有機リン剤とカーバメート剤に複合抵抗性を示すトビイロウンカ野外個体群(T)をcarbarylまたはpropoxurで12世代連続淘汰してえられたRcおよびRp系統の各種薬剤に対する抵抗性レベルと抵抗性スペクトラムを親個体群(T)と比較した。
Rc系統ではcarbarylのLD
50値がT個体群より約4倍増大し,他のカーバメート剤でも2∼4倍の増大がみられた。この系統においては,diazinon, cyanofenphosとisoxathionのLD
50値の変化はみられなかったが,dimethylvinphos, tetrachlorvinphos, monocrotophos, propaphos, fenthion, pyridaphenthion, EPN, disulfoton, malathion, dimethoate, phenthoateとmecarbamのLD
50値は2∼4倍増大した。
Rp系統ではpropoxurのLD
50値がT個体群より5倍増大し,他のカーバメート剤に対するLD
50値もRc系統とほぼ同程度に増大した。また,dimethylvinphos, propaphos, isoxathion, EPN, disulfoton, malathion, dimethoate, phenthoateとmecarbamのLD
50値は2∼11倍増大したが,fenthion, fenitrothionとmonocrotophosでは変化がみられなかった。
RcとRp系統はpyrethrinsと有機リン系殺菌剤(IBPとedifenphos)に対する感受性が多少低下した。Rc, Rp両系統とも親個体群(T)と類似の抵抗性スペクトラムを示した。
抄録全体を表示