漆に石炭酸樹脂及びアルキッド合成樹脂を配合し,150°C,1hの燒付塗膜の物理化學的諸性質を吟味して良好組成範圍を決定した。斯くして良好組成範圍の中心,漆:石炭酸樹脂:アルキッド樹脂=3:4:3の配合率の塗料に就き燒付條件を吟味し,180°C,1hを最も適當と定めた。良好組成及び良好燒付條件の塗膜に就き,加熱に依る變質を吟味する爲,更に各温度にて1h加熱し物理化學的性質を檢べた。斯くして劣化の著しく増加する温度として次の値を得た。破壞電壓:135°C,可撓性:186°C,耐酸性:210°C,耐アルカリ性:230°C,硬度:290°C,耐油性:327°C,耐水性:327°C,トルオール溶解に對する抵抗力:365°C。
尚同時に熱天秤及び金屬顯微鏡を使用して劣化機構を吟味してゐる。
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