三相補償誘導電動機
誘導電動機の力率補償法として現在種々の方法が實施されて居るが、容量の小なるものては補償手段を電動機體内に併合せる形式のものが設計的考察からして經濟である事が述べられ、次に斯かゝる見地から小容量のものでは補償誘導電動機は所謂高力率の誘導機として都合の宜敷しいものであると云はれてゐる。
其一型式を引用して、ベクトル圖を構成して一般的の説明を爲し、次に特性計算の一方法を示して實用上都合の良い計算順序を例示し、其計算法に依つて刷子角度の種々のものに於て特性を計算し、其結果を總括して刷子角度の斯種電動機の特性に及ぼす影響を研究して最良好の刷子角度の意味が明示されてゐる。計算は試驗に供せし電機から所要の常數を取り而して其計算結果は其試驗機の算術試験の結果と比較して、以つて本計算法に依つて補償電動機に於ても其特性決定の爲めに特に負荷試驗を行はずとも單に損失試驗のみにて充分である事が示されてゐる。
斯種電機の一次電流には一般に高調波の含まれる性質がある事を述べられ、試驗機に於て取れるオスシログラムを添付し、尚ほ補償誘導機を補償發電機とせる場合が簡單に考察されてゐる。
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