新規成分の農薬10種類, すなわち, カルビンホス, イソチオエート, 水酸化トリシクロヘキシルスズ (以上殺虫剤), バリダマイシン (殺菌剤), モリネート, アミプロホス, アシュラム, オキサジアゾン (以上除草剤), エスレルおよびステッケル (以上その他の薬剤) について8種の淡水産動物, すなわち, コイ, ヒメダカ, マルタニシ, レッドスネル, サカマキガイ, ミジンコ, セスジミジンコ, タマミジンコを供して, 急性毒性実験を行なった。
その結果, 殺虫剤では水酸化トリシクロヘキシルスズでコイやマキガイ類にたいしての毒性が強くあらわれた。また, カルビンホスはミジンコ類にたいする毒性が強いことがわかった。殺菌剤はバリダマイシン1種類を用いたが, これは原体や粉剤の毒性は弱いが, 液剤ではやや強い毒性を示した。
除草剤4種類は用いた淡水産動物にたいする急性毒性としては概して弱く, また, その他の薬剤としてとり上げたエスレルおよびステッケルの毒性は弱い。
なお, カルビンホスおよびアミプロボス処理区ではコイ, ヒメダカで, 横転, 背骨曲りの症状を観察した。
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