水産増殖
Online ISSN : 2185-0194
Print ISSN : 0371-4217
ISSN-L : 0371-4217
30 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 成長および血液状に及ぼす影響1)
    中川 平介, 稲塚 洋一朗, 山崎 繁久, 平田 八郎, 笠原 正五郎
    1982 年30 巻2 号 p. 67-75
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/09/07
    ジャーナル フリー
    養殖ハマチの生理状態に及ぼすクロレラエキス添加飼料の効果をみる目的で, クロレラエキスを生餌に0.3%添加して (試験区) 6か月飼育し, 対照区と比較した。また3か月目に採血を行い血液性状を比較した。
    1) クロレラエキスは成長については効果はないが, 体色, 体形に良好な効果を示した。
    2) 対照区は採血の過程でヘマトクリット値の異常な上昇が生じたが試験区では変化が少なく, クロレラエキスの投与は魚の外部からの刺激に対する対応性が強まることを認めた。
    3) 血清脂質中の過酸化脂質含有量は試験区で低く, 血清タン白質量, 血清脂質量, 血清アルブミン量が濃厚であることからクロレラエキスが有効に作用したものと考えられる。
    4) 試験区は対照区に比べ, 血清脂質/血清タン白質比が低く, 血清中のアルブミン性リポタン白質の比率が高いなど, 脂質に関係した測定項目に明瞭な差を認めたことから, クロレラエキスの投与は特に脂質代謝になんらかの変化を生じせしめていることが示唆された。
  • 血液性状からみた負荷 (空気中放置) 抵抗力への効果
    中川 平介, 熊井 英水, 中村 元二, 笠原 正五郎
    1982 年30 巻2 号 p. 76-83
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    15.6g前後のハマチを供試材料とし, 試験区は飼料にクロレラエキスを1%添加, 対照区は無添加としてそれぞれ40日間飼育し, 血液成分, 筋肉の一般組成に与えるクロレラエキス添加の影響を調べた。更に両区のハマチを空気中に放置した場合の時間経過に伴う血液成分の変動からストレスに対する両区の魚の感受性を比較した。
    1) クロレラエキス添加により血漿タン白質と血糖値が増加する一方, 血漿脂質/血漿タン白質比が低下し, 筋肉の粗脂肪含量がわずかに減少した。
    2) 空気中に放置された魚の血液成分の変動をみると, 両区ともヘマトクリット値, ヘモグロビン, 血糖値, 乳酸量, 血漿タン白質, 血漿アルブミン, 血漿脂質の直線的上昇が認められたが, 対照区と試験区の変動に差があったことから, クロレラエキスは魚の負荷に対する抵抗力の増加に効果のあることが推察された。
  • 遊離硫化水素に対する反応について
    坂井 英世
    1982 年30 巻2 号 p. 84-87
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 廃棄貝殻 (マガキ, アコヤガイ) の粉末を, 自然環境 (加茂湖) で発生した遊離硫化水素含有水を試水として投入し, その反応実験を行った。
    2) 貝殻主成分の炭酸カルシウムと遊離硫化水素とが, 経日的に緩やかに反応して遊離硫化水素量を減少したが, 急速な反応はみられなかった。反応状況からみて一応の有効性が認められた。
    3) 3回の実験経過では, 室温が高い場合の方が両者の反応を促進する傾向を示した。
    4) 廃棄貝殻粉末を希塩酸で処理し, 可溶性分量を求めるとマガキ96.8%, アコヤガイ91.2%であった。
  • 隆島 史夫, 杉山 千洋, 鳥羽 正美, 石井 重男
    1982 年30 巻2 号 p. 88-98
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    人工採苗アユ仔魚を対象として相対成長様式を検討した。その結果, 多くの部位が全長10mm付近までは劣成長を示し, その後優成長へ転じることが明らかとなった。また, 部位差はあるものの, 全長15mm, 20mm, 30mmの前後にそれぞれ成長屈折が認められ, いずれも骨格系の分化や急速な発育時期と対応していると判断された。なお, 相対成長式に基づいて体形異常値の範囲設定を試みた。
  • ―内浦湾におけるムラサキウニの殻径組成と温排水*
    安田 徹, 堀 俊明, 川代 雅和
    1982 年30 巻2 号 p. 99-105
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1976年から1980年に至る間の6月を中心にして, 内浦湾の3定点で1.3m水深帯のムラサキウニを採集し, それらの殻径組成を調査して, 下記のような知見を得た。
    殻径のモードや平均値を各定点・水深帯別に比較したところ, 排水口に近いSt.1では湾口のSt.3より大型であり, 特に1mの水深帯でこの傾向が顕著であった。
    この事実から, 温排水は当海域の排水口から500m前後の浅海部に分布するムラサキウニに対して成長を促進させるような影響を与えるものと推察された。
  • ―内浦湾におけるムラサキウニの殻径と生殖腺重量および温排水*
    安田 徹, 堀 俊明, 川代 雅和
    1982 年30 巻2 号 p. 106-114
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1976年から1980年までの6月中・下旬に, 内浦湾内の3定点で1, 3m水深帯に分布するムラサキウニを採集し, 殻径と生殖腺重量を測定して両者の関係を検討すると共に, 最終年度には雌生殖腺の色調についても調査した。
    その結果, 1978年を除き排水口に最も近いSt.1では生殖腺重量値が著しく大きく, 殻径との関係も直線的で他の2地点とは明瞭な相違が認められた。
    この事実は, 排水口から500m前後の1~3m水深帯に生息するムラサキウニに対し, 温排水は産卵を抑制するような影響を与えるものと推察された。しかし, 生殖腺の品質を色調からみた限りでは, 特に品質の悪化または低下現象は認められなかった。
  • 混合製剤のコイに対する毒性
    西内 康浩
    1982 年30 巻2 号 p. 115-118
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 立石 賢, 森 勇, 桑岡 亦好
    1982 年30 巻2 号 p. 119-125
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    長崎県鰺曽根水域における1978年春季の, マダイ生殖腺の熟度および漁獲量と年令組成の旬別変化から, マダイの産卵について次のような結果を得た。
    1) 成熟可能魚の平均生殖腺重量比は, 3~4月に雌で35~52, 雄で29~61, 成熟個体数の割合は雌雄とも3月下旬に100%となり, 雌の74%の個体で透明卵が認められた。また, 来遊群の漁獲量は3月下旬~4月下旬が盛漁期で, その年令組成は3月中旬から5月上旬にかけて, 4才以上が77%以上を占めた。
    2) 鰺曽根水域は産卵場であることが確認され, 1978年の当水域における産卵期は3月上旬から5月上旬であり, その盛期は3月下旬~4月下旬と推察された。
    3) 産卵期には生殖腺熟度の発達, 漁獲量の増大, および高令魚の増加が相関していることから, 生殖腺熟度の観察をすることなしに, 漁獲量および銘柄組成の変化によって, 産卵期, 産卵場が推定できると判断された。
    4) 当水域における産卵期の水温および塩分は, それぞれ14~17℃, 34.6~34.7‰であった。産卵期は水温と密接に関連していることから, 毎年の産卵期の遅速は水温の変化により予測されると考えられる。
  • 堤 眞治
    1982 年30 巻2 号 p. 126-130
    発行日: 1982/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top