日本救急医学会雑誌
Online ISSN : 1883-3772
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9 巻 , 4 号
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  • 原田 直明, 岡嶋 研二, 村上 和憲, 礒部 博隆, 田中 経一, 岡部 紘明
    1998 年 9 巻 4 号 p. 125-133
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    胃粘膜防御機構におけるプロスタサイクリン(PGI2)の役割を,ラットの水浸拘束ストレス胃粘膜病変モデルを用いて検討した。胃粘膜の6-keto-PGF濃度はストレス30分で一過性に上昇し,ストレス6, 8時間目には前値より有意に低下した。胃粘膜血流はストレス後時間とともに減少し,ストレス8時間目には前値の約40%にまで低下した。また,白血球集積の指標である胃のmyeloperoxidase (MPO)活性はストレス8時間目に有意に上昇した。インドメタシン(IM)で前処置した動物では,ストレスによる胃粘膜の6-keto-PGF濃度の上昇は抑制され,胃粘膜血流の減少も著明であった。さらに,IM前処置により胃への白血球集積は増加し,胃粘膜病変も増悪した。PGI2の安定化誘導体であるiloprostの投与によりIM前処置による胃粘膜血流の減少,胃粘膜病変の増悪,白血球集積の増加は有意に抑制された。nitrogen mustard投与で白血球を減少させた動物では,IM前処置による胃粘膜病変の増悪,白血球集積の増加は有意に抑制されたが,IM前処置による胃粘膜血流の減少は抑制されなかった。以上の結果から,胃粘膜のPGI2はストレスによる胃粘膜病変を抑制するために重要な役割を担っており,その作用機序として胃粘膜血流を円滑に保つのみでなく,胃への白血球集積を抑制する可能性が示された。
  • 薄場 彰, 星野 智祥, 大須賀 文彦, 木村 隆, 佐藤 領, 藤田 康喜, 山下 方俊
    1998 年 9 巻 4 号 p. 134-142
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    カプセル化ヘモグロビン(neo red cell; NRC)は粘度が赤血球の1/3と低く,酸素運搬容量が約2倍と高く,単に酸素運搬体として赤血球の代替物にとどまらず新しいresuscitation fluidとして期待される。今回,出血性ショックに対するNRCの効果を検討する目的で,とくに心拍出量が減少した重症ショックモデルを作製し,NRCの特徴である低い粘度と高い酸素運搬容量が循環と酸素供給の改善にどう貢献するか。また併存する赤血球とどう異なるか。さらに心拍出量の減少のない軽症モデルではNRCの効果がどう変化するかについて検討した。雑種成犬13頭を用い,静脈内麻酔後気管内挿管し50%の濃度の酸素を吸入させた。靜脈より脱血しショック状態とし,直ちにNRCを血圧が前値へ戻るまで投与し,これを3回繰り返した軽症モデル6頭を1群とし,同様にショック状態とし,そのまま30分間治療せずに放置した後にNRCを血圧が前値へ戻るまで投与し,これを3回繰り返した重症モデル7頭を2群とした。脱血前および各NRC投与後に循環動態と酸素動態を検討した。1群では脱血量と等量のNRC投与で血圧が回復し,しかもNRCの低粘度効果で血管抵抗が減少し,心拍出量が増加した。一方2群では脱血量の1.6倍のNRC投与を要し,しかも血管抵抗が増加し,心拍出量が減少した。すなわち2群では血管内血漿のextravasationのため血管抵抗が増加し,低粘度のNRC投与でも循環改善が得られず心拍出量が減少した。さらに2群では酸素需要が著増した。そこでNRCは動静脈血酸素含量較差(AV較差)を増加させ,心拍出量の減少分を酸素運搬容量増加分で補填した。しかし,併存する赤血球ではNRCのような強力な酸素運搬増強効果はみられなかった。一方,1群では侵襲軽度で酸素需要は増加せず,しかもNRCの低粘度効果で心拍出量が増加したのでNRCのAV較差は増加しなかった。以上よりNRCは心拍出量減少のない軽症ショックは無論,心拍出量が減少し,しかも粘度の低下でも心拍出量増加が得られない重症ショックでも酸素需要の増加に対応できる優れた性能を示した。
  • 東海林 哲郎, 金子 正光, 伊藤 靖, 坂野 晶司, 今泉 均, 小林 謙二, 浅井 康文
    1998 年 9 巻 4 号 p. 143-157
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    救急医療体制の確立とともに突然心停止し,心肺停止状態で救急医療施設に搬入されるCPAOA例が増加している。急性心筋梗塞発症早期に突然死が多いとされるが,入院前心停止例では正確な臨床診断は難しく,病理解剖でも発症6時間以内では特徴ある所見に乏しい。目的:成人内因性突然死における急性心筋梗塞の頻度と発症直後に突然心停止した心筋梗塞超急性期の病態を明らかにする。症例・方法:最近7年間に当部へ搬入された30~80歳の内因性CPAOA384例のうち臨床診断で「急性心不全」が212例(55.2%)を占めた。このうちの64例に剖検を行い,剖検時冠状動脈造影を含め冠状動脈ならびに心筋病変を検討した。急性心筋梗塞の診断は冠状動脈の血栓性閉塞・狭窄所見を重視し,病変灌流域心筋組織のhematoxylin-basic-fuchsin-picric acid染色陽性所見を参考とした。結果:64例中急性心筋梗塞は36例(56.3%)で,27例に内膜破綻と新鮮血栓,6例に内膜破綻がみられた。初発心筋梗塞19例,陳旧性梗塞再発例17例で,前者の6例,後者の12例が重症多枝病変例であった。冠状動脈閉塞・狭窄病変は主要冠状動脈中枢側に多かったが,とくに一枝病変例18例では各枝いずれも中枢側に責任病変があった。他は不整脈死6,大動脈瘤破裂6,心筋症4,肺塞栓症2,その他7,不明3例であった。考案・結語:「急性心不全」とされた成人内因性CPAOA64例の剖検で急性心筋梗塞が36例,56.3%を占めた。これを「急性心不全」212例にあてはめて推定した例に臨床診断で急性心筋梗塞と診断し得た20例を加えると成人内因性CPA症例384例中で急性心筋梗塞の頻度は36.2%と推定された。心筋梗塞超急性期突然死例のうち初回発症例では一枝病変例が,再発例では重症多枝病変例が多く,また一枝病変突然死例では各枝中枢側に病変を有することが示された。
  • 伊波 寛, 石垣 敬子, 小笠原 隆行, 奥田 佳朗
    1998 年 9 巻 4 号 p. 158-162
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    CPR was performed on a cardiac arrest victim who had received a kick to the side. We succeeded in reviving the victim after more than two-and-a-half hours of closed-chest cardiac massage (CCCM). One factor in success of CPR is initiation of CPR immediately after cardiac arrest. Other factors are early administration of oxygen and a young patient. It is thought that the reason the CPR took so long to succeed despite having been initiated immediately after arrest was because CCCM inside the ambulance proved to be ineffective. A CCCM machine (thumper) is essential for performance of in-ambulance CCCM. It is difficult to decide when to stop CPR in emergency situations where there is a lack of diagnostic equipment for vital signs.
  • 太田 辰, 宮加谷 靖介, 田中 秀治, 行岡 哲男, 島崎 修次
    1998 年 9 巻 4 号 p. 163-164
    発行日: 1998/04/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
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