1) ウナギを21.0~28.7kg収容した32m
2 (8×4m, 水深0.86m) のコンクリート水槽2面について1日の酸素の収支を推定した。
2) 昭和56年8月5日~6日, 14日~15日および20日~21日の3回, 飼育水の日周変化を観測すると共に, 飼育水, 水槽側壁, 水槽底の酸素の生産と消費を明暗瓶法またはこれに準じた方法を用いて1昼夜測定した。
3) 井上ら (1973) の式を多少改変し, 上記の各項目の測定値およびウナギの酸素消費量を代入し空中よりの溶入および空中への放出量を算出し, 1日の酸素の収支を推定した。
4) 酸素の生産は, 水槽および観測毎に多少の数値の増減はあるものの, 飼育水中の植物プランクトンの光合成が最も大きく (51.1~76.2%) , 次いで空中からの溶入 (20.9~41.1%) となり, 水槽壁の付着藻類による生産は最も少なかった (0.2~3.6%) 。
5) 酸素の消費は, 水車の設置されているP-1では飼育水 (32.4~50.0%) , 空中への放出 (18.8~31.5%) , ウナギ (16.3~21.8%) , 水槽底 (8.5~10.5%) , 水槽側壁 (8。9~10.5%) の順であった。通気のなかったP-2ではウナギの消費 (40.1%) , また60
l/minの通気のあったP-2'では水槽底の消費 (28.2~28.7%) がそれぞれ最大であった。
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