結核
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78 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 長山 直弘, 益田 公彦, 馬場 基男, 田村 厚久, 永井 英明, 赤川 志のぶ, 川辺 芳子, 町田 和子, 倉島 篤行, 四元 秀毅, ...
    2003 年 78 巻 4 号 p. 339-346
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    INHとRFPを含み, PZAを含まない結核化学療法による薬剤性肝炎 (DIH) 出現率の経年変化を後ろ向きに調べた。4つの期間, 1980~83, 87~88, 91~92, 1998~2000年の入院患者で, 血清ASTおよびALTが化療前に正常であった者を対象とし, 化療開始1カ月 (20~40日) および2カ月 (45~75日) 後の血清ASTおよびALT値のいずれかがAST≧40K -AまたはALT≧35K-A (1980~83年), あるいはAST≧40IU/lまたはALT≧40IU/l (1987~2000年) となっていればDIHと診断した。各期間の対象患者はそれぞれ113, 135, 128, 154名であった。DIHの種々の危険因子の寄与を調べたが, 80歳以上の高齢という因子以外は危険因子を認めなかった。80歳未満の患者の検査期間ごとのDIH出現率を調べると各期間それぞれ10/111 (9.0%), 23/131 (17.6%), 26/123 (21.1%), 32/117 (27.4%) であり, 有意に (p=0.01) 経年上昇していた。環境の悪化が原因と推測される。
  • 胸部造影CT検査による検討
    近藤 信哉, 伊藤 真樹, 内村 和広
    2003 年 78 巻 4 号 p. 347-351
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    肺結核好発部位を知ることは単純X線写真の読影をより容易にする。この検討はCT検査を用いて, 結核を発病した0歳児57名における肺病変好発部位の有無を調べることを目的とした。57名全員が縦隔・肺門リンパ節病変を有し, そのうち初期変化群結核であったのは54名であった。肺好発部位の検討は各患児に100ポイントが与えられ, 単独病巣の患児においてすべてのポイントが病変肺区域に与えられた。複数病巣を有した患児では, 100ポイントは病巣の存在する肺区域に等しく分配された。右肺 (3385ポイント/10肺区域) は左肺 (2005ポイント/8肺区域) より高いポイントを有したが, 有意差はなかった。上葉肺 (2224ポイント/5肺区域) は中・舌葉肺 (896ポイント/4肺区域) と下葉肺 (2270ポイント/9肺区域) を併せたポイントより有意に高いポイントを示した (p<0.05) 。背部肺区域 (2839ポイント/7肺区域) は前部肺区域 (2115ポイント/8肺区域) と中間肺区域 (436ポイント/3肺区域) を併せたポイントより有意に高いポイントを示した (p<0.05) 。これらの結果は0歳児初期変化群結核において肺病巣はいかなる区域にも生じうるが, 上葉肺と背部肺区域に好発することを示唆する。
  • 自験14例の検討と全国自治体アンケート調査
    冨岡 洋海, 多田 公英, 大山 敦嗣, 藤山 理世, 大西 尚, 桜井 稔泰, 坂本 廣子, 西口 光, 山本 剛, 阪下 哲司, 白井 ...
    2003 年 78 巻 4 号 p. 353-358
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    血液透析患者は結核発病のハイリスクグループと考えられているが, 透析可能な結核専門施設は少なく, その対応には問題が多い。当院で経験した症例を検討し, さらに全国自治体86担当部署にアンケート調査を行い, 血液透析を要する肺結核患者の問題点を検討した。過去8年間に当院に入院した活動性肺結核患者1059例 (男/女=773/286) のうち, 慢性腎不全を有し, 血液透析を行った症例は14例 (1.3%) で, うち9例は市外や県外からの依頼であった。平均年齢65±11歳で, 女性が7例と比較的多く, 胸部X線病型分類は1例を除きすべて皿型であった。5例は症状出現または胸部異常影指摘から当院入院まで3カ月以上要していた。全国アンケート調査 (回収率77%) では, 血液透析を要する排菌結核患者の対応に難渋した経験を持つ自治体は31%, 地元にて収容可能な施設がない自治体は25%で, これらの自治体では透析患者に肺結核が発症した場合, 近隣都道府県に依頼する, 透析病院に通院させる, などの対応をとっていた。現状では, 血液透析を要する肺結核患者の対応には難渋する場合が多く, 施設の整備とそのネットワーク構築が急務と考えられた。
  • 深澤 豊
    2003 年 78 巻 4 号 p. 359-363
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    16S rRNA遺伝子の前半部分 (約500b) の公開塩基配列とのホモロジーと, 条件を変えたDDH法 (ΔDDH法) による相対類似度から得た同定結果との比較を, 結核研究所保存のMycobacterium szulgai 24菌株とMycobacterium malmoense 15菌株を用いて行った。比較実験の前提として「菌種は遺伝学的に連続した個体の集団, あるいは遺伝学的にわけるのが不適当な個体の集団である」と考えた。その結果, (1) 16S rRNA遺伝子配列約500bpの比較による市販ソフトGENETYX-MAC (version 8.0) によるホモロジーでは, 遺伝子の領域によっては, 過った結論を出してしまう菌株があること, (2) 2菌種の問では特定の位置の塩基の相違がみられた。
  • 正木 孝幸, 江崎 孝行
    2003 年 78 巻 4 号 p. 365-368
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    迅速検査であるAmplicore Mycobacterium法はその検体の前処理法が短時間で終わるように工夫されている。そのため喀痰の溶解やPCR反応阻害物質の除去が不完全な場合がある。著者らは, 喀痰の溶解にsemi-alkaline proteaseを使用することでその問題を解決した。2001年4月から2001年8月までにTB-PCR検査の依頼があった261検体の検討結果は21件8.0%がPCR反応陽性であり, このすべての検体の間接塗抹法は陽性であり, 培養・同定検査ではM.tubmulosisであった。PCR法陰性で培養陽性であった27例のすべての株はM.tubmulosis以外の抗酸菌であった。
  • 2003年
    日本結核病学会予防委員会
    2003 年 78 巻 4 号 p. 369-371
    発行日: 2003/04/15
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
    日本結核病学会予防委員会は, 「21世紀の結核対策」 (平成13年11月) などによって今後の結核対策のあり方について見解を発表してきた。現在検討が行われている結核対策の改訂に関して, 主として予防の分野にわたって以下のように考える。これらの大半が従来の見解の確認であるが, 一部新たな状況の展開に対応して拡充や補強を行った。
  • 2003 年 78 巻 4 号 p. e1
    発行日: 2003年
    公開日: 2011/05/24
    ジャーナル フリー
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