シロギス
Sillago japonicaの1細胞期の受精卵を水温(20,24,28,32℃)と塩分(23,29,35,45,50,55,60PSU)の組合せにおいてインキュベートし,正常ふ化率とふ化までの時間を測定した。32℃では,いずれもふ化しなかった。それ以外は,20℃-55PSUと20℃-60PSUの組合せを除き,ふ化がみられた。ふ化率は水温,塩分および両要因の交互作用の影響を強く受けた。応答曲面法により,ふ化最適条件は24.7℃-39.1PSU,このときの高温側LT
50は30.4℃,低塩分側LC
50は23.3PSU,高塩分側LC
50は54.8PSUと推定された。したがって,シロギス卵は広塩性と考えられた。インキュベート開始から卵の50%がふ化するまでの時間は17.3~45.2時間で,水温,塩分および交互作用の影響を受けた。ただし塩分の影響は水温のそれと比べて著しく小さかった。
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