フェノール廃水をβ-PbO
2あるいはグラファイト (一部使用) を陽極に, ステンレス板 (SUS 316) を陰極にもつ無隔膜電解槽で酸化分解した.電流効率に与える陽極電位およびフェノール濃度の影響について実験的検討を行った.電流効率および耐久性の点からもβ-PbO
2がグラファイトより優れていた.β-PbO
2を陽極に用いた場合, フェノール濃度5.0mol・m
-3以上, 陽極電位15V以下で, フェノール酸化電流効率は30%以上となり限界値50%に達した.
酸化生成物の分析から, フェノールは電解酸化され, ハイドロキノン,
p-キノンを経て逐次的に酸化され, 有機酸であるマレイン酸に分解し, その結果CODが低下することがわかった.
直接電解法は, 高濃度フェノール廃水を約5.0mol・m
-3程度に低減するための前処理用として有効であるものと思われる.
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