水産増殖
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21 巻, 2 号
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  • 佐藤 隆平, 坂本 竜雄, 大場 嘉夫
    1973 年 21 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 坂井 英世
    1973 年 21 巻 2 号 p. 50-54
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1) 本実験は深海産のホッコクアカエビの資源対策を検討するために, 利用の段階で廃棄されている抱卵エビの卵を対象に, 昭和47年2月21日漁獲後移送した斃死エビから卵を採取して, 人工ふ化と初期の幼生飼育を行なった。
    2) 抱卵エビは保冷器を用いて, 砕氷を添えたビニール袋に, 0~0.2℃の低温を保ちながら延8時間を要して移送したが, 母体が斃死状態にあったにもかかわらず, 十分に活卵として本実験に提供できた。
    3) 人工ふ化は3~5℃を保つ小型低恒温装置内に大型のシャーレをセットして, この中に卵を収容しながら行ない, ふ化幼生の飼育には同装置内にセットした内部濾過循環式水槽に放養して行なった。
    4) 実験卵は, 卵の熟度が橙黄色に進んだ斃死抱卵エビを選び, この1尾から活卵2, 930粒を採取し, 4月10日までに917尾のふ化幼生を得た。ふ化率は31.2%であった。
    5) ふ化幼生はメタゾエアの形態を示し, 体長は約6mmの大きさを有した。
    6) ふ化当初の幼生の浮游姿勢は, 仰けの状態で脚を活発に振り動かす動作を示したが, 急な遊泳には尾部の屈伸運動により行なった。
    7) 幼生の浮遊は遮光状態におくと, 昼夜の別なく浮遊する幼生を多く観察し, 負の走光性を示した。
    8) 幼生の初期餌料にイガイのすり身を与えたが, 幼生がこれを索餌する行動を認めた。しかし餌料の適否については明らかにできなかった。
    9) ふ化幼生を得てから全数死滅するまで, 延80日間の飼育実績を得たが, 飼育期間に原因不明のまま減耗をもたらした。これは使用した飼育装置がもたらす環境の相違の他に, 供給した餌料の適正にも問題があったものと推測した。
    10) 今後の検討課題をあげるならば, (1) 採卵方法の省力化, (2) 大量収容のふ化器の開発, (3) ふ化幼生の採集方法の能率化, (4) 長期間を簡易に管理できる飼育装置の開発, (5) 低水温に対応できる活餌料生物の培養, および配合餌料の開発がある。
  • 柏木 正章, 大川 重三
    1973 年 21 巻 2 号 p. 55-57
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 広瀬 敏夫, 千代川 泰三, 坂下 利光
    1973 年 21 巻 2 号 p. 58-61
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    エゾアワビの早期採苗について, 3ケ年にわたり水温と日長などの処理実験を追試し, 次の結果を得た。
    1.20℃前後の適水温のもとでは, 成長に対する長日と短日の日長効果に明瞭な差は見出せなかった。
    2.単なる適水温飼育よりも, 短日などの日長処理の組み合わせ飼育が, 明らかに成長・成熟・放精卵に対する著しい促進効果を示した。
    3.その効果は, 飼育期間と給水量の増加によって一層高められる。
    4.特に最終年には, 天然産卵期に対し短日加温飼育で5旬, 加温飼育で1旬の産卵促進が実証され, かつその受精卵から得た種苗は成長, 生残に好結果をもたらした。
    5.常温下では適量の給水飼育でも, 短日加温飼育や加温飼育に比べ, 前記一連の効果は著しく劣る。
    6.成長に対する飼育密度は, ある範囲で密度効果のあることがわかった。
    7.本実験によって, エゾアワビの種苗生産がより計画的に遂行できることが示唆された。
  • シロサケ稚魚の食害魚としてのウキゴリの習性について
    網田 健次郎, 岡田 稔
    1973 年 21 巻 2 号 p. 62-64
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    サケ稚魚の河川内減耗要因である食害魚ウキゴリについて生態的知見を得た。
    1) ウキゴリは水生昆虫・シロウオ・サケ稚魚などの動物性のものを多く捕食している。
    2) ウキゴリは夜間に多く捕獲され, 昼間は殆んど捕獲されない。また夜間にサケ稚魚を捕食している。
    3) ウキゴリは川の川岸部よりは中心部でその大部分が捕獲された。
  • 人工生産稚貝の放流後の成長
    西村 和久
    1973 年 21 巻 2 号 p. 65-67
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    フクトコブシ人工生産稚貝の放流後の成長ならびに天然貝の成長について検討した。
    1) 人工生産の場合1年貝で28mm (殻長) , 2年貝で46mm, 3年貝で52mmに成長する。したがって, 東京都漁業調整規則にある商品サイズに達するのは1.5年以上と考えられる。
    2) 天然貝の場合は, 標識放流の結果から
    l (t) =63.51 (1-e-0.6949t)
    なる成長式が適用できる。そして, これによると1年貝31.8, 2年貝48.4, 3年貝55.6, 4年貝59.6, 5年貝61.6, 6年貝62.5mmと試算される。
    3) 両者の平均的成長を比較した場合, 人工生産貝は常に2~3mm小型であるが, これは放流前の成長の遅れに起因すると考えられる。
  • 吉田 俊一
    1973 年 21 巻 2 号 p. 68-70
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1.自然温度で屋内飼育したときの産卵期は5月中旬~7月下旬, その盛期は5月下旬~6月上旬である。
    2.産卵 (生殖型浮出) 期の水温は18~28℃で, とくに20~24℃のときに浮出することが多い。
    3.浮出は夜間に見られることが多く, 明暗や水圧, および月令との関係はみられない。
    4.産卵は温度・ホルモンなどの条件と関係があることを論議した。
  • 福所 邦彦
    1973 年 21 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    1971年の長崎水試増殖研究所におけるイシダイの種苗生産試験で, Artemia幼生がコペポーダ類の代替餌料となることが推察されたので, さらに検討するため'72と'73年に, 対照区に天然コペポーダ類区, Tigriopus区そしてArtemia幼生+Tigriopus区を設け餌料試験を行い, 次のような結果が得られた。
    1) シオミズツボワムシを給餌して全長6~8mmまで育成したイシダイ稚魚に, Artemia幼生を単独給餌して魚肉摂餌サイズ (全長12mm以上) まで, この間の歩留り50%以上で育成できる。
    2) Artemia幼生単独給餌の場合, 良好な成長とサイズの均等化に反して体色が黒化し, 活力が弱い現象が見られる。
    3) Tigriopusの併用給餌によって, 歩留りと活力の向上, そして体色の正常化が得られる。
  • コイの養成について
    佐々木 道也
    1973 年 21 巻 2 号 p. 76-79
    発行日: 1973/09/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
    (1) 水中燈に集積された動物プランクトン量と, コイの放養尾数別増重量との関係について検討を加えた。
    (2) 日間増重についての一般式は, 次のように表わされる。
    (a) F/N・K≧f′の時
    Σg= (2.559f′-0.169R) N
    (b) F/N・K<f′の時
    Σg=2.559K・F-0.169R・N
    (3) 霞ケ浦では, 水中燈1コで約7kg/月の生産量を得ることが出来る。
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