(I) 緒言,(II) 沿革…本邦に於ける電氣收塵の沿革並に萬國電氣收塵聯盟の成立,收塵量の甚大な例と電氣收塵に依る巨利の例,(III)本會誌並に友會々誌上に發表せられたる各名土の電氣收塵に關する十數種の論交を紹介し之等の中電氣收塵の理論的考察に關しては批判を避けたけれども,(イ) 收塵裝置として記述せられたもの,(ロ) 理論を推し進めるか,又は實驗の結果に基づいて電氣收塵實際作業に言及せられたもの,(ハ) 特許發明の裝置等筍くも工業的實施に言及せられたものに關しては,當該收塵裝置が實現せる場合を想像して,裝置其のものに如何なる現象が起るであらうかと云ふ點に就き自分の永年の苦い體驗に基づいて卑見を述べた。(IV) 收集塵が收塵作用の進展を損ふ現象と其の對應策を述ぺた。即ち (イ) 放電々極の肥大と自働槌打法の必要,(ロ) 浮塵が絶縁性であると集塵電極面に付着して收塵作用の進展を防碍する惡現象が起るのみならず最も好しくない火花放電の頻發する惡現象が生ずる事及此現象の學理的考察,(ハ) 此の惡現象を除く方法即ち瓦期のConditioning等を述べた。(V) 浮塵の粗細度と電氣收塵の難易…理論的説明は行はず上本保君の實驗結果を拜借して浮塵が細い程收塵困難なる點を示した。 (VI) 電氣收塵用電機に就て並にラヂオ關係…(1)(イ)「電氣收塵器なるものは電氣的にどんな負荷と見倣すべきか」,(ロ) 收塵器の電氣的負荷としての特性が,處理せられる瓦斯及浮塵の物理的並に化學的性質に依つて左右せられるものであるから收塵器の種類に依つて異るばかりでなく一收塵器でも其の前部と後部とで異るものである事等を略説して,結局收塵用電機の特性は決定困難である事,然し特高電壓を發生する攣壓器は比較的鈍感のものがよい事,回路常數を任意に調節し得る様なR及Lを附屬せしめ收塵器の試運轉に際し其の器に最適應する回路定數を決定するのが最良である事等を述べた。(2)適當な對應策を講じなければラヂオ聴取を防碍する事の激甚な事,之を完全に豫防する手段及完全豫防の可能な事等を述べた。(VII) 結言…電氣收塵に對して最考慮を要すべき點各名士の教示に對する謝意,盲評の御詑び等,以上。
抄録全体を表示