Kennelly-Heaviside層の性質と氣象状態との關係を知るため,フェーヂングの自動連續記録裝置を製作し,昭和七年一月より同年十一月に至る間,59回,東京に於て大阪放送局(JOBK)の放送電波のフェーヂングを記録した。斯くして得られたフェーヂングの型は頗る多種多樣であるが,是を三種に大別し,各型の現るゝ件數と種々なる氣象要素との關係を求めてみたが,フェーヂングと氣象状態との關係は一般に頗る複雜で,唯フェーヂングの型に多少四季的變化の存在する事が認められるのみである。從つてKennelly-Heaviside層(E層)は低氣壓上に現れ,高氣壓上には現れぬと云ふColwell氏の得た結果は此の複雜な關係の極めて特殊な簡單な場合と思はれる。
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