電氣學會雜誌
Online ISSN : 2187-6797
Print ISSN : 0020-2878
ISSN-L : 0020-2878
44 巻, 431 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 磯野 達一郎
    1924 年 44 巻 431 号 p. 517-544
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    多相誘導電動機の縦續結合法に於ける電動機の性質は主として直列に結ばれた二個の電動機に付てのみ論ぜられ、並列に結ばれたる電動機の性質に付ては論すずる所の物が無いが其の性質としては直列と並列とは大なる差違があるのである、本文は其の點を明らかにする爲に極めて平易に並列縦續結合法の性質を説明せる物である。
    直列及び並列縦續法と稱する名稱は、著者が命名した字であるが第一節に於て見る如く直列縦續結合をSeries Concatenationとし電動機の電氣的結合法が直列である場合を指し、並列縦續結合は第二節以下で見る如くParallel Concatenationとして電動機の電氣的結合法が並列に結ばれて居る場合である。
    著者は初め數多の電動機の直列縦續結合に於ける等式を與へ、次に並列縦續結合法の性質を細かに説明し其の等式及び圓線圖を以て電壓電流電力其の他の性質を計算し得る公式を與へて居る。
    並列縦續結合に於ける誘導電動機は一種の同期電動機の如く一次周波數が一定なれば一定の廻轉數を示して居る、而して其の速度は二個の電動機の磁極數の平均値に相當する極數を有する同期電動機の如き性質を有する爲に奇數の磁極を有する同期電動機を作るまが出來る。從て一定の周波數に對して任意の極數に相當する周期速度を生ぜしむる事が出來る。
    著者は理論的の説明を加へ實驗的の数字及び實用的の物に付ては後日發表すると述べて居る。
  • 小川 一清
    1924 年 44 巻 431 号 p. 545-558
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    線輪裝荷電話ケーブルの通話特性を極めて一般的に嚴密に考究し、今日普通に行はるゝ近似法が如何なる程度の省略を行へるものか、又如何なる場合に成立し得ざるに至るかを吟味し、進んで線輪裝荷ケーブルの通話特性の計算は特に精密を要する場合の外、如何なる程度の近似法を行ひて差支なきかを論じ、切斷周波數より小なる周波數に對する減衰定數の計算は、就中最も注意を要する事を指摘し、最後に米國ウエスタン電氣會社標準の中程裝荷重信ケーブルに就て、數字例を擧げてある。
  • 清水 吉三
    1924 年 44 巻 431 号 p. 559-563
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    三心扇形電纜(導體間並に導體被鉛間の厚さ等しき)の熱抵抗を算出する近似式を求め實驗値並に圖示法による値と比較した。熱抵抗は次の如き式で大略の値を求め得られる。
    R=0.087.ρ.loge(1.17t/γ0+1)
    但しρは固有熱抵抗、tは導體間或は導體被鉛間の絶縁物の厚さ、γ0は等しき面積の圓形導體の半徑である。
  • 拔山 平一, 松平 正壽
    1924 年 44 巻 431 号 p. 564-574
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    電話受話器をA. E. Kennelly氏等が取扱つた方法によつて、そのmotional impedanceを求めるのは、振動板の振動が著しいときにのみ可能であつて、resonance以外のところ或は振動系のmechanical resistanceの大きい場合等ではmotional impedanceの測定は甚だ困難である。かゝる場合のmotional impedanceを測る方法として、振動部分に測定用の別のcoilを設備し、之に誘導される起電力をpotentiometerで測定し、mutual impedanceとして表すと、damped mutua1 impedanceが小さいため、振動が小さくても、容易にmotiona1 mutual impedanceを測定することが出來た。
    本論文には上記の方法で測定したfree mutual impedance, damped mutual impedance及motional mutual impedanceの一二の例を擧げ、次にmotiona1 mutual impedanceの理論及振動系のmechanical constantsを測定する方法を論じ、最後にmechanical constantsを測定した實驗の結果を述べて居る。
  • 岸本 覺治
    1924 年 44 巻 431 号 p. 575-614
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    都市産出の塵芥は氣候風土により其物理的並に化學的組成も著しく相違して、甲地の處分方法必ずしも乙地に適せりとは斷ぜられない。乍而本邦に於ける都市の塵芥處分を經濟的(衞生的なるは勿論)に行ふには、研究の結果から塵芥を燒却して其熱力を利用するにある事が明らかにせられて居る。
    果して然らば、含水分の多き本邦都市の塵芥を燒却したる時は如何なる結果が得らるゝか。著者は大阪市産出の塵芥に就て工業的規模の實驗を施行した。其實驗報告が即ち之である。
    最初に燃料として觀察した結果を簡單に述べ、實驗の目的は電力發生の前提として燒却熱を利用して蒸氣を發生せしむるのと、乾餾により瓦斯及塵炭を得、副産物を回收する(本邦特許37802號)のと、工業的に如何なる結果を生ずるかを檢覈するに在つた事を述べて居る。且又燒却爐に關する著者の意見を披瀝し本邦特許42440號に基いて實驗爐を設計した事を説いて居る。
    次に實驗設備の梗概を叙し、實驗方法や測定器具に就て概説し、電力發生には最も簡便な蒸氣の發生に關する實驗結果を詳細に説いて居る。
    蒸氣發生試驗は壓力7氣壓、10氣壓、14氣壓の三種であつたが、7氣壓及10氣壓の成績は参考として抄録に止め、14氣壓の成績を主として論述して居る。
    實驗に使用した爐に於ては44.7%-49.5%含水分の塵芥で、其乾燥物の發熱量1,800-2,100Kg. Cal.品位のものでは、100°Cに於ける蒸氣發生量は1.04-1.15Kg. per Kg of Refuseなる成績を擧げて居る。
    最後に乾餾實驗成績を概説し、蒸氣發生法と比較する事は未だ輕卒には是をなし得ないと論じて稿を結んで居る。
feedback
Top