電氣學會雜誌
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44 巻, 434 号
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  • 大槻 喬
    1924 年 44 巻 434 号 p. 803-847
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    從來ペーターゼン接地線輪の合調には單に線路の集合靜電容量のみを考慮して居た様であるが、送電線の接地に際しては線路の電磁誘導係數も相當大なる影響を有し且つ其の各常數が分布せるものであるから、該線輪の消弧作用を實際上に完たからしむる爲めには其の採擇上此等の關係を考慮に入れる事が肝要である。本論は中性點の任意に處理されたる送電線の各分布常數を考慮して其の任意の點の接地に際する一般等式を誘導し、之に依つて接地線輪の正確なる補償値を與へ、且つ一送電方式に設置すべき最も適切なる線輪の數並に位置を決定したものである。
    理論的考究に依ると、n相n線式送電線は其の發電所並に受電所側に次式に適する各一個宛の線輪を具ふる事に依つて安全に補償される。
    但しYoは線輪のアドミツタンス、Ys及びksは相數並に線路の分布常數に依つて決定さるべき常數lは送電線の全長を示したものである。且つ本式は兩邊の合成虚數量に於てのみ成立するものとす。尚斯く補償されたる一送電方式に他の送電網を臨機接續するの要ある塲合は後者に適する接地線輪を別に設け其の斷續を附加回路の開閉と同時に行ふが有效にして安全なる方法である。
  • 大河内 重助
    1924 年 44 巻 434 号 p. 848-859
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    オキサイドフイルム避雷器とアルミニウム避雷器の可聽周波數電壓に對する動作を、ブラウン管を用ひて比較研究した結果を述べてある。
    放電特性がfallingであるか否かを比較する爲めにdynamic characteristicsをとり、放電の急激の度合を比較するにはcyclic current diagramsをとつてある。
    最後にアルミニウムセルの放電は比較的急激でないから電氣回路に電氣振動を惹起さないが、オキサイドフイルムの方は急激な放電を爲すために電氣振動を惹き起す可能性を有することを實驗的に示して居る
  • 渡邊 寧
    1924 年 44 巻 434 号 p. 860-886
    発行日: 1924年
    公開日: 2008/11/20
    ジャーナル フリー
    三極眞空管を用ひて永續振動を發生する場合に、陽極回路が誘導体を含む時は、その一周期間に一度或は二度衰滅振動が發生する。然し永續振動の周波數が低い時は後者の發生は不可能である。この現象は三極眞空管内の熱電子電導が整流作用を行ふ事に起因するのであつて、陽極と線條間の靜電的容量と陽極回路の誘導体とが振動回路の一部を形成する。而して衰滅振動の周波數は大体此等の定數に依て定まる。
    かゝる現象の發生の理由及び其特性の解説の目的で、まづ簡單な回路の考察から始める。最初整流器を含む交流回路中に發生する衰滅振動を論じ、次に三極眞空管の陽極には直流電壓を與へ補極には低周波(50~)或は高周波(1萬~程度)の交番電壓を與へて、三極眞空管を増幅作用をなす場合に發生する振動電流に關して、周波數の關係、衰滅振動發生可能の條件等を考察し、最後に發振器としての三極眞空管が發生する衰滅振動が前の場合の一ツの特殊の變形であるとして論及してをる。
    專ら實驗的研究を主とした。衰滅振動を發生する場合は其の一ツ一ツが蓄電器の振動的充電或は放電の瞬時現象であつて、精細な理論的説明は不可能であるが、簡單な數式的解法を試みてその特性の大綱を示すに止めた。低周波の實驗には主にオツシログラフを用ひたが、高周波の塲合にはBraun管オツシログラフを用ひ、衰滅振動電流はそのcyclic current diagramから周波數或は衰滅係數等の測定をなした。
    此の報告は次の項目に分つ。
    I. 緒言
    II. 整流器に結ばれた振動回路中に發生する衰滅振動
    III. 増幅器としての三極眞空管の陽極に結ばれた振動回路中に發生する衰滅振動
    IV. 發振器としての三極眞空管に依る衰滅振動
    V. 結論
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