスの病因について再検討した。〔対象と方法〕エピツベルクローシスを生じた結核乳児14例,幼児5例,計19例について胃液結核菌検査,胸部単純X線検査にCT検査と気管支ファイバースコピー検査を加えて評価を行った。〔結果〕エピツベルクローシス発見時の年齢は,19例中12例(63%)が0歳児であった。結核治療開始前とは別の肺葉に治療開始後に生じた1例を含め,19例中13例においてエピッベルクローシスは治療開始後に生じた。19例全例に気管支起始部周辺を圧迫する縦隔・肺門リンパ節腫大が認められ,16例(84%)において該当する肺葉に浸潤影を伴っていた。16例に行われた気管支ファイバースコピー検査において,13例(81%)の該当気管支壁に腫瘤を認めた。〔結論〕従来の報告と異なり,絶対径の狭い,脆弱な気道を有する0歳児がエピツベルクロ一シスを最も生じやすいことが明らかになった。また,エピツベルクローシスは縦隔・肺門リンパ節病巣と初期悪化による病巣拡大がもたらす気管支壁圧迫,そしてリンパ節穿孔が形成した気管支壁腫瘤による気管支腔閉塞に伴う無気肺影であると考えられた。
  • 小山 和彦, 川上 健司, 原田 義高, 山領 豪, 木村 由美子
    2007 年82 巻7 号 p. 577-581
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は31歳女性。2003年10月から咳嗽,発熱で発症し,2004年1月に肺結核の診断が確定した。INH,RFP,EB,PZAによる標準治療を開始したが,同年3月には薬剤感受性試験の結果から多剤耐性肺結核と診断した。その後PZA,TH,CS,EVM,LVFXにて治療を行ったが排菌が持続した。2004年8月下旬に左荒蕪肺に対して左肺全摘術を施行し,術後は排菌が陰性化した。化学療法のみでの治療が困難な多剤耐性肺結核に対し外科療法が有効であった。
  • 2007 年82 巻7 号 p. 583-628
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top