1936年6月19日の北海道に於ける皆既日蝕に際して北海道旭川市で行つた電離層測定の結果を報告したものである。
實驗は3.2~18.6Mcの周波數の電波を用ひて各層の臨界周波數を測定したものであつて,その結果E層及びF1層に關しては從來の日蝕實驗結果と略同様の結論を得た。F2層に對する日蝕の影響はE層或はF1層に於けるが如く明瞭でない。而して19日に發生した強烈な磁氣嵐の影響も加はつて,日蝕當日のF2層は書間殆ど常に或る種の擾亂に支配されてゐる事が看取された。
尚中性微粒子の影響に就いては之を積極的に確認せしめる如き實驗結果は何等得られなかつたが,之に何等かの關係があると思考される二三の事實を指摘した。
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