日本応用動物昆虫学会誌
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16 巻, 3 号
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  • 樹木園における生存曲線と死亡要因
    古田 公人
    1972 年 16 巻 3 号 p. 121-126
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    潜伏発生の昆虫個体群に働く環境抵抗を,接種によって人為的に野外に構成した個体群を解析することにより検討した。
    1971年,札幌市豊平区美園の林業試験場北海道支場樹木園に接種したマイマイガ個体群は,3齢末期から始まったカラフトスズメなどの鳥の捕食によってほぼ絶滅するほどまでに減少した。捕食は多くの鳥で観察されているように,最初は木1本あたりの生息数に無関係に生じたが,その後すぐに密度依存的となり,接種をくり返えして幼虫を追加すれば,6齢までそのまま密度依存的に経過した。
    鳥による捕食以外にブランコサムライコマユバチ,ヤドリバエの1種による寄生が認められたが,それらは量的にも少ないうえに,鳥の捕食のあとに死亡をひき起こすため重要な要因とは考えられなかった。
  • とくに分布構造の面から
    池本 孝哉
    1972 年 16 巻 3 号 p. 127-138
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ミカンハモグリガ幼虫個体群のほ場における分布構造を明らかにすると共に,分布形成過程や死亡過程の解析を通じて,本種個体群の空間的な動態の特性を検討した。
    1) 幼虫分布の基本単位は個体ではなく,ルーズなclumpであり,これは雌成虫による産卵が,1本の新梢に続けて行なわれることに由来していると思われる。このようなclumpがほ場内では集中的な分布をしているが,これは雌成虫の産卵活動の集中性と共に,樹あたり新梢数の変異など,環境の異質性に影響されるためであろう。
    2) 1本の樹の中での葉あたり卵の分布は,密度が低いと一様的で,密度が高くなると集中的となる。これは雌成虫が既産卵葉をさけて産卵する性質をもっていることと,それぞれの葉に異質性があることの複合された結果であると思われる。葉あたり幼虫分布はポアソン分布に近い形となったが,産下卵の分布様式に対して個体単位にランダムな死亡が起こった後,幼虫がふ化したことからも説明される。
    3) 幼虫後半期と蛹期に起こった死亡過程は,ほ場全体の個体群密度に関しては密度依存的な傾向をもっている。これに対し,局所的(樹,梢,葉単位)な個体群に関しては,幼虫期,蛹期ともそれぞれの密度にあまり関係なく,またall-or-none的傾向を示しており,個体群密度の局所的な変異を増加させている。
  • 飯塚 宏栄, 金沢 純, 宮原 和夫
    1972 年 16 巻 3 号 p. 139-147
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    水田におけるBHCの動向を調べるために,ポットおよび圃場について,土壤,玄米,わらのBHC残留量を数年間にわたって測定した。
    1) 分析法は,風乾,粉砕後アセトンで抽出し,ヘキサンに転溶,フロリジルカラムで精製して,ECDガスクロマトグラフにより定量した。
    2) ポットの土壤にBHC粒剤を処理した場合,BHCは稲体に浸透移行して玄米中に0.04∼0.23ppm蓄積された。粒剤との接触期間が長いほど玄米中のBHC残留量は増加した。わらの残留量は土壤の残留量より高い場合があった。
    3) 佐賀および香川農試の水田において,玄米および土壤中のBHC残留量を調べたところ,玄米のBHC残留量はその圃場の散布歴ばかりでなく,周囲のBHC使用状況や,土壤蓄積量に大きく影響されることがわかった。玄米中の残留量はBHCの使用を中止した後,1年間に1/3∼1/5に減少した。
    4) 土壤のBHC残留量の対数と,玄米のBHC残留量との間には,一次の相関関係があった。異性体間ではδ-BHCの土壤から稲体への吸収率が最も高かった。土壤残留量が同レベルの場合は,土壤の腐植含有量が高い佐賀の方が香川より,玄米中のBHC残留量は低かった。
    5) 土壤の深度別調査により,BHCは大部分約10cmまでの表層に残留し,機械的混合がないかぎりほとんど下層に浸透しないことがわかった。
    6) 玄米,わら,土壤に残留するBHCの各異性体の割合は原末組成と非常に異なっており,残留BHCのβ/γを原末組成のそれと比べると,約10倍になっており,β-BHCの残留性がとくに高いことを示していた。δ/γは原末のδ/γの数倍であった。α-BHCは原末組成に比べ常に低い割合で残留しており,γ-BHCは原末よりやや低い割合で残留していた。
  • 犬飼 哲夫, 門崎 允昭
    1972 年 16 巻 3 号 p. 148-151
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    To determine the age of the bear, the so-called cementum-layer aging technique of the teeth has been tested for grizzly, Ursus arctos, and black bear, Ursus americanus, by many American researchers. We successfully applied the same technique for age determination of Yeso brown bear, Ursus arctos yesoensis, which inhabits Hokkaido, Japan. The animals examined consisted of 8 captive bears of known-age and 2 wild bears of unknown-age but adult. The fourth premolar teeth P4 and sometimes the canines were extracted from the skulls which were removed from freshly killed bears and cleaned for analysis. Thin longitudinal sections of the teeth were made for examination. When stained with hematoxylin, dark-staining layers (annuli) appeared in the section as reported for Amercian bears. The teeth of a yearling show no annulus. After the first year there appear different stained cementum layers, namely 1 annulus in the individual older than 1 year, 2 annuli in ones older than 2 years and so on. The oldest female adult we tested was 11 years 11 months old, having 11 annuli in both the fourth premolar and in the canine.
  • 井上 智広, 斎藤 哲夫
    1972 年 16 巻 3 号 p. 152-154
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 加藤 勉
    1972 年 16 巻 3 号 p. 154-156
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ミカンハダニの葉内における季節的な行動について調査した。その結果,秋季には葉裏の生息割合が夏季よりも増加するばかりか,葉脈に沿った葉内の溝部への移住傾向も強まった。また,この季節には溝部と他の平坦な葉内の面部との間を往復するハダニの日週移動が認められた。この溝部は突起する葉脈に沿い低温期におけるハダニの寒風からの逃避場所となるものと思われる。秋季におけるミカンハダニの行動は,葉裏や溝部への生息割合を高める点において夏季よりも殺ダニ剤の接触効果を減退させる可能性がある。
  • 湯原 巌
    1972 年 16 巻 3 号 p. 156-157
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 林 晃史, 藤村 みつ子
    1972 年 16 巻 3 号 p. 158-159
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 村越 重雄, 櫟本 五男
    1972 年 16 巻 3 号 p. 159-161
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 岩田 俊一
    1972 年 16 巻 3 号 p. 162-163
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 宮原 義雄
    1972 年 16 巻 3 号 p. 163-165
    発行日: 1972/09/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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