水産増殖
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56 巻 , 4 号
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原著論文
  • 梅木 康太郎, 今井 正, 郷司 正彦, 小嶋 智一, 秋山 信彦
    2008 年 56 巻 4 号 p. 469-478
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    アユ仔稚魚を育成する際の給餌の目安となるように,仔稚魚が摂餌する餌料生物と配合飼料の大きさを調べた。標準体長6.5~15.8 mm の仔魚にワムシとアルテミアそれぞれ大小2つの大きさを同時に与えたところ, 7.0~7.9 mm では甲幅80~120μm のワムシ-S,8.0~9.9 mm では甲幅130~210μm のワムシ-L を仔魚が多く摂餌した。10.0~13.9 mm では体幅100~220μm のアルテミア-S に移行し,14.0~14.9 mm では体幅100~240μm のアルテミア-L が多く摂餌された。また,体長6.9~22.2 mm の仔魚に篩い分けて大きさを揃えた粒子の短径の最頻値が120μm,240μm,480μm の配合飼料をそれぞれ給餌した場合,480μm の飼料は,どの大きさの仔魚にも摂餌されなかった。120μm の飼料では体長7.0~12.9 mm の個体の摂餌量は10μg 以下と変わらなかったが,13.0~15.9 mm,16.0~18.9 mm,19.0~21.9 mm と仔魚が大きくなるにつれ摂餌量も10~20μg から50μg よりも多い量へと増加した。240μm の飼料では,体長7.0~18.9 mm の範囲では摂餌量は10μg 以下とほとんど変わらないが,19.0~21.9 mm では20~30μg に増えた。さらに,体長16.4~58.0 mm の稚魚に,粒子の短径の最頻値が300μm,480μm,920μm,1280μm,1490μmの5段階に篩い分けた配合飼料をそれぞれ給餌すると,摂餌量の多い粒径は,体長20.0~24.9 mm では300μm,25.0~34.9 mm では300μm と480μm,35.0~49.9 mmでは480μm と成長に伴い大きくなった。アユ仔稚魚の摂餌可能な餌料の幅を制限する要因は咽頭高と考えられたが,これらの餌料の幅を口径と比較すると37.1%以下であり,アユ仔稚魚はその口の大きさに対して比較的小さい餌料を摂餌することが明らかとなった。
  • 鈴木 祥広, 鈴木 孝彦, 鷺巣 勇士, 米加田 徹, 河野 智哉, 越塩 俊介, 横山 佐一郎, 酒井 正博, 伊丹 利明
    2008 年 56 巻 4 号 p. 479-485
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    飼育水浄化に泡沫分離プロセスを導入したクルマエビ用の閉鎖循環式飼育システムを利用して,限られた省スペース空間(飼育水槽1.1 m2)に雌雄のクルマエビ成体を放養し,交尾行動試験を実施した。試験に供した雄雌のクルマエビ(雌エビは交尾栓未保有)は,リアルタイム LAMP 法によって WSDV 陰性と判定された個体群から選抜した。交尾行動については,雌エビの腹面を観察し,交尾した際に形成される交尾栓の保有で判定した。飼育水の重要項目である溶存酸素は,酸素飽和度99%に維持され,アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素は0.2 mg-N/l 以下の極低濃度レベルに保持された。泡沫分離装置からは,濁質,色度成分,有機物質およびタンパク質および細菌を極めて高濃度に濃縮した泡沫が発生し,消泡して液体(泡沫分離液)となって回収された。本システムは,配合飼料と冷凍ゴカイのいずれを給餌した場合においても,飼育水を極めて良好な水質に制御できた。このような飼育環境において,試験を開始してから 1~2ヶ月以内に,雌エビの個体群の40%が交尾栓を保有した。なお,試験期間(105日)を通して,放養したすべての個体は生残し(生残率100%),摂餌活性も良好であった。また,試験終了後にウイルス検査したエビは,すべて WSDV 陰性であった。小規模の完全閉鎖系環境において,ウイルスフリーの交尾済みの雌エビすなわち親エビとなりうる個体を獲得できることが実証された。
  • 山元 憲一, 半田 岳志, 茅野 直登
    2008 年 56 巻 4 号 p. 487-491
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    タイラギを用いて,異なる水温下で,水中の酸素分圧を貝自身の酸素摂取で徐々に低下させて換水運動の変化を調べた。酸素飽和の状態では水温が高いほど,換水量と鰓に載せた小片の移動速度は大きな値を示したが,換水1回の排出水量はほぼ同じ値を示し,換水周期は小さい値を示した。低酸素下において,タイラギが換水運動を間歇型から連続型へ変化させた酸素分圧(mmHg)は,13°Cでは47.3,22°Cでは59.6,27°Cでは酸素分圧102.3と水温が高いほど高い値を示したが,鰓に載せた小片の移動速度は,間歇型から連続型の換水運動に変化させる酸素分圧よりも更に低下するまで酸素飽和の状態とほぼ同じ値を示していた。以上のことから,タイラギは,鰓の繊毛運動の活動度を変化させずに,外套膜の調節によって換水量を調節していると推測した。
  • 山元 憲一, 半田 岳志, 茅野 昌大, 白石 亮之
    2008 年 56 巻 4 号 p. 493-496
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    マナマコを用いて,小さな室を肛門に,カテーテルを体腔と総排出腔に設置して,呼吸樹での換水と体腔内圧に及ぼす水温の影響を調べた。水温が上昇すると,1回の吸入水量が増加し,1回の吸入時間および排出時間が短縮した。その結果,単位時間での換水の回数が増加し,単位時間で呼吸樹を換水する水量が増加した。この時,1回の吸入水量の増加に伴って,体腔内圧の最小値と最大値は共に増大していた。
  • 阿部 真比古, 小林 正裕, 玉城 泉也, 藤吉 栄次, 菊地 則雄
    2008 年 56 巻 4 号 p. 497-503
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    アサクサノリと変種オオバアサクサノリを判別することを目的とし,ミトコンドリアATP6遺伝子に関連したミトコンドリアDNA部分塩基配列(670 塩基)をマーカーに解析を試みた。その結果,オオバアサクサノリ3株において塩基配列が完全に一致し,ITS-1領域で変異が見られたアサクサノリ系統3株においても本領域の塩基配列は完全に一致した。また,アサクサノリ系統とオオバアサクサノリの間で1塩基置換が確認された。このことから,本領域はオオバアサクサノリの判別に有効なマーカーとなる可能性があることが示唆された。また,本領域はアサクサノリとナラワスサビノリの間でも20-21塩基置換が認められた。これらのことから,オオバアサクサノリの判別だけでなく,アマノリ類の種判別技術開発に活用できるマーカーとなる可能性もある。
  • Choon Looi Ch’ng , 瀬尾 重治
    2008 年 56 巻 4 号 p. 505-512
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    ハタ科交雑魚類アカマダラハタ Epinephelus fuscoguttatus×タマカイ E. lanceolatus(TGGG)の種苗生産技術を確立するため,卵発生と仔魚の発育を観察した。体重8.2 kg の雌のアカマダラハタから搾出た卵は,直径0.84±0.03 mm(平均±標準偏差)で,1 g 当たりの卵数は2,588であった。雄のタマカイの精液による受精後,卵は卵膜から水分を吸収し,球形となった。卵の油球は,直径が0.21±0.01 mm であった。水温28.5°C,塩分30 ppt で,受精後18-19時間に孵化した。受精率および孵化率はそれぞれ86.8%および87.2%であった。孵化仔魚は,他の Epinephelus 属としばしば同様の発育を示した。孵化直後の仔魚は全長2.00±0.30 mm であり,水面直下で静止状態であった。孵化後仔魚の初期に大量斃死があり, 生残率は孵化後15日から安定した。孵化後30日から浮遊生活から底性生活への移行を開始した。324,000尾の孵化仔魚から,1,753尾の稚魚(孵化後30日,平均全長22.5±2.7 mm)を生産した。
  • 竹野 功璽, 浜中 雄一, 岡野 勲
    2008 年 56 巻 4 号 p. 513-522
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    京都府内の2つの閉鎖性内湾(久美浜湾と阿蘇海)で若齢期のヒラメの成長を比較した。久美浜湾のヒラメは阿蘇海と比べて成長が顕著に遅く,肥満度も低い傾向が認められた。ヒラメの胃内容物を調べた結果,阿蘇海ではほとんどの個体がほぼ周年魚類を専食していたのに対し,久美浜湾では春から夏にかけて約半数の個体がアミ類やエビ類などの甲殻類を専食していた。また,甲殻類を専食していた個体の胃充満度指数は,魚類を専食していた個体より顕著に低かった。これらのことから,久美浜湾での若齢期のヒラメの成育不良は,成長適期に最適餌料のカタクチイワシやハゼ類などの小型魚類が不足したことにより起こったものと考えられた。
  • Nguyen Thanh Binh , 石川 学, 横山 佐一郎, Fady Raafat Michael , 崎山 一孝, 越塩 俊介
    2008 年 56 巻 4 号 p. 523-530
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    天然採捕の雌クルマエビに眼柄処理を行い,ゴカイ粉末添加飼料がクルマエビの成熟におよぼす影響を検討した。試験区には基本配合飼料,ゴカイ粉末添加配合飼料,冷凍ゴカイの3区と無給餌区を設定し,各水槽に個体識別できるようタグをつけたエビ8尾ずつ収容し,配合飼料は体重の3%,冷凍ゴカイは体重の10%を28日間給餌した。成熟の指標として,卵影比(卵影幅×100/体幅)と産卵率(産卵個体数×100/個体数)を用い,卵影比は4日ごとに測定した。冷凍ゴカイ区およびゴカイ粉末添加区が,基本配合飼料区に比べ優れた成熟と産卵率を示した。無給餌区の卵影比は試験期間中徐々に低下した。飼育試験終了後のエビ肝膵臓と卵巣の脂肪酸組成は,無給餌区を除きほぼ類似した。本研究により,配合飼料を用いてクルマエビの催熟と産卵が可能であることが示唆された。
  • 水野 伸也, 三坂 尚行, 寺西 哲夫, 安藤 大成, 小山 達也, 新谷 康二, 宮本 真人, 永田 光博
    2008 年 56 巻 4 号 p. 531-542
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    本研究では,シロザケの健苗性に及ぼすクエン酸鉄(IC)添加の効果を調べた。配合飼料およびこの飼料に IC を0.125%,0.25%および0.75%添加し,平均0.28 g の稚魚に給餌して3ヵ月間飼育した。成長,飼料効率,飼育期間中の生残率および血液性状には,IC の添加効果はみられなかったが,突進速度,絶食耐性,鰓 Na+, K+-ATPase 活性,肝臓中の間隙面積,全魚体のトリグリセリド含量,ATP 含量,酸性プロテアーゼ活性,チトクローム酸化酵素活性,クエン酸合成酵素活性およびチトクローム b の転写レベルは,IC 添加区で有意に増加し,IC 0.75%添加区で最も効果は大きかった。以上の結果から,配合飼料に IC を添加すると,シロザケ稚魚の健苗性の向上が図れる可能性が示された。
  • 米山 兼二郎, 川村 軍蔵, 掘切 圭美
    2008 年 56 巻 4 号 p. 543-549
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    釣り針を回避することを学習したニジマスの脳から抽出したtotal RNAを釣り針未経験のニジマスに注射し,total RNA注射によって学習行動が転写するか否かをみた。1個体からのtotal RNA量は脳組織1.0 g当たり0.06-0.33 mgであった。対照魚は生理食塩水を注射した個体とハンドリング以外の処理を行わない個体とした。total RNA注射魚と対照魚を識別するために鰭に標識し,実験池に混ぜて収容して釣り試行に供した。用いた6群のうち4群で,total RNA注射魚は対照魚より明瞭に釣られにくかった。この結果より,釣り針回避学習がtotal RNAを介して釣り針未経験の個体に転写したと解釈された。どの群でも対照魚が比較的釣られにくかったのは,total RNA注射魚の釣り針回避行動が群内の他個体に社会的影響を及ぼしたためと考えられた。
  • 黒原 健朗, 木村 喜洋, 関口 洋介, 川合 研兒
    2008 年 56 巻 4 号 p. 551-558
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    マダイエドワジェラ症の実験感染後の菌動態を調べるため,腹腔内注射法および浸漬法で43.3-121.7 g のマダイを感染させ,体内における菌動態を調べた。まず12日間経時的に生魚を取り上げ,平板塗抹法により血液,肝臓,脾臓および腸の生菌数を測定した。つぎに,両感染法での死魚と生魚における脾臓の菌数および内容物が浸漬感染後の腸における菌数変動に及ぼす影響について比較検討した。その結果,血液,肝臓および脾臓の生菌数は両法で類似した変動を示し,肝臓および脾臓では概ね4-6日後に最高値に達した。しかし,菌数の最大値は浸漬法で高く,本疾病に特徴的な脾臓の結節様小白点も同感染法で多く認められた。腸では両感染法で菌動態が異なり,腹腔内注射法では他臓器と同様の変動を示したのに対し,浸漬法では感染1/24日後に108.34-108.45 CFU/g 前後の高い値を示した後に検出限界(103.26 CFU/g)以下を経て再び106.13-108.03 CFU/g まで上昇した。また,この変動は腸内容物の影響を受けなかった。累積死亡率は浸漬法で継続的な上昇を示し,3日以後の死魚と生魚における脾臓の菌数の差も同感染法で小さかった。以上の結果から,浸漬法は腹腔内注射法よりも養殖現場での発生状況を反映しており,本疾病の実験感染法として適していると判断された。
  • 大野 平祐, 畑井 喜司雄, 相川 英明, 原 日出夫, 三浦 正之, 土田 奈々, 三井 潔
    2008 年 56 巻 4 号 p. 559-565
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    2-methyl-4-isothiazolin-3-one(MT)の魚毒性と魚卵の水カビ病防除効果をブロノポール(BP)と比較した。アユおよびニジマス稚魚に対する半数致死濃度(LC50)と30分間薬浴による毒性試験を比較した結果,MT は BP よりも魚毒性を有することが判明した。またアユおよびニジマス卵の水カビ病防除効果を比較するため,受精翌日から発眼までの間,BP と MT の50 ppm および100 ppm で毎日30分間の薬浴を実施した場合,BP および MT ともに同程度の水カビ病防除効果を有することが認められた。
  • 阿部 真比古, 倉島 彰, 前川 行幸
    2008 年 56 巻 4 号 p. 567-572
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    三重県松名瀬沿岸のアマモ群落を対象に,葉寿命や葉間周期を考慮した定期的な採集を行い,これまであまり検討されてこなかった現存量法で2000年9月から2001年9月までの年間純生産量および日純生産量の推定を試みた。その結果,年間純生産量は1332.8 g/m2/year (地上部960.7 g/m2/year,地下部372.1 g/m2/year)であり,日純生産量は地上部で最大8.0 g/m2/day,地下部で最大2.7 g/m2/day,全体で8.7 g/m2/dayであった。これらの値は,他海域のアマモ群落と同程度であった。本手法を用いる場合,葉寿命や葉間周期を越えない採集間隔が必要であり,比較的規模の大きな群落に適応できると考えられた。
  • 宮本 良太, 勝呂 尚之, 高久 宏佑, 細谷 和海
    2008 年 56 巻 4 号 p. 573-579
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    絶滅危惧種であるカワバタモロコ Hemigrammocypris rasborella の保存技術開発の一端として,最適初期餌料検討試験を行なった。親魚に産卵誘発ホルモンを投与して自然産卵させ,得られた仔魚400尾を1水槽50尾ずつ収容した。餌料は,S型ワムシ,アルテミアのノープリウス幼生,仔稚魚用配合飼料を組み合わせ,4つの試験区を設定した。I区にはワムシ,アルテミア,配合飼料,II区にはワムシ,配合飼料,III区にはアルテミア,配合飼料,IV区には配合飼料をそれぞれ1日4回給餌した。水槽は36 l ガラス水槽(450×295×300 mm)を使用し,循環ろ過式で30日間飼育した。試験終了後に生残と成長を比較検討したところ,配合飼料単独では初期飼育が困難であることが明らかとなり,生物餌料の給餌が必要であった。また,アルテミア給餌では大きく成長したが,生残が劣ったことから,ワムシの給餌が必要であることが示された。
  • Sompoth Weerakhun , 畑井 喜司雄
    2008 年 56 巻 4 号 p. 581-586
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    ブリおよびカンパチから分離された Mycobacterium marinum は15-32°Cの範囲で緩慢に増殖し,適温は25°Cであった。供試株はカタラーゼ陽性で,供試炭水化物からの酸産生が陰性,供試した炭素源を必要としなかった。M. marinum の薬剤感受性は,ヒドロキシルアミンヒドラジド,イソニアジド,ピクリン酸および 5%NaCl に感受性を示したが,T2H とチアセタゾンには耐性を示した。M. marinum は供試した蛋白を分解または消化できなかった。種々の条件下で培養を試みた結果,供試菌の生存は海水において長期に認められた。供試菌は37°Cでは 1ヶ月間生存できなかったが,5°Cと25°Cの間では,3 から 6ヶ月間後でも生存していた。
  • 圦本 達也, 吉田 幹英, 前野 幸男
    2008 年 56 巻 4 号 p. 587-594
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    ⌈立枯れ死⌉の前兆として底質から浮上したタイラギの存在を認め,浮上タイラギの各種臓器組織の観察および栄養状態を調査した。浮上タイラギでは鰓および消化盲嚢の上皮細胞に重篤な損傷が認められ,生殖腺の発達も大きく遅滞していた。浮上タイラギは,閉殻筋中のグリコーゲン量および消化盲嚢中のクロロフィルa,フェオフィチンの各量は,底質に埋在したタイラギのそれらと比べて有意に低かった。また,浮上タイラギの閉殻筋および消化盲嚢における栄養状態および摂餌状態の各指標は,組織学的観察結果とよく一致しており,タイラギの⌈立枯れ死⌉は継続的な摂餌機能の低下および消化吸収機能の不全によって発生する可能性が強く示唆された。
  • 荒井 大介, 栗原 紋子, 小味 亮介, 岩本 明雄, 竹内 俊郎
    2008 年 56 巻 4 号 p. 595-600
    発行日: 2008/12/20
    公開日: 2012/09/15
    ジャーナル フリー
    本研究では,チベット産アルテミアとともにイカナゴ細片肉の給餌量の多少が浮遊期のマダコ幼生の成長,生残および体成分組成,特に脂肪酸に及ぼす影響を4,500 ind./1.5 kl 水槽で検討した。その結果,成長の指標である外套長,体重などは,1日3回の給餌において1回当たり4.5 g では成長は劣るが,9および13.5 g では有意に増加し,吸盤数や生残率も高い傾向にあった。さらに,イカナゴ細片肉の給餌量を増加させることで,高度不飽和脂肪酸含量も増大する傾向が窺えた。
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