結核
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80 巻, 4 号
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  • 御手洗 聡
    2005 年 80 巻 4 号 p. 349-358
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    〔目的〕当委員会では抗酸菌検査の精度管理に関する研究を2001年度より実施しており,2003年度は検査センターを対象として薬剤感受性試験の外部精度アセスメントを実施した。〔方法〕月平均20件以上の薬剤感受性試験を実施している23施設について耐性既知の結核菌10組20株を送付し,各施設が通常実施する方法で薬剤感受性試験を行い,結果を標準判定と比較した。〔結果〕INHでは感度の平均が95%(29~100),特異度の平均が100%,一致率の平均が97%(50~100)であった。またRFPでは感度の平均が95%(63~100),特異度の平均が99%(67~100),一致率の平均が97%(70~100)であった。SMでは感度の平均が66%(33~100),特異度の平均が94%(64~100),EBでは感度の平均が96%(33~100),特異度の平均が74%(57~86)であった。〔考察〕今回の参加施設ではINHおよびRFPについて平均としてWHO/IUATLDの基準を満たしており,良好な結果であったが,施設によって結果にばらつきがみられた。外部精度アセスメントの繰返しと改善活動が重要である。
  • 鈴木 裕太郎, 野崎 裕広, 中西 和夫, 高納 崇, 吉本 鉄介, 西脇 敬祐
    2005 年 80 巻 4 号 p. 359-364
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は81歳男性。上腸間膜動脈塞栓症による全小腸・右側結腸切除後の短小腸症候群にて当院外科通院中。徐々に進行する意識レベル低下,食思不振にて当院外科入院。入院後,喀痰抗酸菌塗抹(±)(G1)および急性呼吸不全が出現し,当科へ転科。汎血球減少,CRP上昇,低蛋白血症を認めたが,HIV抗体は陰性であった。入院時より胸部X線写真およびCT上両側全肺野のびまん性小粒状影,喀疾抗酸菌培養にてMycobacteriumkansasii(以下M.kansasiiと略す)検出。骨髄穿刺組織で乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫形成を認め全身播種型M.kansasii感染症と診断し,抗結核剤(HRS)の早期投与にて救命しえた。呼吸不全の増悪は心不全の合併も原因の1つであった。本症例は,短小腸症候群による栄養不良が発症原因と考えられた。今後,本症の発症頻度増加が予想され,鑑別診断として念頭におく必要があると考える。
  • 伊藤 邦彦
    2005 年 80 巻 4 号 p. 365-379
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    HIV陰性者における外来性再感染に関する知見を整理するため可及的網羅的な文献のreviewを行った。その結果以下の推論を得た。(1) 外来性再感染は一概に稀とされるような質的問題ではなく,そのriskが宿主側因子のみならず,菌側因子,暴露状況等によって決定されるような量的問題である。外来性再感染による結核は免疫抑制者や高齢者等の特別な宿主のみに起こる現象ではない。(2) 同様の結核菌暴露を受けた場合,既感染者は未感染者に比して発病し難いのは事実であるが,その防御効果は最適な状況下でのBCGのそれとそれほど変わらない可能性すらある。未感染者と既感染者が同等の結核菌暴露を受けた場合,それ以前に未感染であった者の発病率に対する,既感染者の外来性再感染による発病のrelativeriskは85%以上と推測される。(3) 既感染者の発病のほとんどが内因性再燃であるとは一概に結論できない。
  • 2005 年 80 巻 4 号 p. 381-390
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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