アワヨトウ,コナガの岩手県盛岡市における春期の飛来をフェロモントラップを用い,アワヨトウについては,さらに糖蜜トラップも併用して調べた。3か年調査のうち2か年について,特異的な飛来がみられた。
すなわち,アワヨトウのフェロモントラップによる初誘殺は,1982, 1983年,それぞれ,5月13日および5月7日で,同時にコナガも多数誘殺された。
この両種の誘殺時には,2か年,共通した特徴がみられ,中国大陸長江下流域に発生した低気圧に伴う前線が,黄海,朝鮮半島,日本海を経て,北日本を通過した直後で,前線の移動に伴う飛来と考えられた。
前線通過時の盛岡の気象条件は,風向は南々西の風を中心に,南から南西にわたり,風速は6∼8m,気温12∼14°Cで,夜半より翌朝にかけ,気温の上昇がみられ,降雨を伴った。両年,ほぼ類似した傾向であった。
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