東京電力では昭和30年4月から昭和43年9月末日までに鉛被の欠陥に基づく漏油が37件発生した。このうち5件は純鉛鉛被に発生し, 残りはE合金鉛被に発生した。前者は鉛不足時代に製造した純鉛鉛被に発生したものであり, 後者は工事合理化のため採用したE合金鉛被が現在の量産製造技術には必ずしも適切でなかったために生じたものである。現象的には, 前者の場合ストップマークの横割れ1件 (外部鉛被のため漏油なし) を除いてすべてケーブル軸方向の縦割れであり, 後者の場合は縦割れまたは鉛被円周方向の横割れである。
この論文においてはこれら鉛被き裂の現象, 原因, 諸特性について述べ, 現在採用している対策についてもふれた。
抄録全体を表示