日本原子力学会誌ATOMOΣ
Online ISSN : 2433-7285
Print ISSN : 1882-2606
50 巻, 4 号
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巻頭言
時論
Nuclear Newsを見て
特集
  • 小佐古 敏荘, 山本 英明, 大越 実, 米原 英典
    2008 年 50 巻 4 号 p. 219-231
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/06/17
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     放射線安全の考え方は当初から“国際”的であった。国際放射線防護委員会(ICRP)の哲理に基づき,関連する国際機関が放射線安全基準の国際整合性を取ってきた。本稿では,これらの動向を概観し,最近のトッピックスを紹介するために,3つのテーマを設定した。まず,これらの中心をなす国際原子力機関(IAEA)の放射線安全基準体系の概要とその役割を書いた。続いて,極めて小さい被ばくの考え方として,クリアランスの概念とその適用に関する国内外の動向に触れた。最後に,自然界からの被ばくのうち,自然起源の放射性物質(NORM)の考え方とその規制の適用性に関する国内外の動向について紹介をした。本稿は近年の放射線安全の考え方の理解の一助となる。

解説
  • 松田 美夜子
    2008 年 50 巻 4 号 p. 232-235
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/06/17
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     原子力発電所から発生する使用済み燃料は,日本ではリサイクルした後,残渣を高レベル廃棄物として地層処分することが決まっている。しかし,処分地の選定については,第1段階に当たる自治体からの文献調査の応募も,まだなされておらず,国民の理解も進んでいない。

     一方,同じように原子力発電を実施しているフランス,ドイツ,スウェーデン,フィンランド,イギリス,スイスなどでは,原子力廃棄物の最終処分地の選定は,日本の第3段階に当たる最終処分地の候補地区選定の段階にあり,すでに明確な地名が公表され,実施主体と地域の議会や地元住民との間で受入れに向けた具体的な条件の話し合いが始まっている。

     筆者は,2006年10月にスウェーデンとフィンランド,2007年8月にイギリス,10月にドイツとフランスを訪ね,サイト選定に向けた各国の取組みを取材した。そこには,日本が目指す最終処分地決定までのプロセスのお手本があり,道しるべになる事例が多く見られた。本稿では,ドイツとフランスの今を解説する。

  • ―両者を結ぶのは信頼
    唐木 英明
    2008 年 50 巻 4 号 p. 236-240
    発行日: 2008年
    公開日: 2019/06/17
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     食中毒の原因には,食中毒菌,ウイルス,きのこ毒,ふぐ毒などがある。食中毒患者数はこの50年間を通じて年3万人前後でそれほど変わっていないが,かつては年間500名を超えることもあった死亡者数は,このところ10名前後まで大きく減少している。このような統計値から見て日本の食品の安全性は高いといえる。しかし,アンケート調査の結果を見ると,食品の安全に対する消費者の不安は大きい。不安の原因として遺伝子組換え食品などいくつかの要因が挙げられているが,食品添加物や残留農薬のような化学物質は常に不安の上位に出てくる。ところが,戦後の混乱期に基準を大幅に超えた量を使用した例を除いては,化学物質による食中毒は起こっていない。にもかかわらず不安を感じるのは,多量の化学物質により起こる毒性が少量でも出るという誤解に基づく不適切な報道の影響が大きい。さらに食品関連企業の偽造が消費者の不信を招き,不安をさらに大きくしている。

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