二個の圓軸圓輪間に存在する靜電容量を計算すべき表式を導來し、又實際に圓輪半徑及び導線半徑をにする十二對の同半徑同軸圓輪間の靜電容量を測定し、同輪間の距離が甚だしく小ならざる場合には測定値と計算値とが殆んど一致することを述べてある。又圓輪間の距離が甚だ小なる場合には、圓輪と等長の並行導線間の靜電容量を表はす簡單なる計算式が却つて良く實測値と一致することを認めて居る。Curve (4)(5)(6)は以上の關係を示して居る。
以上の如き結果は種々なる方面に應用せらるるであらうが、例へば高周波振動回路の諸部分に存在する標遊靜電聯接作用やコイルの固有容量や強電流用特別高壓變壓器の高周波特性等の研究には多少の參考にならうと思はれる。
本論文は下記の順序に依りて記述する。
(I) 一般表式
(II) 弧立圓輸の靜電容量
(III) 二個の同形同軸圓輪間の靜電容量計算
(IV) 實驗
(V) 實測値と計算値との比較
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