日本応用動物昆虫学会誌
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30 巻, 3 号
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  • 田尾 政博, 古澤 幹士, 砂川 邦男
    1986 年 30 巻 3 号 p. 167-172
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    ウリミバエの蛹を27°C, 30°C, 32°Cおよび34°Cの温度に置き,それから羽化した成虫について蛹期の高温の影響を調べた。
    1) BOLLER et al. (1981)の方法に準じて成虫の飛翔能力を測定したところ,処理温度が高くなるに従い飛翔できる成虫の割合が減少した。また,腹部が異常に大きくなったり,翅がちぢれた個体の割合が多くなった。
    2) 羽化率には27°C, 30°Cおよび32°C区間で有意差はなく,34°C区では他の区に対して有意に低下した。
    3) いずれの区も羽化後3日目ころから卵巣が発達しはじめ羽化後25日目には全温度区の全生存個体が完成卵をもった。34°C区のものが途中他の区に比べ発育がおくれる傾向があったが,蛹期温度のちがいによる卵巣発育への影響は顕著ではなかった。
    4) 27°Cと30°C区のものは同程度の交尾率であったが32°C区では半数以下,34°C区ではほとんど交尾せず,32°C, 34°Cおよびそれ以外の処理区間で有意差があった。また雄は雌よりも高温障害がでやすいことがわかった。
    5) 飛翔できない成虫は餌がとれない条件の下で羽化後2か月目の生存率は,27°C区では75%以上,30°C区では50%,32°C区で10%であったが34°Cになると羽化後5日目ですでに30%に低下した。
  • 桑名 幸雄
    1986 年 30 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    大阪のブチヒゲヤナギドクガを用いて,休眠の光周反応に関する基本的な研究を行った。また,大阪,姫路,岡山,倉敷,松本,会津若松,秋田および札幌の個体群を用いて,光周反応の地理的変異を調べ,近畿に分布する個体群の由来を考察した。
    1) 長日型の光周反応を示し,20∼30°Cの温度範囲内では,臨界日長の温度依存性は認められなかった。
    2) 卵後半期から3齢の休眠直前まで日長感受性が認められた。また,この期間中にとくに感受性の強い時期はなかった。
    3) 大阪,姫路,岡山,倉敷,松本の個体群の臨界日長は14時間15分から30分であり,光周反応型はすべて同一であった。
    4) 秋田の個体群の光周反応は,1化型を示し,22時間の長日下でも73%が休眠した。
    5) 札幌の個体群はむしろ大阪のものに近く,臨界日長は15時間40分を示した。
    6) 松本以西の個体群は,同一起源のもので,戦後韓国南部より神戸または大阪に移入された可能性が強い。
  • XII. ナスおよびピーマンにおける被害解析
    河合 章
    1986 年 30 巻 3 号 p. 179-187
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    施設栽培のナスおよびピーマンにおけるミナミキイロアザミウマの密度と被害の関係を明らかにすることを試みた。収穫期間(ピーマンでは収穫期間の一部)の密度を一定に保つように,ビニルハウス内に各4段階の密度条件を設定し,寄生密度の違いが収穫量,傷果の発生に及ぼす影響を調べた。
    1) ナスでは,葉当り成虫数と幼虫数の間に高い正の相関が認められ,成虫数のみの調査で幼虫数の推移も推定できるものと考えられた。ピーマンでは,花当り成虫1頭以下の低密度時には葉への寄生はみられず,また,花では幼虫の寄生はきわめて少ない。このため,調査部位として花が適しており,成虫数の調査が望ましい。
    2) ナス,ピーマンとも,収穫量は密度にかかわらず一定であったが,ナスでは葉当り成虫数の対数値,ピーマンでは花当り成虫数の対数値と傷果率との間に高い正の相関が認められ,傷果を除いた健全果の収穫量との間には高い負の相関が認められた。
    3) 健全果収穫量の5%および10%減少に対する被害許容密度は,ナスではそれぞれ葉当り成虫0.08頭および0.17頭,ピーマンではそれぞれ花当り成虫0.11頭および0.24頭と推定された。
    4) 小さな傷を許容することにより,被害許容密度は大きな値となった。
  • 島村 玲郎, 渡部 仁
    1986 年 30 巻 3 号 p. 188-195
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes sp.)の昆虫ポックスウイルス罹病幼虫組織を電子顕微鏡により観察した結果,鱗翅目昆虫や直翅目昆虫を宿主とする昆虫ポックスウイルス(genus B)と類似した構造をもつ楕球状ウイルス粒子(大きさの平均:250×310nm)が認められた。感染細胞の細胞質内には形態形成途上と考えられる多様な構造をもった粒子があり,viroplasmの出現とその三日月状envelopeへの充填,envelope完成後の粒子内におけるcoreとlateral bodyの分化,スパイク状envelopeの完成といった一連のウイルス形態形成過程が認められた。
    また,細胞質中の小胞体とリボゾームよりなる渦状構造において,紡錘体状封入体(microspindle)(平均長軸長:255nm)が形成された。
    封入体(spheroid)は,ウイルス粒子,microspindleおよび特徴的な繊維状物質の集積によって形成された。spheroid内では,包埋されたウイルス粒子のenvelopeの桑実状への変化,lateral bodyやcoreの電子密度の変化,core内容の繊維状から綱状への変化,といったウイルスの成熟過程が観察された。成熟を完了したspheroid内のウイルス粒子の大きさは,平均170×210nmに縮小していた。
  • 平井 一男
    1986 年 30 巻 3 号 p. 196-199
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
    Using the data on % damaged beans of soybean by the soybean podborer (dependent variable), a multiple regression equation was computed using independent variables based on the five-day mean temperature and cumulative precipitation for about eleven and half months from hatching (assumed as Sep. 1) to just before emergence (assumed as Aug. 15), and other independent variables over an 18-year period. A multiple nonlinear regression equation with the highest coefficient of determination, 0.927, was obtained by using the difference in arc sine transformed % damaged beans between the previous and the said year (Y) as the dependent variable, the sum of the five-day precipitation with r>0 (Z1) showing the positive correlation with % damaged beans, two variables of sum of the five-day temperature with r>0 and with r<0 (Z2, Z3), showing the positive or negative correlation with % damaged beans, and the arc sine transformed damaged beans of the previous year (Z4) as independent variables. Standard partial regression coefficients of Z4, Z1, Z2, and Z3 were-0.73, 0.42, -0.26, and 0.20, respectively.
  • 横井 直人, 吉井 太門
    1986 年 30 巻 3 号 p. 200-201
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • 茅 洪新
    1986 年 30 巻 3 号 p. 201-204
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • I. 寄生バエ
    後藤 千枝, 筒井 等, 早川 博文
    1986 年 30 巻 3 号 p. 204-205
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
  • II. 寄生バチ
    後藤 千枝, 筒井 等, 早川 博文
    1986 年 30 巻 3 号 p. 205-207
    発行日: 1986/08/25
    公開日: 2009/02/12
    ジャーナル フリー
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